ただやさしいだけじゃない! 操作性も、1発の飛びもある『ELYTE X ドライバー』
ベストスコア「67」、ホームコースのハンディキャップ「0」を誇る、貧打爆裂レポートのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、ギアについての噂の検証をします!実際にゴルフコースに持ち込んで、動画を撮影しながらラウンドしたレポートです。
配信日時:2025年1月15日 10時15分
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
キャロウェイの『ELYTE X ドライバー』は、2025年2月7日発売。
『ELYTE X ドライバー』はシリーズの一つで、スタンダードモデルの『ELYTE ドライバー』、やさしく日本のゴルファー用に作られた『ELYTE MAX FASTドライバー』、ツアーユースの『ELYTE ◆◆◆(トリプルダイヤモンド) ドライバー』というラインアップになっています。他にも、フェアウェイウッドのシリーズ、ハイブリッドのシリーズ、アイアンシリーズというフルラインアップで同時発売です。
『ELYTE ドライバー シリーズ』のコピーは“セカンドの景色を大きく変える、高精度の理想的ハイドロー”です。
『ELYTE ドライバー シリーズ』のテクノロジーで最初に注目するのは、「Ai 10X フェース」です。AIの設計の微細な部分まで製品に反映できるようになり、今までの10倍に弾道補正の調整ポイントが増えたそうです。飛距離もアップし、ボールコントロールも良くなるというわけです。
チタン製パーツを作ることが可能な3Dプリンターを導入し、プロトタイプを90倍の早さで製作できるようになりました。その恩恵で、約75回の試作を繰り返して、安心感ある見た目や空気抵抗の削減まで注意を払ったヘッド形状を実現しました。
航空宇宙分野で使用されている「サーモフォージドカーボン」を採用して、より薄くて軽く、高い精度で設計通りに製造することが可能になりました。重心配分の最適化は書くまでもなく、心地良い打球音までも実現できたようです。
『ELYTE X ドライバー』独自のテクノロジーとしては、ヘッド後方にドロー、ニュートラルというウェイトポートを設置して、約13グラムのウェイトの移動で、ドロー、大きいドローの打ち分けが出来ます。別売りの18グラムのウェイトを使用すれば、上下左右の慣性モーメントの合計値が10K越えになります。
『ELYTE X ドライバー』は、ドローバイアスを強めて、ボールを上げやすくしたドライバーのようです。テクノロジーが発揮されれば、飛距離も出そうです。試打した日は、快晴で、気温は-3℃~7℃。微風でした。打ち慣れていてクラブの影響だけに集中出来るので『TOUR B X』を使用しました。
【打感・打ち応え】
『ELYTE X ドライバー』の打音ですが、音量はちょうど良い大きさです。音質は硬質系の響きが強めの音と濡れた鞭系とのミックスで、芯に当たったときの打音が特別に良く感じます。打ち応えは、軽めでやわらかいです。手応えはやや鈍感ですが、まったりとした乗り感があります。
【弾道・球筋・スピン性能】
『ELYTE X ドライバー』の弾道は、低めの高弾道で、伸びがあるとらえたボールが出ます。球筋は、普通に打つと軽いドローになります。曲がりに敏感に反応するのでフェードも楽に打てます。方向性が安定しています。方向に影響しそうなミスヒットでも、大きなミスになりませんでした。
【距離性能】
『ELYTE X ドライバー』の試打ラウンドの平均飛距離は230ヤードでした。最高飛距離のホールは240ヤード。トップレベルに飛ぶドライバーに分類されます。ミスヒットしても飛距離が落ちにくい性能は、前モデルよりもレベルが上がった感じがしました。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『ELYTE X ドライバー』は、ドローバイアスがあるドライバーで時々あるような変な癖を感じさせないドライバーに仕上がっています。ひと言で書くと、自然な感じがするドライバーになっています。
ドローバイアスの効きはあり、ドローの打ちやすさは明確なのですが、素直なのです。だからというわけではありませんが、とらえたボールが好きであれば、とらえたフェードも敏感に反応してくれます。
こういう素直で器用なドライバーは、逆球に代表されるミスが出やすくて、難しいドライバーになってしまうというオチになりやすいのですが、『ELYTE X ドライバー』は違います。軌道は修正できませんが、フェースの当たる場所で出てしまう意図しない曲がるミスに関しては、今まででは考えられないほど助けてくれるのです。
この部分は、「Ai 10x フェース」の機能なのだと感じました。今までの「Aiフェース」も優れていましたが、その効果は数パーセントか、あっても1割ぐらいでしたから、ミスの度合いが何割という幅になると軽減は出来ても、隠すというレベルではありませんでした。『ELYTE X ドライバー』は、「Ai 10x フェース」の効きが、一発でわかります。
最初は、不思議な感じになると思います。失敗した、と思っても、結果に出ないからです。でも、それはスコアに貢献してくれるので徐々に明らかになります。
『ELYTE X ドライバー』で特筆したいのは、ミスへの強さだけではないということ。やさしいドライバーは、傾向として大人しくて飛ばないものが多かったのですが、『ELYTE X ドライバー』は一発の飛びもあります。つまり、真芯に当てて、つかまえたドローがハマると、最高の一発という飛距離が出るのです。
試打ラウンドが足りないと感じさせるドライバーが『ELYTE X ドライバー』でした。多分、3ラウンドぐらい出来れば、もっと効率的というか、裏技というような使用法がわかる気がします。なによりも、そういうものを見つけようとする余裕が生まれていたことに驚きました。
『ELYTE X ドライバー』は、シリーズのラインナップの中で、個人的には一番でした。少し心配だったのは、これだけ助けてもらってゴルフをしたら、腕が落ちるような気がしたのと、『ELYTE X ドライバー』以外のドライバーが使えなくなってしまうかもしれないということです。
『ELYTE X ドライバー』は、見た目は自然で癖がないのに、中身は少し先の未来から来たようなドライバーでした。ドライバーが苦手とか、得意になりたいと思っているゴルファーに、打ってみて欲しい一本です。
【試打ギアスペック】
『ELYTE X ドライバー』
ヘッド素材 8-1-1 チタンボディ+サーモフォージドカーボンクラウン+バックウェイト約13g
フェース素材 Ai 10X フェース(FS2S チタン)
ヘッド体積 460cc
ロフト 10.5度 (9.0度、12度もあり)
シャフト VENTUS GREEN 5 for Callaway(S)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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