プロが使うツアーボールの性能が良いのは間違いないが、消耗品と考えるとコスト的に高くなる。そこで今回、1ダース2,600円台以下で購入できるボールをテスト。多くのアマチュアゴルファーを指導してきたティーチングプロの北野正之は、その性能の高さに驚かされたと話す。
「過去に安価なボールを試した際には、ロングショットの飛距離性能は高いものの、打感がカチカチだったり、アプローチですっぽ抜けるような感触でスピンが利かなかったりと欠点の多いモデルが多い印象でした。しかし最新モデルは、飛距離性能、アプローチスピン、打感など、あらゆる性能が進化していました。総合力ではツアーボールに及びませんが、価格と性能バランスを考えると非常にコスパの良いボールだと言えます」
ドライバーやアイアン、ウェッジ、パターなど、さまざまなクラブでボールの試打を行ってみると、打ったときのフィーリングや飛び方など、細かな性能が見えてきたという。
「自分の好みに合ったフィーリングのモデルを選ぶことが大切です。そうすれば、2,600円台以下のボールでも、コースで十分に満足のいく性能を発揮してくれるはずです」
今回の具体的な評価項目は、飛距離性能、方向性、アプローチスピン、打感(フルショット)、打感(ショートゲーム)の5点。結果はS+、S、A+、Aの4段階で評価し、ベストバイを決めた。
S+評価でベストバイに選ばれたのは?
■キャロウェイ『ウォーバード』
しっかりした打感のボールで、強い弾きで初速がアップ。高い飛距離性能を持ちつつも、ショートゲームでもフェースに乗る感覚があって、ボールコントロールしやすい。使い勝手の良さと飛びを両立した高コスパボール。
続くS評価は2種。
■テーラーメイド『ディスタンス+ソフト』
ドライバーでは程よくソフトな打感で適正スピンの弾道で飛ばしやすく、アプローチでもしっかりスピンが利く。ディスタンス系の中では、最もツアーモデルに近い性能バランスを実現したボール。
■ダンロップ『スリクソン ディスタンス』
フルショットもアプローチも打感がソフト。ボールがしっかり潰れてスピンが減るので、強い弾道で飛距離が伸びる。また、サイドスピンを抑制する効果も大きく、ミスしてもボールの曲がりが小さくネジレない。
A+評価となったのは2種。
■キャロウェイ『スーパーソフトマックス』
大きめサイズに設計された特殊なボールで、インパクトするとカバーの食い付きが良く、しっかりつぶれてくれる。フルショットでは低スピン弾道で飛ばせるし、ツアーモデル以上にソフトな打感でアプローチできる。
■HONMA『D1 2024』
高い反発性能によるボール初速アップで飛距離が伸びるボール。フルショット時には弾きと共に程よくソフトな打感になるが、ショートゲームはやや硬め。そのぶん、ボールが伸びるのでショートしがちな人にもピッタリ。
残り1種はA評価となった。
■ブリヂストン『TOURSTAGEエクストラディスタンス』
打感は全体的にやや硬めだが、そのぶん、弾きが強い。球離れが早く、弾道傾向はやや右。フルショット時も、アプローチでも適度にスピンが入ってくれるので、グリーンに止まるボールが打ちやすいこともポイント。
【解説】
北野正之
きたの・まさゆき/1966年生まれ。スイング理論だけでなく、メンタルの仕組みやマネジメント術など、多彩な知識でアマチュアゴルファーを上達に導く。ラウンドにおける実戦的なレッスンが得意。
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