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    ゴルフシャフトの先調子・中調子・元調子はどう選ぶ?自分に合うキックポイントを見つけるコツを解説

    ゴルフのシャフトは、その重要性にもかかわらず、十分に理解されていないギアのひとつかもしれません。そんなシャフト選びにおいて、重要な要素のひとつが調子(キックポイント)です。「先調子」、「中調子」、「元調子」などのタイプがありますが、それぞれどのような特徴があり、どのようなゴルファーに適しているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2024年6月21日 02時42分

    • ギア
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    手元が硬い先中調子の『ツアーAD CQ5S』から、中調子で全体がしなる『スピーダーNXグリーン 5SR』に戻した渋野日向子
    手元が硬い先中調子の『ツアーAD CQ5S』から、中調子で全体がしなる『スピーダーNXグリーン 5SR』に戻した渋野日向子
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    2024年「全米女子オープン」で見事に単独2位フィニッシュを果たした渋野日向子。彼女の好調理由は、手元が硬い先中調子の「ツアーAD CQ5S」から、中調子で全体がしなる「スピーダーNXグリーン 5SR」に戻した、いわゆるシャフトのスペックダウンにあったとも言われています。

    しかしゴルフのシャフトは、その重要性にもかかわらず、十分に理解されていないギアのひとつかもしれません。そんなシャフト選びにおいて、重要な要素のひとつが調子(キックポイント)です。「先調子」、「中調子」、「元調子」などのタイプがありますが、それぞれどのような特徴があり、どのようなゴルファーに適しているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

    SからSRにシャフトを変えて渋野のドローボールが冴えた! 渋野の好調スイングを連続写真でチェック

    1.シャフトの調子とは?

    シャフトの調子とは、シャフトが最もしなる部分のことで、キックポイントともいわれます。調子は大きく分けて3タイプ。先調子(ロー)はシャフトのヘッド側、中調子(ミッド)はシャフトの真ん中、元調子(ハイ)はシャフトの手元側が軟らかいモデルという意味です。

    先調子と元調子では、軟らかい位置がだいぶ離れている印象を受けますが、実際にしなるポイントはシャフトの中間部辺りの5センチ程度の幅の中。シャフトのフィーリングはわずかな違いで大きく変わります。

    2.シャフトの調子は主に3種類ある

    キックポイントが変わると、スイングや球筋にどんな影響がでるのでしょうか。先調子、中調子、元調子のそれぞれの特性を調べてみましょう。

    先調子

    シャフトの先端側が大きくしなるため、ヘッドが走りやすくなります。また、インパクト時にフェースが上を向きやすい、左方向を向きやすいため、打ち出し角が高くなる(球が上がる)、ボールがつかまるタイプといえます。先調子は飛距離性能が高くなるメリットがありますが、裏を返せばヘッドの動きをコントロールしづらい、左のミスが出やすいタイプともいえます。

    中調子

    シャフトの中間部が最も軟らかいのが中調子。先調子や元調子のように、部分的にしなりを感じるのではなく、シャフト全体がバランス良くしなってくれます。先調子と元調子の良いとこ取りのタイプともいうことができ、幅広いスイングタイプにマッチする可能性があります。

    元調子

    手元側がしなるため、切り返しでタメを作りやすくヘッドの動きをコントロールしやすいのが元調子です。ダウンスイングで緩やかにシャフトがしなり戻る性質があり、出球の高さを抑えやすく強い球を打ちやすいタイプといえます。

    また、ヒッカケやチーピンなど左方向のミスが出にくいのも元調子の特徴です。逆にいえば、飛距離性能が出にくい、球がつかまりづらい、上がりにくいシャフトともいえます。

    3.先・中・元調子から派生した3種類

    ひと昔前までは「先調子」、「中調子」、「元調子」の3タイプが主流でしたが、最近は「先中調子」、「中元調子」という表記のモデルも増えています。シャフトの進化によって調子のバリエーションを増えたことがその理由と考えられます。

    また、「先中調子」や「中元調子」というカテゴリーが増えた背景には、クセがない「中調子」の要素を感じる表記にすることで、幅広いゴルファーにアプローチしやすくなるというメーカー側の狙いもあるようです。

    先中調子

    キックポイントは先調子と中調子の間。先調子の特徴を入れつつ、中調子の振りやすさをプラスしたタイプといえるでしょう。

    中元調子

    中調子と元調子の間にキックポイント。元調子の特性を入れながら、幅広いゴルファーに合うように中調子の要素を入れています。

    ダブルキック

    しなるポイントは先端側と手元側の2か所。先調子の飛距離性能や元調子の操作性を兼ね備えたモデルといえます。中間部がやわらかい中調子とは真逆の設計ですが、このタイプも「中調子」と表記されることがあるので注意しましょう。

    「ダブルキック」はキックポイントが2か所あるため、以前はシャフトが暴れるという印象を持つ人もいました。しかし、素材や開発技術が進化した最近の「ダブルキック」は、ネガティブなイメージを持たれなくなってきています。

    4.自分に合うシャフトの調子はどう選ぶ?

