ゴルフのチッパーとは? 使い方を学んでアプローチの苦手を克服しよう!
ゴルフのチッパーというクラブをご存知ですか?グリーン周りからのアプローチに悩んでいるゴルファーであれば、一度は聞いたことや見たことがあるかもしれません。簡単に言うと、チッパーとは楽々とアプローチショットするためのクラブです。この記事では、アプローチの苦手意識を払拭してくれるチッパーについて、クラブの特性や種類、どんな場面で使うのが効果的なのかを紹介します。また、メリットだけではなくデメリットも詳しく解説しているので、チッパーの使用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
配信日時:2024年4月12日 01時41分
1.ゴルフのチッパーとはどんなクラブ?
ゴルフのチッパー(Chipper)は、主にグリーン周辺の短い距離で使用され、パットのような感覚で、ボールをコロがすことができるように設計されています。チッパーとは、その名の通りチップショット(chip shot)用に作られたクラブなのです。
チッパーの主なロフト角
チッパーのロフト角は、主に35度、45度、55度前後が中心に販売されています。
ロフト角 | キャリー:ランの比率 | 得意な場面 | ロフト角が似ているクラブ |
---|---|---|---|
35度 | 1:3 | コロがして寄せるランニングアプローチ | 8番アイアン |
45度 | 1:2 | バンカーやラフを越えるピッチエンドラン | ピッチングウェッジ |
55度 | 1:1 | 上げて止めるピッチショット | サンドウェッジ |
それぞれのロフト角によって、アプローチのキャリーやランの距離感が変わってくるので、どのロフト角のチッパーを入れるかは、プレースタイルやコースに合わせて選ぶといいでしょう。
なお、メーカーによってはロフト角の違いに応じて、35度前後=チッパー、45度前後=ジガー(Jigger)、55度前後=ロバー(Robber)、と呼び方を変えていた時期もありますが、ここ近年では「チッパー」という呼び方で統一されています。
チッパーを使うメリットはアプローチでミスを小さくすること
チッパーを使う最大のメリットは、アプローチショットの簡素化です。距離感のコントロールがしやすくなり、ダフリやトップへのミスに寛容になり、ミスがミスになりにくく、一貫性のあるアプローチショットを実現できます。
また、パターと同じようにスイングすることでボールを捉えることができるため、方向性も安定し、左右のブレも少なくなります。
パターが得意な人は距離感も掴みやすく、またパターだとグリーン手前の芝に喰われて距離感が掴みにくいグリーン周辺でも、チッパーを代用することができます。スコア改善の大きな助けになることでしょう。
チッパーにはクラブの本数制限や長い距離のアプローチでデメリットも
一方で、チッパーの使用にはデメリットもあります。パター型のチッパーでは基本的にバンカーショットをするのは難しく、さまざまな状況に対応しにくいクラブです。ゴルフは14本のクラブでラウンドするのがルールとなっているため、チッパーをクラブセットに含めることで、他のクラブを抜く必要がある人もいるでしょう。
また、30ヤード以上のアプローチはチッパーに適していないため、クラブセッティングや状況によって難しくなるケースがあります。フェースを開いたり閉じたりするような高度なアプローチショット技術が基本的にできないため、上級者などにはあまり向いていないクラブと言えます。
2. チッパーには2種類ある
チッパーにはパター型とウェッジ型の2種類があり、それぞれに特徴があります。
パター型チッパーの特徴
パター型のチッパーは、パターに似た形状をしており、ゴルフのパターと同じようなスイングでアプローチができるクラブです。主にグリーン周辺の短かく刈り込まれたフェアウェイや、短いラフからのアプローチで使用することに適しており、シャフトも短くパターのようなストロークで打つことが可能です。
パター型のチッパーを使用すると、パターが得意な人はパターと同じようにスイングできるため距離感のコントロールがしやすくなり、ボールを安定してターゲットに近づけることができます。また、スイングが簡単で扱いやすいため、グリーン周りからダフリやトップに悩んでいるアプローチが苦手なゴルファーにもおすすめです。
ウェッジ型チッパーの特徴
ウェッジ型のチッパーは、ウェッジに似た形状をしており、ソールが大きくバウンス角があり地面に刺さりにくい形状をしているため、ザックリのミスを大幅に減らせるのが特徴です。
ウェッジ型のチッパーは、アプローチと同じスイングで振ることができるため、今までのアプローチショットと違和感なく使用できます。
パター型とは異なり、ウェッジ型のチッパーは、よりフルショットに近いスイングもできるため、グリーン周りに限定されることなく、少し長い距離からのアプローチでも打つこともできます。
また、その設計により、長い芝やバンカーであっても使用できるため、さまざまな場面で役立つでしょう。
チッパーについて動画で学びたい人には『ギア探~あなたのベストギアを見つけよう~ウエッジ編』がおすすめです。是非ご覧ください。
3. チッパーを使ったほうがいい人
アプローチショットでの失敗が多い、グリーン周辺でのプレーに自信がない、あるいは短い距離での精密なショットを安定して行いたいと考えているゴルファーは、チッパーの使用を検討することをおすすめします。
チッパーは、パターのような感覚で簡単に扱うことができ、地面から少し浮かせることができるため、グリーン周りの芝の抵抗を最小限できるため、パターでコロがすよりも距離感を掴みやすくし、アプローチの精度向上が期待できます。
また、普段のラウンドからクラブを14本入れていない人や、クラブを14本入れているが、ほとんど出番のないクラブがある人は、グリーン周りのアプローチ専用クラブを入れることを検討してもよいでしょう。
Q.チッパーは競技ゴルフで使用できますか?
A.使用できます。ゴルフの「用具規則」(用具規則一般3)では、チッパーはアイアンの仲間として分類されています。ですので、アイアンの規格に適合さえしていれば競技でも問題なく使えます。以下のようにチッパーはアイアンクラブである旨が明記されています。
チッパーやジガーはアイアンクラブでありパターではありません。したがって、ウッドとアイアンに適用となる規則の要件を満たしていなければなりません。例えば、チッパーやジガーはパター用のグリップを持ったり、打面が2つあったり、照準用の付属物があったりしてはなりません(裁定4-1/3を参照のこと)。
一般的に販売されているチッパーは競技でも使用可能だと覚えておいてかまいませんが、不安や疑問がある場合は店員さんに確認しておくとより安心です。
4. まとめ
ゴルフのチッパーは、アプローチショットを改善し、グリーン周辺でのプレーを容易にするためのクラブです。パター型とウェッジ型の2種類があり、それぞれが特有のシチュエーションに適しています。特にアプローチが苦手で距離感が掴めない人、コロがし中心のプレースタイルの人におすすめです。
クラブセットに組み込む際は、そのデメリットも考慮する必要がありますが、適切に使用すれば、チッパーはゴルフスコアの改善に大きく貢献するでしょう。チッパーを上手く活用して、アプローチの苦手を華麗に?克服してみる、というのも如何でしょうか。