フットジョイがPGAツアーは勿論、2024年も男子ツアー使用率No.1に!選ぶ選手の本音とは?
大詰めを迎えた男子ツアーで、気になる新作シューズのテストも開始!?
配信日時:2024年12月3日 09時16分
フットジョイ(以下、FJ)のシューズがPGAツアーで「79年連続使用率No.1」を継続していることはご存知だろう。そして、国内男子ツアーも2024年の平均使用率は60.3%にも達し、2023年の平均52.4%から大幅にポイントを上げて圧倒的なNo.1の定位置のまま2024年シーズンに幕を下ろした。
男子ツアーで圧倒的なNo.1の座に
この情報は至って普通のことと捉えられがちだが、その大詰めでは、気がかりな新作がツアー供給され、選手の反応を細かく確かめていたツアースタッフたち。何度も既報の通り、女子ツアーでも男子ツアーでも、選手へのフィッティングが定期的に行われ、選手個々に細かなフィードバックを得るスタイルで知られている。
春先にはX字のソールが特徴的な『Pro/SLX』がそうだったし、夏に女子ツアーで行われた横ブレに強い『PROLITE』もそう。そして、今回持ち込まれたモノはというと、同社スタッフは名を伏せたが小さく『HYPERFLEX』との刻印が。ご存知・究極にソフトな履き心地で知られる大人気モデルの後継作と見られる。
ゴルフ「専業」であらゆる好みに対応
男子プロに最も愛されるなど、絶対に真似できない対応力だ。何しろ、世界中のコースを歩かなくてはいけないプロゴルファーは体力が資本。それぞれの足型に少しでもフィットしなければ、疲労でパフォーマンスの低下が免れないため、快適性とスイングの安定性に疲労軽減など、高い要求で問われ続ける。
そんな特殊な事情を抱えた「ゴルフシューズ専業」メーカーであるだけに、FJはあらゆるタイプのゴルファーに対応できるよう、細かなモデルを準備している。今回『ハイパーフレックス』の新作と見られるモノを試していた前田光史朗にまず「FJの良さ」について聞いた。
前田光史朗「テストの翌週に投入した」
「フェニックスの週にテストをして、試合で履き始めたのはカシオからです。フェニックスの時までは別モデルを履いていたのでまだ慣れていなかったですけど、先週練習ラウンドから履いて、けっこう違和感なくすぐ変えられた感じですね。気に入ったのは素材が全体的にやわらかくて、全然かたくない割にすごくしっかり足を支えてくれるというか、フィット感などがすごく優れている所。
表面素材は、前作が少し汚れが気になったんですけど、FJの担当の方から聞いたら他の選手たちからもそういった声があったらしくて、そこも改良されて、本当に汚れも目立たなくなったので、すごくプラスになっています。ホールド感は感じます。素材は柔らかいんですが、伸縮性というか傾斜地でもしっかり立てそうな感じです。
フットジョイの良さは、やっぱりその人、その人に合ったベストなシューズを見つけられると思うし、本当にどの種類でも機能性は素晴らしいですし、デザインもシンプルなものから自分でカスタムできるようなものもあるので、自分の好きな一足を必ずフットジョイで見つけられるところが良いと思っています」(前田)
次に話を聞いたのは、今季2勝目をはたしたばかりの岩田寛だ。クラブは契約フリーで様々なメーカーのモノを使用しているが、シューズだけはずっとFJでもう20年になるとか。
今平周吾「軽く感じて印象がいい」
「(謎の新モデルを試してみて)すごく軽くて良かったし、気に入りました。ホールド感もいいですし、歩きやすくてしっかりプレーもしやすくて、良いかなと。ずっとフットジョイでジュニア時代から育ってきて、ボクの細身の足型にも合ってますし、昔はクラシックなタイプの『プレミアシリーズ』も使いましたが、今はこういった軽いモノを好んで選んでいますね」(今平)
岩田寛「他のを履いたことがない」
「(FJの良さについて)他のモノは履いたことないです。履いたことがあっても、もう20年ぐらい前かな。(クラシックタイプが好きな理由は)スニーカータイプはダメだったんですよ。プニプニしていて。バンカーとか、アプローチとかプニプニしていて、あまりホールド感がなくて。あとはこの靴(マイジョイズ)は見た目もいいし。(オシャレですよね)はい、ありがとうございます(笑)
(クラシックタイプは見た目に硬そうな印象があるが)今回のはけっこうやわらかいんですよ。硬いやつはもう履く前にあまり印象がよくないぐらいほぐしてます。これはやわらかいからそんなにやらなくても大丈夫です。フィットしているし、色も決められるし。マイジョイズは色が決められるので。カラーリングも、いっぱい持ってますよ。何色でもありますよ」(岩田)
マイジョイズに惚れ込んでいるのは、岩田だけでなく、佐藤大平も「カッコよさが大事」と愛する一人だ。
佐藤大平「カッコ良さが一番大事」
