距離感を大きく左右する打感の柔らかさとコロがりの速さを元に、最新パターを一覧にしてみた。最新パター 58機種のモデルごとに異なるフェースの特徴を調査すると、面白い傾向を発見。

今回、パターに詳しいティーチングプロ、追分浩一の試打を元に診断。横軸に打感の柔らかさを、縦軸にコロがりの速さを基準にして58機種を一覧表示している。

打感が硬いとボールを弾く感覚になり、打感が柔らかいとボールを押し出す感覚で打ち出せる。また、球のコロがりが速いモデルだと振り子運動でストロークする人に合い、球のコロがりが遅いモデルはパチンと強く当てる人に合ううえ、速いグリーンにも対応しやすい傾向にある。

この表を見ると、最近のヒットモデルの特徴が分かる。パターの売り上げランキングの上位に位置するオデッセイの『Ai-ONE TRI-BEAM』、『GIRAFF EBEAM』などは、表右側の打感が柔らかいゾーンに位置している。オデッセイ特有のソフトな打感が、市場でも受けている証拠だろう。また、プロでも使用している人が多いピンのモデルやテーラーメイドの『Spider TOUR』シリーズも真ん中より右に位置しており、ソフトな打感がトレンドにあるのは間違いない。

それに対し、三角ネックでブームを巻き起こしたテーラーメイドのトラスシリーズ。『TPリザーブ トラス』『TPトラス MID NIGHT BLUE』などは、打感がソリッドな左側のゾーンに位置している。

また、ボールのコロがりについて注目すると、面白い傾向が見られる。オデッセイの『Ai-ONE』シリーズでも、モデルによってコロがりの速さが異なるのだ。インサートの表側に樹脂を使用した『Ai-ONE TRI-BEAM』はコロがりが速め、チタンフェースを使用する『Ai-ONE MILLED TRI-BEAM』はコロがりが遅めとボールスピードが変わるので、実際に打ってコロがりを確かめることをオススメしたい。

今回各パターシリーズごとのインサートの特徴を紹介しているので、自分の好みの打感やコロがりを参考にして、パターを選んでほしい。


【オデッセイ Ai-ONE TRI-BEAM】 
樹脂フェースインサートで、打感がソフトなのに打ち出しのスピードとコロがりが速い
【オデッセイ Ai ONE MILLED TRI-BEAM】
ボールがフェースに乗るしっとりとした感触。直進性の高さと繊細な打感を両立している
【オデッセイ GIRAFF EBEAM】
樹脂フェースのソフトな打感で、ボールがフェースに乗る時間が長くゆっくりコロがる
【本間ゴルフ SAKATALAB】
打感が柔らかく、なおかつゆっくりコロがるので速いグリーンでも繊細なタッチを出せる
【ピン】
ステンレス削り出しのディープミルドフェースや樹脂インサートなど異なるフェース素材だが全体的に柔らかくて平均的なコロがりの速さ
【テーラーメイド Spider TOUR】
柔らかく澄んだ打球音で、ボールがいったんフェースに乗ってからコロがる感覚がある
【コブラ VINTAGE】
打感はやや柔らかめで弾き感が少ない。コロがりもゆっくりなので距離感を出しやすい
【ミズノ M.CRAFT OMOI】
軟鉄特有のシャープでソリッドな打感。クラブ重量もヘッドバランスも重くコロがりが速い
【テーラーメイド TPリザーブ】
303ステンレスステンレス削り出しで、ボールの硬さやインパクトの強さを繊細に感じる
【テーラーメイド TPトラス MID NIGHT BLUE】
インパクトの感触は硬めだが、衝撃が吸収されている感覚があってゆっくりコロがる
【コブラ 3D PRINTED】
アルミニウムインサートの乾いた軽めの打感が特徴。しっかり打ってもコロがり過ぎない
【キャスコ Blue9/9 DELTA-FACE】
ジュラルミンフェースで打感は硬めだが、ヘッドバランスが軽くてコロがりはゆっくり

■試打／解説：追分浩一
おいわけ・こういち　自ら人型パターロボットを製作するなど、パッティング理論に精通するティーチングプロ。スイングとのマッチングをもとにしたクラブフィッティングにも力を入れている。

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