「ボールが空中で静止する」。米国PGAショーで発表された新シャフトに世界が驚愕
日本シャフトが展開するアスリートゴルファー向けブランド「N.S.PRO MODUS3」シリーズの最新モデル『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』は1月25日、世界最大級のゴルフの祭典「PGAショー」の舞台で発表された。今までにない革新的な性能は世界中のゴルファーの注目を集め、日本シャフトのブースには連日多くの人が足を運んだという。
特に実際にボールを打つことができた「デモデー」では、『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』が生み出す弾道に多くのゴルファーが驚愕。適正なバックスピンで、ネジれず真っすぐ強く伸びていく弾道に対し、「ボールが空中で静止している」と賞賛の声が寄せられた。
ドライバーシャフトのトレンドに近い独自の剛性設計
米国で大きな反響を呼んだ『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』にはどんな秘密があるのか? 日本シャフトのPR、広報、商品企画を担当する栗原一郎氏に話を聞いた。
「『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』は、これまでのアイアン用スチールシャフトにはなかった独自の剛性分布で設計されています。まず手元の剛性は軟らかい設計で、切り返しからダウンにかけてシャフトのしなりが感じやすくなっていて、手先の感覚を生かしてフェース向きや入射角をコントロールすることができます。一方で、中間から先端にかけてはしっかりと剛性を高めています。これはドライバーで人気のカスタムシャフトに見られる設計で、効率良くボール初速を出しながら、余分なスピンを抑制して直進性の高いボールを打つことを可能にします。トゥダウンも起きにくくなるので、スイング幅のコントロールもしやすくなります」(栗原氏・以下同)
日本シャフトの『N.S.PRO MODUS3』は、トーナメントを戦う男子プロの要望を実現する形で製品の開発を行ってきたブランドだ。今回、直進性の高い『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』をリリースした背景には、アイアンの弾道に対するプロの要望の変化があったという。
「今までアイアンでは、しっかりスピンの入った“めくれる球”が求められていましたが、欧州のツアープロを中心に余分なスピンを抑えたいという要望が増えています。同時に、クラブを軽量化し、ヘッドスピードやボール初速を上げることがスイングのトレンドになっていました。そんな中で導き出した答えが“110グラムという軽量帯で、直進性の高い弾道が打てるシャフト”だったのです」
近年、ドライバーやスイング理論が進化する中で、余分なスピンを抑えて直進性の高いボールで飛距離を出す打ち方が主流となっている。アイアンでも同じように強く、前に伸びるような弾道を求める声が増えており、それに応える形で生み出されたシャフトが『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』なのだ。しかし当然ながら、今までにないタイプのシャフトを生み出すためには多くの苦難があったと栗原氏は話す。
「110グラムというやや軽めの重量帯では、ヘッドが効きにくく、硬くピーキーな挙動のシャフトになりがちです。そこで考えたのが『バランスポイント』の工夫です。バランスポイントは、シャフト単体を一点で支えたときにバランスの取れる位置を指しています。単位は%で表され、50%がシャフト中央ということになります。一般的にスチールシャフトのバランスポイントは手元側に来ることがほとんどですが、『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』は49%台でヘッド側に設計されています。これにより、軽量帯のシャフトでもしっかりヘッドが効き、安定した挙動でクラブを操作できるようになりました。剛性設計で弾道を、『バランスポイント』で振り心地を調整することで現代のツアープロが求める理想的なシャフトを実現したのです」
日本シャフトには独自の形状加工技術「MSAテクノロジー」がある。シャフトのステップや内部の肉厚をミクロ単位で精密に調整する技術があったからこそ、『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』という今までにない新しいタイプのスチールシャフトを作り上げることができたのだ。
『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』が合うのはどんなゴルファー?
今までにない性能を持った日本シャフトの最新モデル『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』。その特性はどんなゴルファーに合うのか?
「プロの要望に応える形で生まれた『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』ですが、もちろんアマチュアゴルファーの方にとっても大きな武器になるはずです。例えばヘッドスピードが速めで、手打ち傾向の方におすすめです。余分なスピンによる吹け上がりを抑えて効率良く飛ばせるだけでなく、サイドスピンが減って、アイアンの方向性も良くなるでしょう」(栗原)
アイアンで110グラムという重量帯には、ドライバーのシャフトで言えば60グラム台がマッチする。しかし、栗原氏は「バランスポイントの調整によって、より幅広いパワーのゴルファーにフィットするシャフトに仕上がっている」と強調する。
「49%台のバランスポイントに調整したことで、『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』を装着したクラブは、ヘッドがしっかり効いてくれます。60グラム台のドライバーを愛用する人が振りやすい重さであると同時に、もっと重い70グラム以上のシャフトを使っている人でも、ダウンでヘッドの重みを感じながら振っていくことができるモデルのなのです。軽量化によるスピードアップを実現しながら、重量級シャフトに近い振り感が得られることも、今までのアイアンシャフトにはない『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』の特徴の一つと言えるでしょう。また、どんなタイプのアイアンヘッドにも合いますので、ぜひお気に入りのアイアンに『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』を装着して、ドライバーのように直進性の高いぶっ飛び球を体感していただきたいです」
まさにクラブの進化に対応した新時代の定番シャフトが『N.S.PRO MODUS3 TOUR110』だと言えるだろう。スピンの入り過ぎを防ぎ、風に負けない強弾道で飛ばせる性能により、アイアンショットの質が劇的に変わること間違いなしだ。