「パフォーマンスを存分に生かせる」ツアープロも認めた『ゼロ・スパイク バイター ツアー』の“グリップ力”
タイヤのテクノロジーを応用することで、スパイクレスシューズながらソフトスパイクシューズに匹敵するグリップ力を実現したブリヂストンの『ゼロ・スパイク バイター』シリーズからツアーモデルが4年ぶりにリニューアル。アウトソールの設計を見直し、スイング中に足元が安定するだけでなく、“芝に刺さるチカラ”がプラスされた高性能シューズの秘密に迫った。 撮影、構成/田辺直喜 写真提供/ブリヂストンスポーツ
配信日時:2024年9月19日 09時00分
大きな進化を遂げたスパイクレスシューズのツアーモデル
ブリヂストンスポーツは、タイヤ開発で培ったテクノロジーを応用することでスパイクレスシューズながら高いグリップ力を実現した『ゼロ・スパイク バイター』シリーズの最新モデルとして『ゼロ・スパイク バイター ツアー(SH2401)』を発表。9月19日(木)から発売していく。
スパイクレスシューズのツアーモデルが発売されるのは2020年以来で、4年ぶりのリニューアルとなる。ブリヂストンのスパイクレスシューズと言えば、ソフトスパイクシューズに匹敵する高いグリップ力が最大の特長だが、4年の開発期間を経て、どのような進化を遂げたのか。すでに新しい『ゼロ・スパイク バイター ツアー』をテストしたブリヂストン契約プロの堀川未来夢と木下稜介は、アウトソール(靴底)のグリップ力とシューズのホールド感に大きな進化を感じたと語る。
「これまでブリヂストンのスパイクレスシューズを着用してきましたが、グリップ力の安定感があり、滑るということは全くありません。新モデルはスイング中に踏み付けて、1番体重を支える部分である母指球に硬い素材が使われています。グリップ力がしっかりしていて、スイングのパフォーマンスを100%引き出してくれるような設計になっていると感じました。それでいて、ホールド感が増して、シューズと足が一体化するイメージがあり、素足で歩くような感覚があります。ゴルフでは地面の傾斜を感じることも大事なので、この履き心地はいいですね。このシューズを履いてゴルフをするほどに、シューズ性能の高さが感じられるはずです」(堀川)
「前作よりも地面に食い付きやすく、より滑りにくくなったように感じます。トーナメントでは洋芝や高麗芝など、さまざまな芝の上でプレーしますが、芝質に関係なく安定したグリップ力を発揮してくれます。特に今回は母指球のところがしっかりしていて、スイング中、思い切って踏み込める感覚がありました。あとは甲の部分がラップ構造になっていることで足との一体感が増していて、ラウンドで18ホールを歩いても、足が疲れにくくなっていると思います」(木下)
1年を通じて、過酷なコンディションのトーナメントを戦うプロにとって、着用するシューズの性能はとても重要なものだ。さまざまな芝、傾斜でも安定して歩くことができて、スイング中は地面に食い付くようなグリップ力の高さが求められる。新しい『ゼロ・スパイクバイターツアー』は、そういったツアープロの要望に高い次元で応えてくれる高性能なシューズに仕上がっていることは間違いなさそうだ。
ツアープロの要望として“芝に刺さるアウトソール”が必要だった
ツアープロが惚れ込む『ゼロ・スパイク バイター ツアー』はどんなプロセスを経て開発され、そして現在の形に仕上がったのか。ゴルフシューズの開発に長年携わってきたブリヂストンスポーツの渡邉修弘氏に話を聞いた。
「前作もツアープロから高く評価されたシューズでしたので、新製品を開発するに当たって、どんな性能が必要か徹底的にヒアリングを行いました。その中で多く聞かれた意見が、“母指球の部分でもう少し刺さる感覚が欲しい”というものでした。これまではラバー素材の特性を生かし、突起の“面”で支えるような構造を取ることで高いグリップ力を実現していましたが、ツアープロの言う刺さる感覚が薄かったことも事実でした。そこで最新モデルでは、これまでのラバーを使用したグリップ力と履き心地を損なわずに、いかに”芝に刺さる”構造にできるかが大きなテーマとなりました」
