球離れが早いドライバーが急増中 クラブを変えたら、ボールの選び直しもマストです!【フィッターに聞いた】
ここ数年、“たわまずに飛ばす”ヘッドが主流になりつつある。それによってボール選びが難しくなってきた。
配信日時:2024年5月15日 04時32分
ボールは日々進化が目覚ましいと耳にしたことがある人も多いと思いますが、その一方で“ボール選び”は年々難しくなっています。理由は、ここ数年、ドライバーのヘッド構造が大きく変化しているからです。
その変化とは、ヘッドのたわみです。少し前までは、ボディをたわませることによってエネルギーを生み出そうという考えに基づいてヘッドが作られていたのですが、ここ数年は、“たわませないで飛ばす”という考えが主流になりつつあるのです。これについては、いずれまた詳しくお話ししますが、とにかくたわまないヘッドが多くなりました。
これによってどういう変化が起こったかというと、ボールがフェースに乗りづらくなったのです。つまり、球離れの早いヘッドが増えてきたということです。
フェースにボールが乗らないと、当然、スピン量が減ってしまい、ボールが滑ったり、ドロップ気味の球筋になったりする危険性があります。これまでの経験から、「自分にはこのボールが合う」と思って使っていても、思わぬミスにつながるリスクがあるということです。
例えば、私がクラブのフィッティングを担当している某女子プロの場合、「飛距離が欲しい」ということでブリヂストン(BS)の「ツアーB X」を使っていたのですが、出球は素晴らしいのに、結果的にスライス系の球筋になって飛距離も思ったほど伸びていませんでした。そこで、同じBSのツアーモデルでも、スピン性能の高い「ツアーB XS」を試してもらったところ、そうするとフェースに球が乗るようになって飛距離も出るようになったのです。
一般的に飛距離性能に優れた「X」、スピン性能に優れた「S」といわれていますが、その前に、「今使っているドライバーで打った場合、フェースに球が乗っているかどうか」が重要になってくるということです。
この話にはもう一つ教訓があって、彼女の場合、室内での弾道計測器を使ってのテストでは、「X」の方が若干飛んでいたそうです。実はこういうケースはよくあって、コースでは、室内のデータ通りにならないことがあります。だから、実際にコースで打ってみて、「フェースに乗る、乗らない」「滑る、滑らない」を確認することが大事になってくるのです。
ボールの中でも特に気を付けたいのが、テーラーメイドでいえば「ツアーレスポンス」などの低スピン系のボール。ヘッドスピードが遅めで、カットスライス気味に打つゴルファーだと、しっかりボールがつかまって飛距離も出ますが、ヘッドスピードの速い人だと本当にスピンがかからないのでドロップする恐れがあります。
何度も言うようですが、ドライバーはここ数年、大きく変化しています。ドライバーを替えた場合は、ボールとの相性も確かめるようにしてください。
■吉田 智
よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼されて、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートする
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●チェックポイントをいくつも意識していると、動きがぎこちなくなってしまうことも……。それよりも、「○○○のように振ってみて」と言われた方が、イメージが広がって良いフォームになることがあるのでは? 関連記事【豆腐、アイス、弓矢にメンコ……アナタに合うのは〜】がオススメ!