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    『Diamana RB』で“赤”系シャフトの常識が変わる!? ヘッドの走りをコントロールできて最新ドライバーと好マッチング!

    三菱ケミカルが2025年の最新モデルとして第6世代の“赤”系シャフト『Diamana RB』を発表。同じく今年に発表されたばかりのテーラーメイド『Qi35』、キャロウェイ『ELYTE』に装着して試打を行うと、『Diamana RB』の今までの“赤”系シャフトとは一線を画す性能が明らかになった。

    所属 ゴルフライター
    田辺直喜 / Naoki Tanabe

    配信日時:2025年1月23日 04時00分

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    • ギア
    目次 / index
    従来の“赤”とは一線を画す設計の『Diamana RB』。タイミングの取りやすさとヘッドの強烈な走りを両立し、最新“外ブラ”ヘッドとのマッチングも抜群に良い
    従来の“赤”とは一線を画す設計の『Diamana RB』。タイミングの取りやすさとヘッドの強烈な走りを両立し、最新“外ブラ”ヘッドとのマッチングも抜群に良い
    • 三菱ケミカルの2025年モデルとして発表された『Diamana RB』。第6世代に共通するマットブラックのコスメに印象的な赤いロゴがデザインされている
    • 海老原秀聡。1990年生まれ、東京都出身。中央学院大学卒業後にプロテストを受験し、1発合格。現在はアマチュアのレッスンに尽力している。鋭い感性を生かしたギアのインプレッションにも定評がある
    • 切り返しでタメを作りやすく、タイミングも取りやすいと海老原。ヘッドが暴れるイメージの強い“赤”系だが、『Diamana RB』はしっかり挙動をコントロールできるようだ
    • シャフトの手元寄りの部分がしなるので、タメが作れし、ヘッドの走りもある。元調子系と先調子系の良いとこ取りをしたイメージのシャフトが『Diamana RB』だ
    • 海老原のパワーにあったスペックの“7X”で思い切り叩くとボール初速70.4m/s、打ち出し角12.9度、スピン量2,059rpmでトータル298ヤードをマークした
    • テーラーメイドの『Qi35 ドライバー』。「シャローフェースなのでロフト9.0度でもボールを上げやすい印象があります。フェースにボールがくっつくようなイメージでインパクトゾーンが長くなります。慣性モーメントの高さがありつつ、適度な操作性も備わっていて、飛ばしに行くこともできます」
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    設計を一新した走りをコントロールできる“赤”

    厳しいセッティングのトーナメントを戦うトッププレーヤーたちが求める性能をそのまま製品化することを目指した三菱ケミカルのフラッグシップブランドが『Diamana』だ。2005年に初代『Diamana』が誕生してから今年で20周年を迎える。そんな記念すべき年に発表された最新モデルが『Diamana RB』だ。

    三菱ケミカルの2025年モデルとして発表された『Diamana RB』。第6世代に共通するマットブラックのコスメに印象的な赤いロゴがデザインされている

    三菱ケミカルの2025年モデルとして発表された『Diamana RB』。第6世代に共通するマットブラックのコスメに印象的な赤いロゴがデザインされている

    Diamana RB』はシリーズの中で、つかまりや弾道の高さを重視した特性を持つ“赤マナ”の系譜の最新モデルになる。ゴルフ界において、赤いコスメのシャフトはしなりが大きく、先端が走ることでスライス防止やヘッドスピードアップに効果あるモデルが多い。こういったシャフトはパワーのあるゴルファーが使うと左への引っかけが出たり、ボールが吹け上がる傾向にある。そのため、いわゆる“赤”系のシャフトはゴルファーによって好き嫌いの分かれるモデルであることがほとんどだ。

    そんなメリットも課題も明白な“赤”シャフトの最新モデルはどんな性能に仕上がっているのか。今回はALBA本誌のギア特集「銀のALBA」でテスターを務め、最新クラブの特性に明るいプロゴルファーの海老原秀聡に『Diamana RB』をテストしてもらった。

    海老原秀聡。1990年生まれ、東京都出身。中央学院大学卒業後にプロテストを受験し、1発合格。現在はアマチュアのレッスンに尽力している。鋭い感性を生かしたギアのインプレッションにも定評がある

