『PARADYM Ai SMOKE』シリーズ4つのFWで注目はどれ? アマに必要な5Wの性能を解説
非力な人ほど、飛ぶFWに賢く頼りたい。キャロウェイのFW4機種なら、必ず合うものが見つかる!
配信日時:2024年3月1日 08時41分
FWも、Aiスマートフェース!
キャロウェイが25万人分のゴルファーのスイングやインパクトデータをAIに学習させて生み出した【Aiスマートフェース】が『PARADYM Ai SMOKE』シリーズに搭載されていることは旧知の通り。また、FWのカーボンシャーシもより軽量化されているのもドライバーと同様だ。
そこで、その実力を検証すべく、動作解析『GEARS』や弾道計測器トラックマン、GCクワッドなどを組み合わせたフィッティングを行う、4Plus Fitting Laboの東宝調布スポーツパーク店に協力を仰いだ。
最新クラブの性能に精通するフィッター兼ティーチングプロの吉川仁プロと、数多のクラブの内部重心やシャフト剛性を知り抜く、澤田嘉之フィッターは、Aiスマートフェースの入ったFW、特に「5W」に関してどう見るのか。
『MAX』はトウ・ヒールのミスに強い
まずは、最もスタンダードな『PARADYM Ai SMOKE MAX』フェアウェイから打ち始めた吉川プロ。これまでのキャロウェイのFWに対する印象は「ドライバーと同じで、芯で捉えた時の初速は最高クラスだけど、外すと少しミスに弱いかも」。ところが、『MAX』の5Wを打って一変したと言う。
「純正シャフトなので、ヘッドスピード42~3m/s想定で打ちましたが、ボール初速が芯でもトウでもヒールでも56m/s以上出るし、打感もすごくいい。特にトウ側に外した時の初速は全く落ちないし、球が変にドロップしたりせず、打出し高めの強いドローで右抜けもない。ヒールではややスピン量が上がる程度で、フェードで目標に戻ってくれてとにかく曲がらない印象が強いです」
澤田フィッターも、今年のキャロウェイのFWについて「変に重心が深すぎず、振っていてお尻が垂れる感じがしないから、素直な挙動で万人に打ちやすい」と言う。その上で、今作『MAX』のAiフェースは「少しトウに外すくらいなら、芯よりむしろ飛ぶ可能性すら高い」と話していた。
『MAX D』はつかまる安心感大
次に、スタンダードな『MAX』よりもつかまる設定の『MAX D』。まずは、形状の違いについて、吉川プロが話しだす。「MAXも本当に構えやすくて、薄く丸い形状だったんですけど、『MAX D』はさらにヒール側の後方に向けてボリュームがあって、明らかにつかまる・上がる安心感がありますよね」。
その言葉通り、打つと『MAX』より弾道の頂点が高いハイドロ―になった。かといって、つかまり過ぎるわけではなく、打出しの高さと弾道の高さから、キャリーが出るため、明らかに左OBなどのミスになりにくそう。
「少しアップライトに感じてつかまる見た目だし、実際に球を包み込むように、やさしくつかまえてくれる感じ。『MAX』よりも球が高く、ボールを拾ってくれるので、FWが苦手で球を上げようとしてミスしがちな人は、最初からこういう上がるモノを使うのもおススメ」
『MAX FAST』はすごい高弾道!
より軽量でソフトな純正シャフトが採用されている、『MAX FAST』は『MAX D』を上回る高弾道だった。澤田フィッターは「歴代モデルで『MAX FAST』は可変スリーブのない直付けのヘッドなので、非力な方が楽に上げるための重量配分が計算し尽くされてます」と説明する。
実際、高弾道でつかまる『MAX D』を打ったばかりの吉川プロも、初球から驚くほど高い球を放ち、目を白黒させる。「打球音が『MAX FAST』だけは凄く弾く感じで“シャキーン”とネットの天井方向にすっ飛んでいくのが驚き。ダイナミックロフトが他より3°くらい多く出るのでボクには上がり過ぎですが、これは確かに女性やシニアの方には武器になりますね」。
吉川プロも取材陣もその弾道高さに驚くしかなかったが、シリーズ4機種中、すべての人を震撼させたのが、最後に打った『◆◆◆』だった。
『◆◆◆』は初速が桁違い!
吉川プロはドラコン選手をはじめ、アスリートやハードヒッターの顧客を多く抱えるため、歴代『◆◆◆』ドライバーの数々を売ってきた。が、実はそうした顧客はフェアウェイに3Wを好む人が多く「ティショットで3Wを多用する」例も多いとか。そのため、5Wはチェックが甘かったこともあり、初球から衝撃を受ける。
「ナニコレ、ボール初速が63m/sって!ここまでのシリーズ全部が、ミスしても56m/sを下回らなくて凄いな…と思ってたら、『◆◆◆』だけ突き抜け過ぎじゃないですか!ミスしても60m/s以下が出ないし、球筋の操作性もイイ。スピン量も少なくて、3Wかドライバー寄りの弾道に近くてぶっ飛びますよ!?」
澤田フィッターも「え、そこまで!?」と急遽、試打・確認して納得。「初速の出方がまるっきり違いますね。他社モデルの3W級と言っても過言じゃないくらい飛びますが、低スピンだからパワーがある人が使うと強烈な武器になって、この5W一本で3Wが抜ける可能性すらありますね」。
どんな人にも合うモデルがある
ここまで『PARADYM Ai SMOKE』シリーズのフェアウェイ4機種を打ってきて、最後にまとめを聞いた。アマチュアに必要な「5W」を試して分かった特徴とは?澤田フィッターがしみじみこう話す。
「Aiスマートフェースでよりミスに強くなった上、合うモデルが明確になってそれぞれ用意されてますよね。『MAX』 と『MAX D』 から打ち始めて、必要に応じて『MAX FAST』や『◆◆◆』と、キャラクターがハッキリしているので、ソールのデザインは同じに見えても、実はすごく選びやすい。打てば必ず合うモノがすぐ見つかります」
吉川プロも「例えば、『◆◆◆』なら実施的には4W以上のカバー範囲を持っていますし、3Wのテストだけでは見えてこない部分が分かります。風に強い球で飛ばすなら『◆◆◆』、スタンダードで球が強い『MAX』、つかまる『MAX D』に、上がる『MAX FAST』と、全方位でカバーしてくれますね」と唸っていた。
取材協力・4Plus Fitting Labo東宝調布スポーツパーク店