■ロマン派ゴルフ作家語る

『PARADYM』シリーズのユーティリティで、明確なのは、本格的なゴルフをするゴルファーをメインターゲントにチューニングされていることと、飛距離性能に優れていることです。

そして、3本共に個性的です。

最も自分と相性が良かったのは、『PARADYM MAX FAST ユーティリティ』でした。僕は軽いクラブを打ち慣れていることもあって、とても振りやすくて、ヘッドスピードも少し上がってような気がしました。軽いドロー、強いボールが出ます。拾いやすくて、やさしさも感じました。

『PARADYM ユーティリティ』は、思っていたよりも何倍も本格的で、シビれました。ユーティリティは、ドローバイアスが強かったり、引っ掛けやすくなっている傾向があったりするものが多いので、最初から逃がして打つものとして、考えていると、『PARADYM ユーティリティ』は、右に飛んでいって使いにくいものになってしまいます。

しっかりと打ち込めるユーティリティが欲しかったというゴルファーに『PARADYM ユーティリティ』をオススメします。

『PARADYM X ユーティリティ』のドローバイアスは、ほんのりという感じで、あまり効きません。やはり、ちょっと本格的な味付けなのです。ボールの強さは一番かもしれません。ドローで、転がりも出るボールが打てます。

総じて、やさしくなく、むずかしいかというと、答えはノーです。ミスヒット時の飛距離のロスの小ささや、同じ弾道で狙い通りに飛んでいこうとする安定性などのハイレベルなやさしさは、かなり高得点です。

飛距離性能は、使用したホールが少なかったので、3本共に同じと判断しました。しかし、使い慣れるほどに『PARADYM X ユーティリティ』が一番飛ぶと推測しました。

使いやすいのは、『PARADYM MAX FAST ユーティリティ』という感じでした。

特筆しておきたいのは、ソール後方がウェーブ状になっている「カットウェーブソール」です。抜けやすさに貢献しているだけではなく、滑らせて良し、打ち込んで良し、という活躍でした。

『PARADYM』シリーズのユーティリティは、パラダイムシフトを起こすというよりも、今までのテクノロジーを最終形態としてまとめたクラブだと感じました。

今までのユーティリティは、やさしすぎて、アンダースペックだったというパワーヒッターには、『PARADYM ユーティリティ』を打ってみて欲しいですし、一般的なゴルファーには、『PARADYM X ユーティリティ』と『PARADYM MAX FAST ユーティリティ』を試してみて欲しいです。

ユーティリティは、飛んでナンボだと個人的には考えています。『PARADYM』シリーズは、その最初の重要な関門を楽々とクリアしてしまうユーティリティです。

■試打クラブスペック

『PARADYM ユーティリティ』

ヘッド素材　：17-4ステンレススチール+タングステン・スピードカートリッジ
フェース素材：カーペンター455スチール／FLASHフェース
ヘッド体積　：123cc
ロフト　　　：21.0度（ほかに、18.0度、24.0度、27.0度）
ライ角　　　：58.0度
シャフト　　：VENTUS TR 5 for Callaway（S）
長さ　　　　：40.0インチ

『PARADYM X ユーティリティ』

ヘッド素材　：17-4ステンレススチール+タングステン・スピードカートリッジ
フェース素材：カーペンター455スチール／FLASHフェース
ヘッド体積　：127cc
ロフト　　　：21.0度（ほかに、18.0度、24.0度、27.0度、30度）
ライ角　　　：58.0度
シャフト　　：VENTUS TR 5 for Callaway（S）
長さ　　　　：40.0インチ

『PARADYM MAX FAST ユーティリティ』

ヘッド素材　：17-4ステンレススチール+タングステン・スピードカートリッジ
フェース素材：カーペンター455スチール／FLASHフェース
ヘッド体積　：119cc
ロフト　　　：21.0度（ほかに、18.0度、24.0度、27.0度、30.0度、33.0度）
ライ角　　　：60.0度
シャフト　　：SPEEDER NX 40 for Callaway（S）
長さ　　　　：40.0インチ

【著者紹介】篠原嗣典