ヘッド体積の大きいマレットパターを中心に、ウェイトを装着することで性能をコントロールしたモデルが増えている。トゥ・ヒールに配置してミスヒットに強くするのが基本的な考え方だが、フェースから見て前後のどこにあるかが振り心地、特にタッチの出しやすさに大きく影響するという。
ヘッドの重心はダウンスイング以降、シャフト軸に向かって移動しようすると特性がある。そのため、ウェイトがあり、重さが集中した部分が後方にあると重心が前に動く力が強くなり、ボールが強くコロがりやすくなる。
パターのソールに鉛を貼って調整するプロは昔から多い。重さを付けることで性能を微調整できるからだ。申ジエ(韓国)はブレードパターの後方に鉛を貼り、適度なオートマ性をプラスして使用。人気マレット型は、ウェイトをソールに装着させることで、オートマ性を高めているといえる。
パター選びでは、構えたときの顔やネック形状を気にする人が多い。もちろんそれも必要なことだが、タッチの合うモデルを選ぶにはソールウェイトがどこにあるかが大切になるとギアコーチの筒康博は語る。
「最新パターの多くは、丸型の2つのウェイトをソールのトゥ・ヒールに配置する構造を取っています。ミスヒットへの強さや低重心化してボールのコロがりを良くするなどの狙いがあるわけですが、それとは別にフェースから見て、前後のどこに2つのウェイトが配置されているかでタッチの出しやすさが変わります。シャフトの軸線からウェイトが遠くにあるほど、ダウンスイング以降に重心の動く力が強くなり、ヘッドが走るのです。オートマチックに、ボールが強くコロがってくれますので、ショートしがちな人が距離を合わせやすくなります。逆にオーバーしがちな人は、ウェイトが前方にあり、シャフト軸に近いモデルを選ぶと良いでしょう。タッチが合うかどうかは、スコアに大きく影響しますので、ぜひ距離感の合うウェイト位置を見つけて、モデル選びに役立ててください」
また、ソールウェイトの位置による特性の違いを知ると、マレットの顔でブレードの操作性を持ったモデルや小さめのヘッドだが、オートマ性の高いモデルなどを判別することが可能になる。
「世の中にはさまざまなタイプのゴルファーがいます。マレットの構えやすさが欲しいけど、打つときはブレードのようにタッチを出したいという人もいれば、シャープなヘッドで真っすぐ打ちたい人もいるでしょう。ウェイト位置による特性の違いを把握しておけば、そういった細かな要望に応えてくれるモデルが探しやすくなりますよ」
【今回試打したクラブリスト】
オデッセイ Ai-ONE ジェイルバード ミニ DB
タイトリスト スコッティキャメロン ファントム5
タイトリスト スコッティキャメロン スーパーセレクト ファストバック1.5
オデッセイ Ai-ONE ウイングバック
テーラーメイド スパイダーツアートラス TM1 トラスヒール
■試打・解説 筒 康博
つつ・やすひろ/過去の名器から最新クラブまで豊富過ぎる知識を持つ通称“ギアコーチ”。インドアゴルフレンジKz亀戸店でヘッドコーチとして、日々アマチュアの悩みに応えている
■試打・解説 小坂圭司
こさか・けいじ/インドアゴルフレンジKz亀戸店支配人。所属コースでクラブチャンピオンを取った経験を持つトップアマで、ドライバー飛距離は300ヤードを超えるる
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今季は軟鉄鍛造アイアンの当たり年。関連記事【『軟鉄キャビティ』は”顔良し・打感良し・やさしさ良し”で女子プロで流行中!】を読めば、その秘密がわかります。