ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか？ ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。

ブリヂストンスポーツは、『水神 レインウェア』を2024年4月17日に発売。『水神 レインウェア』は、ブリヂストンスポーツのレインウェアのフラッグシップモデルで、2022年に発売された前モデルから2年サイクルのモデルチェンジです。

『水神 レインウェア』のコピーは、“驚・撥水レインウェア　本気の「撥水力」と納得の「伸縮性」。進化し続けるレインウエア”になります。『水神』というレインウェアは、途中『TOUR B』という名称が入ったり、外れたりしながら、10代以上続いている信頼のブランドです。オールドゴルファーの中には、レインウェアは『水神』と決めている人もいます。

2024年。ゴルフで使用するレインウェアは、二極化する時代になりました。今まで通りのゴルフメーカーが作るゴルフに特化したレインウェアと、ワークマンに代表される安価な汎用性が高いレインウェアです。防水という機能だけを考えれば、安価なレインウェアも十分な性能を持っています。また、安価なレインウェアは使い捨て感覚で使えるところが良いと評価するゴルファーもいます。

『水神 レインウェア』は、老舗ブランドで、明らかに高額と分類されます。安価なレインウェア10着分と比較する人もいます。コストに見合う高性能、高機能があるから『水神 レインウェア』は、ゴルフ用のレインウェアとして最前列で戦っているのです。

今回の『水神 レインウェア』は、新しい撥水剤を採用して、より長時間の雨でも撥水性能を維持できるように進化したことが第一のセールスポイントです。

次に、ウェア内の蒸気だけを通過させる「多孔膜生地」を採用、蒸れを軽減擦ることに成功しています。
かつ、雨天ゴルフを快適に出来るようにウェアの調整機能も充実させています。
今回のモデルから、待望のレディースもラインアップに加わり、コーディネートできる専用の帽子などのアクセサリーもラインアップされています。

『水神 レインウェア』は、メンズの場合、カラーは四種類。パンツは共通で黒。ブルゾンが、ターコイズ、白、黒、カーキとなっています。今回、個人的に感動したのは、カーキのカラーです。高額なレインウェアは、長く使えることが絶対的な存在価値になります。デザインやカラーなどがお気に入りでなければ、長く愛用する逸品にはならないのです。カーキのブルゾンに黒いパンツ。個人的には理想の組み合わせです。

『水神 レインウェア』は、高性能、高機能であることが宿命のブランドです。それが、憧れになって、オールドゴルファーなら、一生使える「終のアイテム」として考えるものなのです。さて、そういうレインウェアになっているのか？ 興味津々です。テストした日は、雨で、気温は19℃～21℃。微風。『水神 レインウェア』の上下と別売りの『水神 レインハット』を使用しました。

【脱着・収納性】
『水神 レインウェア』の脱着は楽々でストレスなしです。パンツの膝から下はファスナーで広げられるので、シューズを履いたままでも脱着が可能でした。ストレッチ性の高さが、全体的に脱着を楽にしてくれます。素材が薄く、軽いので、小さく折りたたんで、キャディバッグのポケットに収納が楽々出来ます。

【着心地・防水撥水】
『水神 レインウェア』の着心地は、比較的ピッタとしたサイズ感のウェアなのに、すべての方向にストレッチする素材が機能して、窮屈だったり、引き攣ったりする部分はありません。パンツの長さ、腰回り、各首周りなどに調整機能があり、自分にちょうど良いレインウェアにカスタマイズできるのも、気分良く着られる要素になっています。

防水と撥水については書くまでもなく完璧です。あらゆる縫い目を裏から防水テープで塞いであり、首、手首、足首のそれぞれに水が入りにくい工夫があり感心しました。レインハットを併用したことで、首回りが360度全ての方向にツバがあり、防水性能をアップしてくれました。霧雨でも染み込まずに、水玉を徐々に大きくして撥水するのにも感心しました。

【使い勝手・通気性】
『水神 レインウェア』は、ゴルフ用のレインウェアとして、細かいところまで考えられていて、ノーストレスで使用できました。特に、ポケットはレインウェアのパンツにあるものが使用でき、下履きしているスラックスなどのポケットを使える穴もファスナーで開け閉めできるようになっていて、位置も大きさも完璧でした。

通気性は、過去に着たことがあるレインウェアで一番でした。テスト日は湿度が高く、ムシムシしていましたが、ウェアの中に湿気が溜まらずに、むしろ、涼しさを感じさせるほどの通気性能に驚きました。

【ロマン派ゴルフ作家語る】
『水神 レインウェア』は、テストした瞬間に、購入することを決定するほど気に入りました。最も良かったのは、ストレッチ性能です。全ての方向に、かなり大きくスムーズに伸びます。僕はダイエットしてやっと3Lというサイズがピッタリになったので、小さくて窮屈な思いをするかもしれないと懸念していましたが、テスト中にストレッチが足りないと感じたことは「0」でした。スイング中に、レインウェアを意識することも、ほぼありませんでした。

安価なレインウェアはストレッチ性能が劣るので、サイズアップしないとスイングがしづらかったりします。サイズアップしてブカブカになると、水が入りやすくなったり、パットのときなどにグリップエンドがウェアに触れたりして、大きなストレスになりますが、それがないだけでも『水神 レインウェア』は十分に高性能です。

スイング中に、ほぼ、感じなかったと書いたのは、『水神 レインウェア』の唯一の弱点かもしれませんが、いわゆる布ずれ音が普通にするのです。気になる人は少ないと思いますが、他メーカーの高額なレインウェアの中には、布ずれ音がほとんどないものがあるので、それを求めている場合は、失望する可能性があります。パッティングなどのショートゲームで、布ずれ音が嫌だというゴルファーは注意が必要です。

『水神 レインウェア』は、憧れのブランドだと書きました。10代以上も進化を続けてきた完成形の一つであることは、テストしてすぐに理解できました。憧れを裏切らない信頼があります。基本的な性能が優秀なのは、当たり前なのです。それが『水神 レインウェア』なのです。

個人的には、レインウェアを新調しようと思っていたところに、あったら良いなぁ、と思っていた大好きなカーキ色の『水神 レインウェア』が出た現実に、運命を感じてしまいました。実は、過去に、『水神』を着たことがありませんでした。単純に、サイズがなかったせいです。（ごく一部ですが、大きなサイズも秘かに流通していますが）

ダイエットして、肥満3度から肥満1度（BMIを使った基準があって、肥満は1度から4度に分類される）になって、ウェスト120cmから95cmになったことも、『水神 レインウェア』が着られるシナリオになったのだとドラマチックに考えてしまいました。

それだけ新しい『水神 レインウェア』が気に入った、ということなのです。ストレスなしで使えるレインウェアは、高額でも納得できますが、『水神 レインウェア』は高額なレインウェアの中では安いほうに分類されます。今回、『水神 レインウェア』をテストして僕は安い、と思いました。大事に使用すれば、何年も使用できるからです。

雨のゴルフが楽しみになるレインウェアがあることは幸せなのだと、『水神 レインウェア』は教えてくれるのです。雨でもゴルフに集中したいゴルファーに『水神 レインウェア』をオススメします。

【試打ギアスペック】
『水神 レインウェア』

表地 ナイロン100％（ポリウレタンラミネート加工）
裏地 ポリエステル100％
耐水圧 初期30,000mm
透湿度 22,000g/m3/24h

【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」

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