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    20年以上アプローチイップスに悩む社長の声に、研磨職人が出した答えは「ソール前側の6㍉の溝」

    上級者ほどアプローチイップスになりやすいって本当!?

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2023年10月24日 01時56分

    • ギア
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    • イップス
    • アプローチ
    ソールの前側に6㍉の溝を掘った、ロイコレ『BBウェッジ』
    ソールの前側に6㍉の溝を掘った、ロイコレ『BBウェッジ』
    • 長年イップスに悩む、アドラージャパンの岩崎暁展社長(左)が、グラインドスタジオの都丸和寛氏(右)に頼み込んで作ったウェッジ!
    • 千葉市のゴルフスタジオ「クラブハウス」のオーナーを務める横田英治プロもアプローチイップス対策を説く
    • 上が5年前に都丸氏が作った「絶対に刺さらないウェッジ」。この壁のような構造を「後ろに持っていくため」下のように溝を掘ることに
    • 出来上がったのが、BB=バックバウンスの付いた、BBウェッジ
    • 刺さらず抜ける理由は、6㍉の壁による地面への適度な抵抗。ソール幅も狭くてコンパクトなこともあり、抜けは秀逸
    • 形状はウェッジ職人・都丸氏だけあって、オーソドックスでコンパクトな上級者好みなもの
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    23日、ロイヤルコレクションが新商品発表&試打会を千葉市のゴルフスタジオで開催。“心地よく振り抜ける”『BBウェッジ』を11月に発売するという。“ロイコレ”と言えば、プロや上級者向けのイメージも強いが、今回のウェッジは20年以上もアプローチイップスに悩んできた岩崎社長自ら「イップス解消のため、凄腕の研磨職人に頼み込んで作った」とか。
     
    凄腕とは、青木瀬令奈や穴井詩のウェッジをずっと手掛けている、群馬の工房・グラインドスタジオの都丸和寛氏。約5年前に「ウェッジが刺さって仕方ない」と悩むゴルファーのために試作した「刺さりづらいソール」を改良し、「地面への刺さりを防止する壁になる部分を活かすため、ソールの前側に溝を付け、3~8㍉の高さの壁の試作を重ねた」とか。

    最終的に仕上がった6㍉の溝は、“BB=バックバウンス”と名付けた。上級者好みなコンパクトな顔でソール幅も狭いが、6㍉の溝の壁が機能し、地面に刺さりづらく抜けの良さを体感しやすい構造だ。岩崎社長は「私は5年前にアドラー『チッピングウェッジ』という、チッパーに近い形状のモノも販売しましたが、どうしてもカッコいい『普通のウェッジに近いモノを使いたい』という願望が捨てきれなかった」とか。
     
    ソールに溝のあるウェッジは、フォーティーンが「100切り」を標榜して10月13日に『DJ-6』という幅広ソールを発売したばかりだが、都丸氏は「構造自体は2年前に意匠登録済み」と話す。また、岩崎社長も「発売時期が近いため“真似した”と思われがちですが、我々の『BBウェッジ』は小顔でソール幅も狭い中・上級者向け」と強調。誕生経緯をさらに聞くと、“アプローチイップスになりやすい人”の特徴も見えてきた。
     
    横田英治プロは脳からの司令を変えるため「セットアップを大切」と指摘。「アプローチイップスの人は、本番と同じ『素振り➡セットアップ➡打つ』を普段から練習すべき。バックスイングが足りなくなる人が多いので、大きく上げて近い距離を打つ練習も有効だし、こういうウェッジを使うことで一発目から“アレ、なんか違うな”と良い情報を入れるのも大きい。電気が走るのは、技術じゃなくメンタルが原因なので」(横田プロ)
     
    また、上級者の岩崎社長は自身のイップスの症状をこう振り返る。「グリーン周りの普通のライが良い所って“寄せて当たり前”とみんな思うじゃないですか。そういう良い所になるほど、プレッシャーをかけちゃって手が固まってしまう。簡単な場所なのに、入射がズレてザックリやトップなど、酷いミスになってしまうんです」。多くの上級者の相談に応えてきた都丸氏もこの話に頷く。
     
    「上級者の方でも『絶好の良い位置から寄らなくなる』とよく相談されますよ。ベアグラウンドとかイチかバチかでやる時は(ミスして)いいんだけど『花道の本当にいい所からチョンとやればパーが拾えるような所がまずダメになってくる』と。ゴルフを少しやっていると、だんだんバンスが少ない方向に走るケースが多いんですよ。床の上でアドレスして『ちょっと刃が浮いて見えて嫌だ』とか。
     
    実際、芝の上なら刃が浮くとか無いんですけど、床の上で調べたりする方向に行くと怪しい。(イップスになる人の傾向は)昔うまかった人がなりやすい。感覚的にちょっとズレた時に『アレ?』って感じから、ちょっとずつおかしくなって行くのかも。(そんな負の記憶が残るので)冬で芝の薄い時は『極力パターを使ってください』とボクは伝えます。そこで変なスイッチ入れるんだったら『パターで!』と」(都丸氏)
     
    横田プロもスタジオに出入りするプロたちもアプローチイップスではないが、『BBウェッジ』の溝は「打っていて全く邪魔にならない」との反応。むしろ「大丈夫だなって思うことが意外と突破口になる」と、メンタル面で“お守り”的に機能するとか。記者はアプローチイップスではないが、他社の幅広なウェッジと打ち比べると、特に逆目の芝の密集地で抜けに違いを感じた
     
    都丸氏は「現代の方が、ソール形状やバンスの重要性が増している」と言う。角溝がOKだった時代は、上から打ち込めば低く出て強くスピンがかかったため、誤魔化した打ち方でも止められた。ところが、新溝の今は「柔らかい球で止めるため、打ち方に合うソールやバンスが重要になる」。アプローチが怪しくなってきた上級者は、6㍉の溝という、一見突飛なソールを試す価値大!?

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