今季から米ツアーに参戦し、初勝利がl期待される岩井千怜。彼女が今季使用するクラブセッティングの詳細をレポートしたい。
ドライバーは『EZONE GT タイプS』ヘッドに『レクシスカイザL 5S』シャフトを採用。彼女のギアを、クラブフィッターの吉川仁氏に分析してもらった。
「『EZONE GT タイプS』は、カーボンクラウンで重心を深く低くすることでボールが上がりやすい。ロフト9度でスピンを減らしていますね。また、フックフェース設定で、構えた瞬間につかまる、やさしいと感じるヘッドに仕上げています」
アマチュアはドライバーをフックフェースにするのには、注意が必要だという。
「フックフェースはスライス対策になりますが、スイングでいい動きができてくると左に飛ぶリスクがあります。そうなると手元が先行していくので、他のクラブにも悪影響が出て、シャンクなどが生まれるので注意してほしいです」
シャフトは双子の姉、明愛が愛用する『レクシスカイザ5M 5S』と異なる『レクシスカイザL 5S』を使用している。「『レクシスカイザM 5S』は先端が硬いモデルですが、『レクシスカイザL 5S』は先がしなるモデルでつかまりやすくしていますね」。
異彩を放っているのは、ユーティリティを入れずにぶっ飛び系の6番アイアンを入れている点だろう。千怜のようにユーティリティが苦手ということで、飛び系アイアンでカバーしている女子プロは多いという。
「ユーティリティが苦手な人はつかまりすぎて左に飛ぶミスを嫌がります。UTはフェースが出っ歯なタイプが多いので、左に行く可能性がある。やさしい兄弟モデルのアイアンを選んで、アイアンの顔でそろえるのが大事ですね」
5I~PWのアイアンは、『EZONE CB511フォージド』に『レクシスカイザ i 8S』を採用。アスリートモデルだが、ちょいグースネックでつかまりのいいヘッドだ。
「ちょいグースネックでつかまりをよくしているのでしょう。包み込む感じでボールを押し込めますね。『レクシスカイザ i 8S』シャフトは、中調子ですが、球が上がりやすいと思います」
ちなみにエースパターの 『オデッセイ WHITE HOT BLACK #5 CS』は特別仕様のモデルだ。最初は(ヘッド上部のラインが)1本だったのを3本に変更。構えたときにどこを向いているか、打つ前にライン合わせがしやすかったという。さらにアライメントは白からピンクにに変更した特別仕様なのだ。
愛用ギアを駆使して、今季米ツアーでどれだけ活躍できるのかを注目したい。
【岩井千怜のクラブセッティング】
1W:ヨネックス EZONE GT TYPE S(9度/レクシスカイザL 5S)
3・5W:ヨネックス EZONE GT(14.5・18度/レクシスカイザL 5S)
5I:ヨネックス EZONE GT(23度/レクシスカイザ i 8S)
5I~PW:ヨネックス EZONE CB511フォージド(レクシスカイザ i 8S)
50・54・58度:ヨネックス EZONE W501(N.S.PRO 950GH S)
PT:オデッセイ WHITE HOT BLACK #5 CS
BALL:スリクソン Z-STAR XV 2025年モデル
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川崎の14本のセッティングを分析。関連記事【24年シーズン3勝・川崎春花の14本を分析! なぜ1WもUTもアイアンも古いモデルを使うのか?】を読めば、強さの秘密がわかります。