マジか!? 5年ぶり優勝の河本結は2種類の軟鉄鍛造アイアンで弾道を操っていたの?
「NEC軽井沢72ゴルフ」で5年ぶりにツアー2勝目を果たした河本結。彼女のアイアンセッティングには興味深いスペックが隠されている。その詳細をレポートする。
配信日時:2024年8月15日 02時00分
「NEC軽井沢72ゴルフ」で待望の5年ぶりのツアー2勝目を果たした河本結。彼女のアイアンセッティングを見ると、面白いスペックを発見。その詳細をレポートしたい。
河本は5・6番に2021年モデルのキャロウェイ『APEX PRO』、7番からPWは同じく2021年モデルの『APEX TCB』をバッグイン。どちらもシャフトには『NSプロ 850GH S』を使用している。
『APEX TCB』はキャビティバック形状だが、ヘッドサイズはかなりコンパクト。安定した飛びとスピンをもたらすツアーチューンド・フェースを軟鉄鍛造ボディに組み合わせているうえ、ソールは丸みを帯びて抜けの良さが抜群だ。
「操作性が良くて弾道を操れるので使いこなしています。それと、ソールが抜けるように前側を削っています。洋芝のときにすごく変わりますね。ボールにしっかりヒットできるのでスピンも高さも安定します」(河本)
一方、キャロウェイのツアー担当は「河本プロはかなり上から打ち込むタイプなので、バンスが大きすぎたりソール幅が広いと地面で跳ねてしまいます。改良された幅狭ソールで自分で打ち込んでヘッドを抜けさせたいのでしょう。自分のスイングでフェースの向きもコントロールしていくタイプです。ヘッドの入射角もコントロールしやすいので、このヘッドを長年使用しているのでしょう」と説明する。
球が上がりづらい5・6番は中空構造の『APEX PRO』を選び、低重心の軟鉄+タングステンボディと、反発力の高いFLASHフェースカップでやさしく上げられるようにしている。
「この5番・6番はスピンもしっかり入ってくれて、球が上がってくれるので気に入って使っています」と河本は高く評価している。ツアー担当によると、「カップフェース採用で球が上がりやすいモデルです。長い番手でもグリーンに球を止める必要があるため、使用しているのでしょう。打感は弾く感じで、少しやさしいモデルです」と分析する。
どちらのモデルも軟鉄ボディでソフトな打感を実現している点は見逃せない。「河本プロはドローとフェードを自在に打ち分け、弾道の高低も操るタイプです。球を押し込んでいけると、弾道を打ち分けやすいと思っているのでしょう」(ツアー担当)。
シャフトは中調子の軽量スチール『NSプロ 850GH S』。球が上がりやすく、それでいて吹け上がらずに中弾道で軽くやさしく振れる。ショットメーカーである河本にとって、アイアンは生命線ともいえるクラブ。信頼するアイアンで今季2勝目を飾れるのか、期待したいところだ。
◇ ◇ ◇
●パターほどいろいろなヘッド形状が発売されてるギアはなく、何が合うのか悩んでしまう。パットに悩む人には関連記事【ウソでしょ!? パターのテンポは重心で決まるの? 最新58機種試打で解明した『浅重心』vs『深重心』の真実】がオススメ。これでピッタリモデルが分かる!