ソフトな方が速く振れる!? 靴に詳しいコーチが『ゲルカヤノエース2』を薦める理由
ランナーに大人気の『ゲルカヤノ』シリーズの「ゴルフ版がまた出た」と聞きつけ、ゴルフシューズに詳しいスイングコーチに試してもらった!ランナーが愛してやまないクッション性はゴルフにどう役立つのか?
配信日時:2024年5月28日 23時47分
なぜ、ランニングシューズは疲れづらいのか?
普段、ジョギングやジムで体を鍛えるわけではない人も「散歩やハイキングでゴルフシューズを履く」人はいないだろう。男女ツアーを支えるプロキャディも、スパイクを履く人はほぼ皆無で「皆ランニングシューズやソフトで疲れづらいスパイクレスを好む」と言うのは、シューフィッターの資格を持つスイングコーチの神谷幸宏だ。今回、ランナーに人気の『ゲルカヤノ』シリーズの「ゴルフ版がまた出た」と聞き、アシックス『ゲルカヤノエース2』に靴好きの血が騒ぐのか、興味しんしんの様子。
女子プロと結婚し、奥さんのキャディやコーチとして帯同することも多い神谷は『スイングカタリスト』という足圧計測器を駆使し、プロを目指す研修生やジュニアのコーチとして活動。そんな神谷は、以前から「ゴルフシューズは硬くガッチリしたスパイクが良い」持論を持っていたが、『カタリスト』など最新計測器を用いた生徒らの検証を重ねて「ソフトな方がスピードが出る」という結論に達したとか。
右足の粘るソフトなモノが速度に有利
「カタリストを使って、普段から生徒のスイングの下半身の足圧から【縦】と【横】と【回転】の3つの動きをそれぞれ可視化し、力のベクトルを見ながら指導しますが、ボク自身を含めて昔からプロや上級者が好んできたハードなスパイクより、アッパーがソフトで右足が粘る履き心地がソフトなスパイクレスの方がスピードが出やすい傾向を確認して、持論を改めました」(神谷)
そんな“足の専門家”は、クッション性とアッパーのソフトさから確かめていく。アシックス『ゲルカヤノエース2』は、神谷の持論にまず合格したようだ。『ゲルカヤノ』シリーズは、極めてソフトなクッション性で疲労軽減効果がジョガーからマラソンまで支持され大人気だというが、その部分だけでなく「アッパーの粘りも十分」で、我々ゴルファーの「スピードにも多いに恩恵がありそう」と言う。
デザインも色もカッコイイ!
トレーニングメソッドにも詳しく、生徒や奥さんのフィジカルサポートをし、自身もジムやランニングなどで体を鍛えてきた神谷。その際には「オンというスポーツシューズメーカーのランニングシューズを普段から好んで履いていますが、やはり、足型に合うモノでアッパーとソールがソフトでクッション性の高い靴はずっと履いていても疲れづらいです」。
アシックス『ゲルカヤノエース2』の形状を見るなり「ゴルフシューズというより、ランニングシューズのようなデザインで、まず素直にカッコイイというのが第一印象。ネオンライムとグレイシアグレーの色も秀逸ですし、ウエアと合わせやすくてスポーティさと落ち着きを両立してますよね」と、ランニングシューズ由来のデザインに好感を語る神谷。
MP関節の屈曲性もソールの溝がサポート
足入れすると「アッパー素材も硬すぎず、ソールにも足指がちょうど屈曲する部分の【MP関節】の部分に切れ込みが入っていて、ソールとアッパーの屈曲性が調和していてすごく快適ですね。ランニングシューズから派生したと聞いて納得ですが、普段履くランニングシューズに似たフィールですごく動きやすく、クッション性の高さやソフト過ぎないちょうどいい履き心地のバランスが素晴らしい。シュータン一体構造も効いているのかもしれません」。
試しに足場の不安定な傾斜地を走ってもらっても「フィット感も良く靴を軽く感じて足がどんどん前に出ます。歩いている際も同じでスムーズに足が出ますが、ランニングシューズと違ってソールがフラットなため、平衡感覚に優れているのが、きちんとゴルフに大事なポイントを抑えています。ランニングシューズっぽいモノは前側に重心がかかり過ぎてしまうモノも多い中、これはニュートラルに感じます」。
縦・横のブレにも強いソール
ショットしてもらうと、スイング中の下半身の使い方に精通する神谷は「どのタイミングでも必要なソール形状を感じる」と言う。例えば、バックスイングでは横ブレを抑えるため右足の外側にストッパー感があり、ダウンスイング以降の鋭い回転を支える左足カカト部の安定性にも「U字型のバックカウンターの効果もあって、グラつかずに鋭く回転するために必要な安定性がすごく追求されていると感じます」。
この部分は、ゴルファーのタイプ別にスイングを想定して変えて打った、ドライバーのフルショットでも顕著だった。
「例えば、年配のゴルファーに多い【左右に軸を揺さぶるような振り方】でも足元が安定していましたし、逆にジュニアゴルファーに多いジャンプアップ系の振り方でも地面反力が使えるというか足で蹴りやすく、女子プロや若手アスリートのような鋭い回転系スイングでもスピンアウトせず、速度が上がる感じがします。
冒頭説明したように、やっぱり、ダウンスイングで足が粘るというか、アッパーとソールが適度に捻れるソフトなシューズの方が、地面をつかむ感覚でスイングスピードを上げやすいですよね。元々足を使えていない、使わないと自認する人も、一度ソフトなタイプを試してみてほしいですね」。
ラウンド後半の“疲れ”に強そう
歩行時やランニング時、そして20kgもの重量を担ぐ“キャディ時”に快適なランニングシューズは、とにかくアッパーもソールもソフトで屈曲性の高いモノがほとんど。が、芝の上を歩く際に「柔らかすぎるモノ」でカカト部分が不安定だと「無意識に体力を消耗しやすくなる」という。ところが、アッパーやMP関節部分がソフトながら、このシューズは「正しい歩き方に補正してくれる、カカト部のWのサポート」が凄いという。
「例えば、急傾斜やぬかるみなど様々な地面で歩くゴルフプレーで不安定な靴だと『しっかり踏ん張らなきゃ』と無意識に余計な足の筋力を使ってしまい、必ずラウンド後半で消耗してショット面でも左へのミスが増えてしまいます。『ゲルカヤノエース2』は、そういう歩行の不安もなく、必要なクッション性はカカト部に内蔵した『GEL』で、安定性は『U字のバックカウンター』で両方を兼ね備えている印象ですね。必要な部分のみソフトで、カカト部は歩行でもスイングでも必要な安定性がしっかり確保されていてゴルフシューズとして凄く正しいのかなと」。
神谷自身、以前の全体がガッチリしたスパイク派から「もうソフトなスパイクレスから戻れません」と主義変更に揺るぎはないそう。「女子プロの大半が調節性に優れた靴ヒモ派ですが、さすが足を追求するアシックス。アッパーもソフトで靴ヒモタイプなため、色んな足型の方に汎用性が高いと思います。コレ、ボクの足にもピッタリなので持って帰ってもいいですか?」と、取材を終え“お持ち帰り”した。
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✦取材協力/4Plus Fitting Labo & Golf Salon 東宝調布スポーツパーク店
✦撮影/山代厚男