今季勝ちまくる女子のパターは「ショートスラント・マレット」だった!合うトウハングを見極めよう
竹田麗央が7勝、岩井明愛が3勝、その他2勝を挙げる「ショートスラントネック・マレット」について。
配信日時:2024年10月1日 07時19分
国内女子ツアーも今季29戦を終え、竹田麗央がメジャー2勝を含む7勝、岩井明愛が3勝。2人とも勝負強いパッティングが光るが、メーカー・モデルこそ違えど、ネックと形状を大別すると「ショートスラント・マレット」に該当し、大里桃子や河本結もこの組み合わせで今季勝利するなど、計12勝と最も多くなっている。
【今季女子ツアーで勝ったパターのネック・形】
ショートスラント・マレット――12勝
センターシャフト・マレット――5勝(▲含む)
クランクネック・マレット―――4勝
クランクネック・ブレード―――4勝
ダブルベンド・マレット――――2勝
センターシャフト・ブレード――2勝
マレットといっても形は様々。竹田はツノ型のオデッセイ『Ai-ONE #7S』で、大里もオデッセイ『WHITE HOT VERSA SEVEN S』とツノ型。かたや、岩井は高MOIマレットのテーラーメイド『Spider X カッパーホワイト スモールスラント』で、河本はオデッセイ『WHITE HOT OG Rossie S』というオーソドックスなものだ。
そして、ショートスラントネックの一番の利点と言えば、高MOIマレットでも「ブレード型に近い操作性」が得られること。机などに置いた時にトウ側が傾く「トウハング(重心角)」がブレード型に近づくため、緩やかなフェースターンの入るセミアーク軌道の人が扱いやすく、マレットで安定性アップも狙える。
同じショートスラント付きでも、ヘッド形状やウェイト位置でその角度は微妙に異なってくる。竹田の『Ai-ONE #7S』は40度で(クランクネック・ブレードの同#1 CHは47度)、大里の『WHITE HOT VERSA SEVEN S』は43度(同One CHは45度)。河本の『WHITE HOT OG Rossie S』は36度(同One CHは41度)。米国オデッセイではトウハングを開示しており、総じてクランクネック・ブレードの『#1』や『ONE』よりもやや小さい傾向だ。
ブレード使いだった選手を、ショートスラント付きマレットで覚醒させるのは、元々テーラーメイドが編み出した手法だ。岩井の『Spider X カッパーホワイト スモールスラント』もトウハング30度。これはローリー・マキロイや古江彩佳が使う最新の『スパイダーツアーX』も同じ角度で、スコッティ・シェフラーが使うクランクネックのモノはトウハングが21度とやや少なくなる。
また、今年勝利こそないものの、平均パット数1位の山下美夢有も、夏以降にPING製のスラント・マレットを採用している。『PLD オスロ3』は同形状の『PLD オスロ4』より若干長いスラントネックで、セミアーク軌道に合うトウハング(PINGは数字未公表)が特徴。その前は、テーラーメイドのクランクネック・ブレード『TPブラック デルモンテ』(トウハング30度)を使用していた。
山下は夏前にオデッセイの▲ネック・マレットを複数使用し、昨年もかなりパターを替えたにもかかわらず、平均パット1位をずっとキープ。一般に「パターを替えない人ほど上手い」と思うのがゴルファーの常だが、かなり替える選手が1位なのも興味深いところ。セミアーク軌道を自認するなら、強い女子プロを参考に、合うトウハングのショートスラント・マレットを探してみたい。