昔はいっぱいあったけど…フックフェースのドライバーやアイアンがほんどない今は、フィッター受難の時代なのか!?【生の声を聞いた】
昔はフックフェース+グースネックアイアンでスライスは矯正できたが、今はスイングの修正も求められる!?
配信日時:2024年4月24日 06時00分
私がフィッティングをする際、いつもゴルファーに聞くようにしているのが、「今のスイングに合うクラブを選ぶのか、それともスイングを少し変える気があるのか」ということです。もちろん私はあくまでもフィッターで、レッスンを生業にしているわけではないので、「この部分を直すべき」というようなことは言い難いのですが、少し変えるだけで劇的に変化する人がいるのも事実です。
例えば、スライスで悩んでいるゴルファーがいたとします。その原因は人それぞれですが、よく見るのがバックスイングでフェースを開いて、そのままインパクトを迎えてしまう人。このようなスイングだと当然のことながら、ボールが大きく右に曲がってしまいます。
こういう人の場合は、バックスイング時にフェースを閉じるだけでスライスが矯正されることがあります。トップでフェースが閉じて、クラブがインサイドから下りてアウトサイドに抜けるスイングをすれば、「フィッティングなんかしなくてもいいんじゃないか」と思うくらい、きれいなドローになることがあるからです。
とはいえ、すべてのゴルファーに「スイングを少し変えましょう」というわけにもいきません。これからゴルフを本格的にやっていこうという人や、上達志向の強い人にはスイング修正を勧めますが、長年ゴルフをやってきて、独自のスイングが体に染みついていたり、月イチゴルファーで練習もほとんど行かないという人には、できるだけ今のスイングで真っすぐ飛ぶクラブを選ぶようにしています。
ところが、これが口で言うほど簡単なことではないのも事実です。数年前のように、誰が打ってもボールがつかまるという、フェースが左を向いたドライバーが少なくなっているからです。
今どきのドライバーは、カチャカチャでフェースを左に向けることはできますが、そうすると飛びに影響するロフトが変わるというように、「左に向けたら問題が解決する」というわけにもいきません。
それともうひとつ、ドライバーのフェースを左に向けたとしても、それにマッチするアイアンがないというのも大きな問題になってきます。
以前はグースネックというつかまりを良くしたアイアンがあって(今でもありますが、ごく少数)、同じスイングでドライバーもアイアンも打つことができたのですが、今はつかまるアイアンが少ないのです。だから、ドライバーやフェアウェイウッドをフックフェースにしたとしても、「ではユーティリティやアイアンはどうするのか」という話になってきます。
結論的には、今どきのクラブを大きな武器にするためには、少しフェースの開閉を抑えるなど、できる範囲でスイングを修正した方がいいと思っています。
そうすることによってクラブの選択肢も大きく広がると思うのですが、皆さんはどう思われますか?
■吉田 智
よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼されて、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートする
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