    それぞれの調子の特性を理解しても、「自分は球がつかまらないから先調子が合う」などと安易に判断するのは危険です。シャフト選びで一番大切なのは、振りやすいシャフト、振っていて気持ちいいシャフトを選ぶこと。振り心地の悪いシャフトは先調子でも球が上がらず、飛距離をロスしてしまうかもしれません。

    では、どうすれば自分にマッチする調子を知ることができるのでしょうか。

    切り返しのリズムでチェック

    振りやすさのひとつの目安になるのが切り返し時のフィーリングです。シャフトに大きな負荷をかける切り返しのタイミングで、気持ち良いかどうかをチェックしてみてください。

    スイングテンポが速い人は先調子、ゆっくりの人は元調子、中調子は幅広いテンポに合う傾向があります。

    タイミングが取りやすい調子のシャフトは、軌道やインパクト時のフェース向きが安定し、スイングの再現性が高くなります。結果的に飛距離も方向性もアップしやすくなります。

    振り切りやすいかどうか

    切り返しでシャフトに負荷をかけると、ダウンスイングでは逆しなり(しなり戻り)という動きが発生します。この逆しなりのタイミングでインパクトするのが理想的。自分に合わない調子だと、しなり過ぎてシャフトが戻らないうちにインパクトを迎えたり、反対にしなり量が足らず、しなり戻った後にインパクトすることがあります。

    インパクト時のシャフト挙動をチェックすれば一目瞭然ですが、計測しない限りその瞬間を確認するのは難しいですよね。判断しやすいのは、フィニッシュがしっかり取れるかどうか。自分に合う調子なら、フィニッシュまで気持ちよく振り切ることができます。スムーズに振れる調子のモデルは、インパクト前後にシャフトが理想的な動きをしているケースが多く、自分にマッチするタイプと判断できます。

    5.番手別の選び方

    自分にマッチするドライバーの調子が分かったら、フェアウェイウッドやアイアンなど、他の番手の調子も知りたくなりますよね。一番無難なのは、ドライバーと同じ調子を選ぶことです。すべての番手の振り感を揃えれば、切り返しやインパクトのタイミングが狂いにくくショットが安定します。

    基本的には全番手の調子を統一することをオススメしますが、プロの中にはあえて調子を変えたクラブセッティングをしている選手もいます。具体例を紹介しましょう。

    フェアウェイウッド

    西村優菜選手は中調子のドライバーシャフトを使用していますが、3Wと7W、9Wは先調子を選んでいます。芝の上から打つ機会が多いフェアウェイウッドは、球が上がりづらいクラブ。ラクに球が上がるように先端側に動きがあるシャフトをチョイスしています。

    詳細は、関連記事から、西村優菜さん、FWのモデルがバラバラなのはなぜですか?【女子プロセットのどこマネる⁉】をご覧ください。

    ユーティリティ

    山下美夢有選手のドライバーとフェアウェイウッドのシャフトは先端側が動く中調子。一方、ユーティリティとアイアンは元調子を使用しています。飛ばしたいドライバーとフェアウェイウッドは先調子、球筋をコントロールしたいユーティリティとアイアンは元調子と、目的に合わせて調子を変えています。

    詳細は、関連記事から、2年連続年間女王・山下美夢有のシャフト構成が非常識すぎて驚かされる【女子プロセットのどこマネる⁉】をご覧ください。

    アイアン

    竹田麗央選手はドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティのシャフトに手元寄りの中調子タイプをチョイスしています。飛距離のポテンシャルが高い竹田選手は、長いクラブのシャフトに安定感を求めているようです。一方、アイアンは手元がしっかりした中調子系のモデルを選んでいます。ウッド系よりもキックポイントが先端側にあるタイプにすることで、球が上がりやすくグリーンを上から狙うことができます。

    詳細は、関連記事から、プロも唸る! 竹田麗央の異次元セッティングが凄すぎる理由【女子プロセットのどこマネる!?】をご覧ください。

    6.リシャフトの注意点

    調子(キックポイント)にスポットを当てて解説してきましたが、シャフト選びの際は他の要素も考慮する必要があります。「硬さ」、「長さ」、「トルク」の基礎知識と基準を知っておきましょう。

    硬さ

    シャフトの硬さ、たわみやすさを表す指標でフレックスともいわれます。軟らかい方からL、A、R、SR、S、SX、X、TXなどと表記され、LやAは女性向け。ヘッドスピードが速い人ほど硬いシャフトがマッチする傾向があります。

    重さ

    ドライバーのシャフトの場合、ヘッドスピード43~45m/s前後の人は50g台、それ以上の人は60g台以上、それ以下の人は40g台以下の重量が基準とされています。

    重いと感じるシャフトは、クラブ重量が重くなってヘッドスピードが上がらず振り切れなくなります。また、軽すぎるシャフトはスイングが不安定になりやすいので注意しましょう。

    長さ

    シャフトが長くなるほど遠心力がアップし、ヘッドスピードが上がる傾向がありますが、長いシャフトは技術が必要。上手く使いこなせないと逆に飛ばなくなるケースもあります。一方、短いシャフトはミート率が上がりやすくなりますが、スピードが上がらず飛距離が出にくくなります。

    また、シャフトを長くするとバランスが重く、短くするとバランスが軽くなる点も注意が必要。シャフトの長さを変える時は、ヘッドやシャフト、グリップなどの重量を調整して振りやすいバランスにすることも必要です。

    トルク

    シャフトのねじれやすさを表す要素。1.8度など数字が小さいほど硬いフィーリングになり、8.0度など数字が大きくなるほどソフトなフィーリングになります。低トルクはハードヒッター向け、高トルクはヘッドが返りやすくなり、ヘッドスピードが遅めの人に合う傾向があります。

    7.まとめ

    シャフト選びをする上で、調子(キックポイント)は大切な要素のひとつです。しかし、同じシャフトでも装着するヘッドやグリップなどによってフィーリングが変わることもあるし、同じ先調子でも振り感が全く変わるモデルもあります。「先」、「中」、「元」の表記にとらわれず、実際に試打してみることが何よりも重要です。

    正解が分からない場合は、フィッターや専門家に相談するのもひとつの方法です。自分に合うシャフトを見つけ、今以上の飛距離や安定感を獲得しましょう。

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    • シャフト

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