三菱ケミカル『TENSEI PRO BLUE 1K』を打ってみた。「キャリーが伸びて、合わない人がいなさそう」
16日、三菱ケミカルが新作のプレスリリースを公開。『テンセイ1K』シリーズの『ブルー』をいち早く打ってみた!
配信日時:2023年5月18日 15時10分
『1K』は21年ホワイト、去年オレンジ、今年はブルー!
三菱ケミカルが『TENSEI PRO BLUE 1K』シリーズを発表。このシャフトは、昨年11月にPGAツアーで供給開始され、『TOUR AD DI』がエースの松山英樹の使用画像が出回ったことで、その存在が気になっていた『DI』好きも多いだろう。かくいう筆者もその口で、発表当日にダメ元で試打を希望すると、アッサリOKが貰えた。
どんな特徴か? は、三菱ユーザーなら歴代『ディアマナ』のカラーリングからなんとなく察しがつく。なぜなら、21年の元調子系の『TENSEI PRO WHITE 1K』に始まり、昨年はカウンターバランス系の『TENSEI PRO ORANGE 1K』と来て、今回は『ブルー』。中調子の青は万人受けするはずだと、同社のこれまでの製品傾向から想像がつくのだ。
ただ、テンセイの前作『CK Pro』シリーズは、日本に『TENSEI CK Pro ORANGE』しか導入されなかったため、実質的に日本のゴルファーにとっては「初のテンセイブルー」になる。筆者のど真ん中が『TENSEI PRO WHITE 1K』なこともあり、『ブルー』をどうしてもチェックしたかった。
メーカー発表は「中打ち出し、中スピン」
では、今回公開された『TENSEI PRO BLUE 1K』の特徴を見てみよう。
「TENSEI PRO BLUE 1Kは、中打ち出し・中スピンのプロファイルで、低打ち出し・低スピンのTENSEI PRO WHITE 1Kの兄弟作よりも打ち出しとスピンが高くなります。カウンターバランスの兄弟作であるTENSEI PRO ORANGE 1Kとは異なる感触です。2022年11月にツアー投入後すぐ成功を収め、ツアーで最初の週のヒューストンで4人の選手が投入。また、フロリダ州タンパでの勝利で既に使用され、発売前からツアー検証をしていました。
世界のトッププレーヤーはすぐそのボールスピードの向上と分散性の向上を絶賛しました。また、TENSEI PRO WHITE 1Kは非常に優れた基盤を築き、TENSEI PRO ORANGE 1Kはその優れたバランスのとれたオプションを提供しましたが、最も多くのゴルファーに適合するBLUEプロファイルほど優れたものはありません。TENSEI PRO BLUE 1Kは、これまでに開発したどのブルーよりも優れたミッドマントルを実現します」(米国広報)
やはり、万人受けする中調子なのか。練習場で早速試打してみると?
しなり多めの中調子で、クセがなくキャリー増
筆者は直近も同社フィッティングの『D-Fit』を体験し、自分に合うモノはほぼ絞り込んでいる。それは第5世代の『ディアマナ』の中になく、前述の通り元調子の『TENSEI PRO WHITE 1K』だ。切り返しに適度に間が取れて、復元が速すぎないものが好みだが、新しいテンセイブルーはどうか?
ヘッドはPING『G410 PLUS』の10.5°で、50Sを軽く打つなり超高弾道フェードがレンジの天井に突き刺さって驚く。手元はややしっかりだが、シャフト全体のしなり量は、同じ50S比較で『ブルー』が最も多めに感じる。先端には【クロスリンクテック】テクノロジーが同様に入っているが、ホワイトやオレンジより先端剛性が低く感じ「かなり打ち出し角が上がるシャフト」と感じた。
この印象は60S ⇒ 70S ⇒ 80X へ重量を上げても同様で、ローフェードが持ち球の筆者は高く打ち出せるため、どのスペックでもラクにキャリーを伸ばせて好印象。切り返しでマッタリ間が取れ、打ち急ぎやリキミが入りづらいのも◎だが、元々弾道が高くてスピン量が多めの人には不向きと感じた。
『ディアマナGT』と60Xを比較!
松山英樹が一時テストしたとあって、筆者は「もしかしてTOUR AD DIに似ているのか?」と想像したが、打ってみるとグラファイトデザインで言うスローテーパー設計に近いモノをたしかに感じた。いい意味でスピーディ過ぎず、間が取りやすいオーソドックスな動きで、50Sや60Sは50歳以上で「DG」育ちのキャリー不足の人に特にハマりそう。
また、ディアマナの最新作『Diamana GT』とエーススペック60Xの比較をした。『GT』も手元しっかりで中間部がしなって復元の速さを感じるが、『TENSEI PRO BLUE 1K』の方が明らかに粘り系に感じた。やはり、復元速度がおとなしく、タイミングが取りやすい。その分、インパクトの「弾き感」が少ないものの、低いチーピン系のミスは出づらい。適度なスピン量と高打ち出しで、明らかに方向安定性に優れると感じた。
練習不足と不摂生でエース『TOUR AD UB-6X』が辛くなってきた筆者には、『TENSEI PRO BLUE 1K』60Xはいい意味でラクできてリキまずOB回避できそう。いつもギリギリ振れるハードスペックを選んで狭いコースで撃沈する筆者には、こういう“動きとタイミングのバッファ”が必要なのだ。発売は7月14日と2ヶ月も先だが、同社は「今月から全国で試打会やレンタルシャフトを展開予定」とのこと。初の『テンセイブルー』をお試しあれ!
Text/Mikiro Nagaoka