高弾道ドローでぶっ飛んだ! 『G430 MAX 10K HL』はヘッドスピード40m/sの強い味方
貧打爆裂レポートのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、ギアについての噂の検証をします!実際にゴルフコースに持ち込んで、動画を撮影しながらラウンドしたレポートです。
配信日時:2024年2月21日 08時00分
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか?元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
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【注目ポイント】
ピンゴルフは、2024年2月8日に『G430 MAX 10K HL ドライバー』を発売しました。2022年秋に発売されて、大ヒットしている『G430 シリーズ ドライバー』の追加バージョンの『G430 MAX 10K ドライバー』を更にチューニングしたのが『G430 MAX 10K HL ドライバー』です。『HL』は、ハイ・ローンチの略で、高いボールが放たれる、というような意味です。『G430 MAX 10K HL ドライバー』のコピーは、“もっと高く、もっと遠く、飛ばしたいゴルファーへ”です。ターゲットを明確にするコピーです。
『G430 MAX 10K HL ドライバー』は、ピンゴルフ史上最大のMOI(慣性モーメント)を更新した『G430 MAX 10K ドライバー』とヘッドは同じものです。10Kは、10,000という意味なのですが、フェースの左右方向と上下方向のMOIの合計値が10Kを超えているという特徴を強調しているのです。ヘッドのMOIが大きいと、インパクト時に芯からズレた場所にボールが当たっても、ヘッドが捻れずに、ブレないというメリットがあります。
『G430 MAX 10K HL ドライバー』のテクノロジーは、基本的には『G430 MAX 10K ドライバー』と同じですが、ヘッドの後方にあるウェイトが、専用のウェイトになっています。シャフトは高弾道が打ちやすい2種類の軽量シャフトから選択できます。グリップも『G430 MAX 10K HL ドライバー』に合わせた軽量のグリップが採用されています。
個人的にはMOIが大きいクラブは苦手なのですが、軽量化されたクラブは大好きです。興味津々で試打をすることになりました。シャフトは、「FUJIKURA SPEEDER NX 45」(2種類の中では重いほう)のSフレックスで、ロフトは10.5度です。試打した日は、快晴で、気温は-4℃~7℃。微風でした。使用したボールは使い慣れていて、クラブの影響だけに集中できる『TOUR B X』です。
【打感・打ち応え】
『G430 MAX 10K HL ドライバー』の打音ですが、音量はちょうど良い大きさで、音質は、濡れた鞭系の音に硬質な音が混じっています。打ち応えは、軽くやわらかさを感じます。手応えはやや敏感です。
【弾道・球筋・スピン】
『G430 MAX 10K HL ドライバー』の弾道は、高弾道です。ややつかまえる挙動があり、軽いドローが自然に出ます。理想的な棒球系のボールで、オートマチックに同じボールを打ち続けるのが得意です。
【弾道・球筋・スピン】
『G430 MAX 10K HL ドライバー』の試打ラウンドの平均飛距離は225ヤードでした。最高飛距離のホールは240ヤード。軽く振っても飛ぶ、ぶっ飛ぶドライバーです。ミスヒット時の飛距離ロスを防ぐ機能は、HLのほうがわかりやすく感じました。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『G430 MAX 10K HL ドライバー』は、軽さよりも、振りやすくて、打っても気持ち良く振り切れるというのが第一印象でした。
ミスヒットしたときの許容性の高さは、『G430 MAX 10K ドライバー』よりも『G430 MAX 10K HL ドライバー』のほうが、強く感じました。シャフトが長い分、芯を微妙に外れるショットが多かったのが原因だと推測しました。打ち出しからポーンと上がるボールというより、強いボールが前へ前へと飛んでいく弾道です。軽めの打ち応えからすると、重いボールが出ることに、最初は少し違和感がありましたが、数ホールで慣れました。
フェードは少し打ちづらく、基本的には軽いドローが出ます。多少のミスは弾道に影響せず、軽いドローが連発するのは心強い味方を得たという安心感があります。ブンブン振って飛ばすのではなく、丁寧に当てたほうが飛ぶという現象も起きました。最長飛距離の240ヤードは、僕のヘッドスピード40m/sを考えると凄い距離ですが、このホールは、強いて軽めに当てにいって打ったボールが記録したものです。ヘッドスピード40m/s以下のゴルファーに、『G430 MAX 10K HL ドライバー』はオススメです。また、ボールが上がらずに悩んでいるゴルファーにも『G430 MAX 10K HL ドライバー』をオススメします。
ボールが上がり過ぎて飛距離をロスしているというゴルファーには、『G430 MAX 10K HL ドライバー』よりも『G430 MAX 10K ドライバー』が正解です。パワー不足を自覚しているゴルファーであれば、老若男女、誰でも、『G430 MAX 10K HL ドライバー』が助けになると思いました。ボールを打たずに、素振りをしただけでも良い予感がしたら、『G430 MAX 10K HL ドライバー』が自分に合っている可能性が高いので、期待を高めて試打をしましょう。
個人的には、少し上がり過ぎて飛距離をロスするシーンが試打ラウンド中に何度かありましたが、同じボールを打ち続けるという使用法を想定すると、なかなか頼りになると逆に感心しました。楽に飛ばすゴルフをしたいゴルファーは、『G430 MAX 10K HL ドライバー』をバッグに入れるべきです。
【試打クラブスペック】
『G430 MAX 10K HL ドライバー』
ヘッド素材 811チタン(ボディ)+カーボン(クラウン)
フェース素材 T9S+チタン
ヘッド体積 460cc
ロフト 10.5度 ※9.0度、12度もあり
ライ角 59.5度
シャフト FUJIKURA SPEEDER NX 45(S)
長さ 46インチ
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員
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