「FJの良さは、カッコ良いことです、本当に。ボクはマイジョイズなんですが、カッコ良い。見た目って大事じゃないですか。紐にしているのもその理由の一つですが、ボアは締まりが悪いと感じて、ずっと長い間紐です。紐だと全体的に締まりやすいので。マイジョイズは12足持っていて、もうFJしか履いていないから他との比較がわからないです(笑)ボクは両サイドの部分を大事にしていて、逆に硬いのが好きなのかもしれないですね。
やっぱり、長く使う理由はシンプルにカッコ良いから。そこが一番大事じゃないですか。ゴルフするにあたって一番テンション上がるし、インソールも合います。靴って一番大事じゃないですか、歩くにしてもゴルフするにしても。以前は痛いことがあったけど、我慢してでも履きたかった。それぐらい気に入っていて、履いた時の高さ加減とか、やっぱり一番はカッコ良さ」(佐藤)
また、売り出し中の若手・杉浦悠太も『プレミアシリーズ』のクラシック派だった。
杉浦悠太「グリップ力もデザインもいい」
「ずっとフットジョイの『プレミアシリーズ』です。裏がスパイクなのが滑りにくくていいのかなって。滑らないシューズ重視なので、これにしてます。(スニーカータイプなどは)履いたことないので、試してみようかなとは思っています。軽めのタイプでスパイクだったので。今年はずっと『プレミアシリーズ』がよかったので、これにしていたんですけど、滑りにくいのでこれがよくて。
(硬そうな印象も)硬いと思いますよ。でも逆に動かなくていいと思う、スイングには特に(FJの良さは)デザインがカッコ良い。クラシック系は本当に。カッコ良さ重視ですね。軽いやつもすごくいいけど、カッコ良さで言ったらこれが一番。シンプルでカッコ良いし、自分の好きなシューズが履ける。デザインが好きです。紐は紐だけど、今後は軽いやつを試したい。(色々選べて)FJは素晴らしいです」(杉浦)
今季アジアンツアー1勝、国内2勝と大躍進した、幡地隆寛にも話を聞くと、ずっと飛距離の出るガッチリタイプの『ツアーアルファ』だとのこと。ところが、直近で『Pro/SLX』のカーボンタイプに移行しており、その心境の変化についても話していた。
幡地隆寛「ツアーアルファ➡Pro/SLXへ」
「今年から『ツアーアルファ』で、ニュージーランドで勝った時もツアーアルファでした。(今回試した)『Pro/SLX』の良い所は足首のやわらかさ、履き口のフィット感だったり、カーボンでしっかり踏ん張った時に緩くない部分ですね。スパイクレスの(アウト)ソールの溝の部分、縦に入っている溝の部分が、横移動に入った時の踏ん張りですごく引っ掛かってくれるので、そういうところが気に入りましたね。
(Pro/SLXのカーボンで補強された効果は)微妙な差なんですけど、歩いている時の蹴ったあとの戻りという所がスッと前に出てくれるというか。スイングの時も、歩いている時も、歩きやすさがあるかな…と感じています。そこがあるのと、ないのとで違う部分かなと思っていて、元々ボクは歩くのが速いんですけど、『Pro/SLX』でより速くなったなったかなって。(笑)
(2つと比較して)靴底の厚みが違うと思うので、『ツアーアルファ』の方がちょっと薄いというか。ちょっとクッション系のつくりではなくて『ツアーアルファ』の良さは、絶対にガチっと地面くいついて離さない良さがあるというか。足首がガチっとくるので、本当に履き口のフィット感はすごいと思うし、めっちゃいいです。靴ズレにもならない」(幡地)
ここまでは契約選手それぞれに「FJの素晴らしさ」を聞いて来たが、国内男子ツアーの賞金ランク100位までを見て、どんなモデルが人気を博しているのかを見てみよう。ちなみに、FJの着用者は60人おり、うち契約外で着用するのがなんと18人と、30%もいる状況だった。
一番人気はやはり『プレミアシリーズ』
【1位】プレミアシリーズ――27人(契約外8人含む)
(岩田寛、杉浦悠太、S・ノリス、佐藤大平、阿久津未来也、M・ヘンドリー、鍋谷太一、H・W・リュー、大槻智春、小平智J・デロスサントス、下家秀琉、J・パグンサン、上井邦浩、重永亜斗夢、小鯛竜也、照屋佑唯智、余松柏、片山晋呉)
【2位】Pro/SLX――8人(契約外2人含む)
(李尚熹、幡地隆寛、B・ケネディ、篠優希、田中章太郎、木下裕太、田中裕基)
【3位】新モデル――6人(契約外1人含む)
(金子駆大、前田光史朗、鈴木晃祐、勝俣陵、浅地洋佑)
【3位】トラディションズ――6人(契約外4人含む)
(ソン・ヨンハン、小林伸太郎)
【5位】ハイパーフレックス――5人
(米澤蓮、細野勇策、谷原秀人、高君宅、T・ペク)
【5位】ツアーアルファ――5人(契約外3人含む)
(竹安俊也、小西貴紀)
ご覧の通り、ツアー供給されたのが「ダンロップフェニックス」だったが、わずか2試合で既に新モデルが6人着用しており、3位タイの人気を集めていた。それぞれのモデルにも契約外選手が好んでいることも見て取れ、来年もNo.1の座に揺るぎはなさそうである。