安定した歩行を支え、傾斜地など、悪いライでスイングしても滑らないグリップ力の高さは、前作の段階でもすでに高いレベルで完成されていた。そこからスパイクレスシューズの性能をさらに先へと進めるために必要なのは、グリップ力を維持しながら、ゴルファーの感性に応える“芝に刺さる”構造をプラスすることだったのだ。
「新アウトソールを開発するに当たって、改めてスイング中、どのタイミングで、どの位置に、どんな方向で負荷がかかるのか徹底的に調べました。そこで分かったのは、トップからインパクトにかけて母指球に強い圧がかかること、そしてかかと部分にも後方にズレないようにするためのグリップ力が必要なことでした。これにより、新しいツアーモデルシューズに搭載すべきアウトソールの輪郭が浮かび上がってきたのです」(渡邉氏)
ラバーとTPUを組み合わせた新開発「ハイブリッドアウトソール」
スイング中における足圧の研究を経て、ブリヂストンが新しいアウトソールの開発に出した答えは、従来のラバーに硬度の高いTPU素材を組み合わせることだった。
「ラバーは比較的軟らかい素材ですので、それだけで刺さる感覚を生み出すのは難しい。そこで硬度の高いTPU素材を組み合わせた“ハイブリッドアウトソール”に設計することで、ツアープロが求めるアウトソールになると考えました」(渡邉氏)
実際、新しい『ゼロ・スパイク バイター ツアー』のアウトソールを見ると、部分ごとに硬さの異なる突起が設けられていることが分かる。スイング中、地面に刺さる母指球の部分にある突起を触ると他の部分よりも明らかに硬くなっていた。これこそ、新シューズ開発のキモとなるTPUを使った刺さる部分なのだ。
アウトソールに必要な性能が明らかになり、ラバーとTPUを組み合わせるコンセプトも決まったが、現在の完成形に辿り着くまでには長い試行錯誤の日々があったと言う。
「どんな突起があれば求めるグリップ力が得られるか仮説を立て、それを試作品に起こし、テストを行って課題が見つかれば改良するといった具合に、アウトソールの設計図を何度も修正しました。TPUの突起をどんな形にし、どれほどの面積を露出させるか、それに合わせてラバー部分の設計をどう変えるかなど、課題は山積みでしたから、開発には長い年月を要しました。最終的にラバーで足裏全体を支えるような構造を取りながら、刺さりが必要な母指球部分にTPUを採用しました。歩行時の歩きやすさと、スイング時のグリップ性能を両立させるベストなバランスでした」(渡邉氏)
アウトソールの完成図が見えたところで、ツアープロに対するヒアリングも行うと、“グリップ力は前作と同じくハイレベル”、“いざというときに刺せる感覚が出た”と評価された。ついに“芝への刺さり”と“グリップ力”の両立に成功したのだ。
ラップ構造の採用で1段上のホールド感も実現
新しい『ゼロ・スパイク バイター ツアー』ではアウトソールだけでなく、アッパー(甲)の作りも一新されている。そこにはデザイン性だけではなく、足との一体感、ホールド感を高めるための工夫があると渡邉氏。
「より快適な履き心地を求めて、アッパーの作りを見直しました。前作よりもシューズ内の作りをワイドにし、ラップ構造で甲の部分を包み込むようにフィットさせ、足首周りやかかとをしっかりホールドします。着用後も快適な履き心地が続きます。防水仕様にもなっていますので、快適にラウンドが楽しめるはずです」
芝への刺さり”と”グリップ力”の両立という今までになかった発想によって、大きな進化を遂げた『ゼロ・スパイク バイター ツアー』。スイングのサポート、快適な歩行、ラウンドの疲労軽減など、ツアーモデルと呼ぶに相応しい高機能なシューズに仕上がっている。スコアにこだわるゴルファーにはぜひ一度試してほしい。明らかな進化を体感できるはずだ。
この新シューズについてもっと詳しく知りたい人はこちら↓
https://jp.golf.bridgestone/bs-products/others/bsg/shoes/biter_tour