    海老原秀聡。1990年生まれ、東京都出身。中央学院大学卒業後にプロテストを受験し、1発合格。現在はアマチュアのレッスンに尽力している。鋭い感性を生かしたギアのインプレッションにも定評がある

    海老原は現在、ドライバーでシャフト全体にしっかりした剛性あるモデルの“6X”をチップカットした状態で使用している。切り返しからダウンスイングにかけて強烈なしなりのある“赤”系シャフトは決して好みとは言えないタイプだ。しかし、『Diamana RB』の“5S”からテストを始めた海老原は、意外そうな表情でその特性を分析する。

    「もっと軟らかくしなりの多いシャフトを想像していましたが、アドレスでワッグルをした瞬間からしっかりとした剛性が感じられました。スイングすると、切り返しで手元側に軟らかさがあってタメを作れて、そこからヘッドを感じながらタイミングを取りつつ、安定したインパクトを作ることができます。ヘッドの強烈な走りが感じられるのはフォロースルーでした。インパクトで当たり負ける感覚が全くなく、一気にフィニッシュまで振り抜くことができますし、今までにあった“赤”系のシャフトとはかなり違う印象です」
    負ける感覚もありませんし、今までにあった“赤”系シャフトとは全く違う印象です」

    切り返しでタメを作りやすく、タイミングも取りやすいと海老原。ヘッドが暴れるイメージの強い“赤”系だが、『Diamana RB』はしっかり挙動をコントロールできるようだ

    切り返しでタメを作りやすく、タイミングも取りやすいと海老原。ヘッドが暴れるイメージの強い“赤”系だが、『Diamana RB』はしっかり挙動をコントロールできるようだ

    一般的に“赤”系のシャフトは、手元部分を極端に硬くし、中間から先端にかけて軟らかく設計される。部分ごとの剛性差を強くすることでシャフトがムチのようにしなり、“赤”系特有の強烈なヘッドの走りが生まれるのだ。最近では先端部分の剛性を高めることでヘッドが暴れるのを防ぎ、方向性を高める設計が主流となっている。

    一方で、『Diamana RB』は違ったアプローチでヘッドの走りとコントロール性を両立している。まず全体の設計として、手元に適度な硬さを持たせつつ、手元近くから中間部にかけて軟らかくし、先端部分はしっかり剛性を高めている。手元近くがしなることで元調子系シャフトのようなタメを作ることができ、中間部の軟らかさでヘッドをスムーズに走らせる。そして剛性を高めた先端部はボールに当たり負けることなく、スイングパワーを効率良くボールに伝えてくれるのだ。

    シャフトの手元寄りの部分がしなるので、タメが作れし、ヘッドの走りもある。元調子系と先調子系の良いとこ取りをしたイメージのシャフトが『Diamana RB』だ

    シャフトの手元寄りの部分がしなるので、タメが作れし、ヘッドの走りもある。元調子系と先調子系の良いとこ取りをしたイメージのシャフトが『Diamana RB』だ

    ポイントになるのは、部分ごとの剛性差を小さくしたことだ。全体の設計でヘッドの適度な走りを生みつつも、クセのない振り心地で扱いやすいシャフトに仕上がっている。

    「剛性差の強いシャフトはしなり戻りが強烈で、ダウンでヘッドがどこにあるのか感じにくくなります。一方で『Diamana RB』はしなりを使ってヘッドを走らせながらも、スイング中、どこにヘッドがあるのかしっかり感じ取ることができます。特に60グラム台より上ではその傾向が強くなり、ヘッドが振ったなりに追従して動いてくれます。しなりを生かしてスピードを上げることもできますし、強く叩いて飛ばしに行くこともできます。当たり負けない強さがあるのでボールを高く打ち出しつつも、スピンを抑えた強弾道も出てくれます。つかまる安心感がありつつ、引っかける心配がないのは嬉しいポイントです」

    海老原のパワーにあったスペックの“7X”で思い切り叩くとボール初速70.4m/s、打ち出し角12.9度、スピン量2,059rpmでトータル298ヤードをマークした

    海老原のパワーにあったスペックの“7X”で思い切り叩くとボール初速70.4m/s、打ち出し角12.9度、スピン量2,059rpmでトータル298ヤードをマークした

    最新の外ブラドライバーと組み合わせると強ドローで飛ばせる

    今回のテストでは、『Diamana RB』と同じ2025年1月に発表されたばかりのテーラーメイド『Qi35』とキャロウェイ『ELYTE』のヘッドを使用した。海老原は、『Diamana RB』のヘッドを走らせながらコントロールできる特性は、最新の外ブラドライバーとの相性がに良いと分析する。

