プロも唸る! 竹田麗央の異次元セッティングが凄すぎる理由【女子プロセットのどこマネる!?】
今季すでに3勝を挙げてメルセデス・ランキングで首位を走る竹田麗央のセッティングを分析。アマチュアの参考になる点を、フィッター兼クラフトマンの吉田智氏に聞いた。
配信日時:2024年5月29日 03時00分
今季すでに3勝を挙げてメルセデス・ランキングで首位を走る竹田麗央のセッティングを分析。アマチュアの参考になる点を、フィッター兼クラフトマンの吉田智氏に聞いた。
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このセッティングは、まさにハードヒッター向けのもので、特にドライバーはプロでもなかなか使用しない超浅重心ヘッド『スリクソンZX7 MkII LSプロト』を入れている点が驚きです。ロフト角を9.5度(8.5度から+1度)で打っていることから、多すぎるスピン量を適正にコントロールし、アッパー軌道の強いスイングに対応したスペックであることがわかります。この超浅重心ヘッドは、他の女子プロでは打てないハードなスペックだと思います。
ドライバーのシャフトには50g台のフレックスX、いわゆる『軽硬(かるかた)』シャフトを使用しています。『軽硬』シャフトはしなりにくく、インパクトで手元が浮いて振り遅れることがあります。しかし、竹田プロのように体の回転でスイングするプレーヤーなら、スクエアに当てられます。また、シャフトが軽くてしならないためフェースコントロールがしやすいのもメリットです。腕力が強く手打ち傾向の人にはこのシャフトが合う場合がありますが、アマチュアには難しいスペックです。
そのドライバーのシャフトの中身を見ていくと、『TOUR AD UB-5X』は中調子で手元が軟らかく、全体がしなるモデルです。竹田プロは手元が軟らかめのシャフトを好むようです。3番ウッドのシャフトには同じモデルの『TOUR AD UB-6S』を使用し、ユーティリティのシャフトには『TOUR AD DI-75 HYBRID S』を選択しています。これらはすべて手元が軟らかめの中調子系シャフトで統一されています。
特に注目すべきは3番ウッドのシャフト。ドライバーよりも重くて軟らかい60g台・フレックスSを選んでいます。そうすることでシャフトがしなってヘッドが遅れて入るため、インパクトゾーンが長くなり、厚い当たりが得られやすくなります。これは最近の女子ツアーでよく見られる傾向です。
しかし、アイアンシャフトの選択は少し異なります。『N.S.PRO モーダス3 ツアー120 S』を使用しており、手元が硬い中調子系のモデルです。他のクラブでは手元が軟らかめのシャフトを使用していることを考えると、通常は手元が軟らかい『N.S.PRO モーダス3 ツアー105 S』を選ぶのが定石です。ただ、より球が上がりやすい『N.S.PRO モーダス3 ツアー120 S』を選んでいると推察されます。
このようなハードスペックのセッティングはアマチュアには難しいかもしれませんが、フェアウェイウッドのシャフトのチョイスなどは参考になるでしょう。
【竹田麗央のクラブセッティング】
1W:スリクソンZX7 MkII LSプロト(9.5度、TOUR AD UB-5X 45.25インチ・ D1 308.3g)
3W:スリクソンZX MkII(15度、TOUR AD UB-6S)
3・4U:スリクソンZX MkII(19・22度、TOUR AD DI-75 HYBRID S)
5I:スリクソンZX5 MkII
6I~PW:スリクソンZX7 MKII(N.S.PRO モーダス3 ツアー120 S)
50・54・58度:クリーブランドRTX6 ZIPCORE(N.S.PRO モーダス3 ツアー120 S)
PT:オデッセイ Ai-ONE #7S
BALL:スリクソン Z-STAR
※2024年ブリヂストンレディス時のセッティング
■竹田麗央
たけだ・りお/2003年生まれ、熊本県出身。2021年にプロテスト合格。今年4月の「KKT杯バンテリンレディス」で初優勝を果たすと、5月までに3勝を挙げる活躍を見せている。現在のドライビングディスタンスは1位。叔母は2度の賞金女王に輝いた平瀬真由美。ヤマエグループHD所属。
■吉田智
よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼され、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートしている。
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