女子プロの新常識!? 新垣比菜はロフト16.5度の4Wを3Wの長さで活用
「ヨネックスレディス」で念願のツアー2勝目を飾った新垣比菜。彼女のセッティングには、興味深い工夫が隠されている。その詳細をレポートする。
配信日時:2024年6月6日 00時00分
「ヨネックスレディス」で念願のツアー2勝目を飾った新垣比菜。彼女のセッティングには、興味深い工夫が隠されている。その詳細をレポートする。
開幕時、新垣はロフト15度の3番ウッドをバッグインしていたが、優勝時には代わりに16.5度の4番ウッドを投入していた。この変更の理由を探ってみた。
「新垣プロは華奢に見えますが、実はパワーがあり飛距離も出ます。ヘッドスピードは43~44m/sです。そのため、フェアウェイウッドは浅重心の『Qi10ツアー』を使用していますし、アイアンもアスリート向けのモデルを打ちこなしています。ただ、クラブ長が長くロフトがある3番ウッド(15度)は難しいため、4番ウッド(16.5度)のヘッドに3番と同じ長さのシャフトを組み合わせています。男子プロでも、久常涼プロは3番ウッドの長さで4番ヘッド、5番の長さで6番ヘッドを使用するセッティングが増えていますね」(テーラーメイドのツアー担当)
同様のセッティングは他の女子プロでも見られる。鈴木愛は5番ウッドを抜き、7番ヘッドの20.5度を入れている。シャフトの長さを5番と同じにし、ロフトを20.5度から19度に調整。ロフトのついたヘッドで打ち出しを確保する工夫だ。
新垣はドライバーも浅重心ヘッドの『Qi10 LS』を使用しているのが特徴だ。「打ち出し角を上げて低スピンで飛ばすことで、より飛距離を稼げます。浅重心ヘッドは低スピンで強い球が出ます。打ち出し角はロフト10.5度のヘッドと、シャフト『24 ベンタスブルー 5S』で確保しています」(テーラーメイドのツアー担当)。
また、優勝に貢献したパターも面白いモデル。テーラーメイドの新作『TP TRUSS MID NIGHT BLUE M4TC』を使用している。これは三角ネックのセンターシャフトモデル。「センターシャフトはフェースをスクエアに振りやすいですが、左右のミスヒットに弱い。しかし、三角ネックを搭載することでミスヒットに強くなります。さらに、アドレスでフェースが見やすくなるようにネックがわずかに曲がっているのも特徴です」(テーラーメイドのツアー担当)。
2018年以来となる6年ぶりのツアー2勝目を果たした新垣比菜。彼女のゴルフを支えたギアには、多くの工夫が詰まっていた。今後の活躍にも期待したい。
【新垣比菜の優勝クラブセッティング】
1W:Qi10 LS(10.5度/24 ベンタスブルー 5S、45.5インチ)
4,5W:Qi10ツアー(16.5度,18度/24 ベンタスブルー 5S)
4,5,6U:Qi10レスキュー(22,25,28度/ベンタス HYBRID 70S)
6I~PW:P770(TRAVIL 85S)
50,58度:ハイ・トウ3(N.S.PRO 850GH S)
PT:TP TRUSS MID NIGHT BLUE M4TC
BALL:TP5x Pix
【新垣比菜の開幕時クラブセッティング】
1W:Qi10 LS(10.5度/24 ベンタスブルー 5S、45.5インチ)
3,5,7W:Qi10ツアー(15,18,21度/24 ベンタスブルー 5S)
4,5U:Qi10レスキュー(22,25度/ベンタス HYBRID 70S)
6I~PW:P7MC(TRAVIL 85S)
50・58度:ハイ・トウ3(N.S.PRO 850GH S)
PT:TPコレクション ハイドロブラスト デルモンテ TB1 トラスヒール
BALL:TP5x Pix
◇ ◇ ◇
●今年は高性能アイアンが多く発売されている。セカンドショットで悩む人には関連記事【最新アイアン35機種の秘密! やさしいモデルは7番平均ロフト角29.3度、アスリートモデルは31.4度!】がオススメ。やさしいアイアンや飛ばせるアイアンなどピッタリモデルが分かるかも……。