    「テクノロジーやアプローチの仕方にはメーカーごとの個性がありますが、最新ドライバーは基本的に慣性モーメントが高く、ミスヒットに強い特性を持っています。『Diamana RB』は先端剛性がしっかりしていて、安定してフェースをスクエアから少し閉じた状態でインパクトしやすい特性がありますので、最新ドライバーと組み合わせると安定して、強いドローを打つことができます。フェースの芯が広いので、思い切りヘッドを走らせてスピードを上げることでより飛距離を出すこともできます。平均飛距離を上げつつ、1発の飛びも期待できます」

    テーラーメイドの『Qi35 ドライバー』。「シャローフェースなのでロフト9.0度でもボールを上げやすい印象があります。フェースにボールがくっつくようなイメージでインパクトゾーンが長くなります。慣性モーメントの高さがありつつ、適度な操作性も備わっていて、飛ばしに行くこともできます」
    キャロウェイ『ELYTE ドライバー』。「ヘッドの走り感が強く感じられて、安定してつかまったボールが打てるヘッドです。ミスヒットに強く、トゥ側に打点がズレても、フェースが逃げずにしっかりボールをキャッチしてくれました。強い弾き感で、ボール初速も出しやすくなっています」
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    テーラーメイドの『Qi35 ドライバー』。「シャローフェースなのでロフト9.0度でもボールを上げやすい印象があります。フェースにボールがくっつくようなイメージでインパクトゾーンが長くなります。慣性モーメントの高さがありつつ、適度な操作性も備わっていて、飛ばしに行くこともできます」

    Diamana RB』を始めとする第6世代のシリーズには、シャフトの先端に「ニューチップテクノロジー」を搭載している。先端のネジレを最適化し、フェース向きを安定させ、エネルギー伝達効率を高めるテクノロジーで、最新の高慣性モーメントヘッドの性能を十二分に引き出してくれる。中でもつかまりをプラスしてくれる『Diamana RB』の特性は最新ドライバーの性能を引き出す上で大きなメリットがあるわけだ。

    最新ドライバーに『Diamana RB』を装着する場合、スペックに一工夫加えるとより性能が体感できると海老原。

    「投影面積が大きく慣性モーメントの高い『Qi35』は適正スペックか、少し重めの『Diamana RB』と組み合わせると良いでしょう。重くすることでヘッドが感じやすくなり、安定した飛距離を出しながら、方向性を高めることができます。一方で『ELYTE』は少し軽めの『Diamana RB』と好相性です。『ELYTE』はヘッドを感じやすいので、軽量化によってヘッドスピードをとことん上げていきましょう。強烈にヘッドが走る組み合わせですので、芯を食ったらとてつもない飛距離が出てくれます」

    海老原自身がベストな組み合わせとして選んだのは『Qi35』と『Diamana RB(7X)』の組み合わせ。「普段は60グラム台を使っていますが、『Diamana RB』は70グラム台の方がリズムやタイミングが合う印象でした。軽快にしなる特性もあって、人によっては軽く感じられるかもしれません」

    海老原自身がベストな組み合わせとして選んだのは『Qi35』と『Diamana RB(7X)』の組み合わせ。「普段は60グラム台を使っていますが、『Diamana RB』は70グラム台の方がリズムやタイミングが合う印象でした。軽快にしなる特性もあって、人によっては軽く感じられるかもしれません」

    シャフトの特性でボールをつかまえて、スピードアップによる高初速・高打ち出しで飛ばせる“赤”系のメリットは非常に大きい。しかし、これまではそのピーキーな挙動ゆえにフィットするゴルファーが少ないという問題があった。そんな中で新たに登場した『Diamana RB』は“赤”系の特性にタイミングの取りやすさ、コントロール性をプラスした今までにないタイプのシャフトに仕上がっている。そして、海外メーカーを中心とした最新ドライバーとの相性もこの上なく良いので、飛距離を伸ばしたいと考えるゴルファーにはぜひ一度試してみてほしい。爽快なヘッドの走りにハマること間違いなしだ。

    取材協力/ゴルフ&フィットネスポイント芝浦 撮影、構成/田辺直喜

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