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    “アベレージゴルファーに薦めたいアイアン5機種”を試打検証

    最新クラブや注目クラブを「試打の鉄人」が徹底チェック。トーナメント中継などで使われる「トラックマンシステム」を使い、リアルタイムに弾道を追跡・表示するなど、クラブの真の性能に迫ります。

    所属 ゴルフライター
    田辺直喜 / Naoki Tanabe

    配信日時:2023年11月20日 09時00分

    • ギア
    目次 / index
    • 市原建彦が弾道データをもとに“自分に合うか?”という目線で試打検証
    • 高弾道でやさしく飛ばせる性能を追求したモデル|ステルス HD アイアン
    • ユーティリティのような見た目で構えた時の安心感は抜群|ステルス HD アイアン
    • リーディングエッジに丸みをつけることで厚めのソールでもスムーズに抜けてくれる|ステルス HD アイアン
    • 市原が打った3球は、いずれも同じ高弾道ドローでキャリーが190ヤード以上(ステルス HD アイアン 試打データ)
    • 高いボールで安定して飛ばせる性能の高さと心地良い打感を両立|G430アイアン
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    市原建彦が弾道データをもとに“自分に合うか?”という目線で試打検証

    市原建彦が弾道データをもとに“自分に合うか?”という目線で試打検証

    今回は、アベレージゴルファーに薦めたいアイアン5機種を市原建彦が試打。

    ・テーラーメイド『ステルス HD アイアン』
    ・ピン『G430アイアン』
    ・キャロウェイ『BIG BERTHA アイアン』
    ・ミズノ『JPX 923 HOT METAL アイアン』
    ・プロギア『PRGR 05 アイアン』

    を、計測データをもとにそれぞれ検証していく。
     
    試打の鉄人 プロフィール|市原建彦
    いちはら たつひこ|1978 年生まれ、神奈川県出身。ツアー通算1 勝。アマチュア時代の96 年に「世界ジュニア」を制覇。プロ転向後は、06 年「アサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルオープン」で優勝を果たしている。187cm の長身から放つ豪快なショットが持ち味。自身でトラックマンを保有し、ギアへの造詣も深い。

    #1 テーラーメイド『ステルス HD アイアン』の特徴は?

    高弾道でやさしく飛ばせる性能を追求したモデル|ステルス HD アイアン
    ユーティリティのような見た目で構えた時の安心感は抜群|ステルス HD アイアン
    リーディングエッジに丸みをつけることで厚めのソールでもスムーズに抜けてくれる|ステルス HD アイアン
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    高弾道でやさしく飛ばせる性能を追求したモデル|ステルス HD アイアン

    『ステルス HD アイアン』は、テーラーメイドの『ステルス』シリーズの追加モデルとして2023年に発売されたアイアンで、単に飛距離に特化させるのではなく、高弾道かつスピンがしっかり入った“グリーンに止まる球”を打てることが特徴となっている。
     
    まず、ヘッドに軽量なポリマー素材を採用することで、空洞の大きい中空構造をとることに成功。アイアンにしてはかなり重心が深く・低くなるため、安定して高く打ち出せる設計に仕上げた。
     
    ヘッドを後方に広げた分、ソール幅もかなり広くなり、ダフリなどのミスへの寛容性もアップ。また、リーディングエッジに丸みをつけることで、幅広ソールでも抜けが良くなり、ラフなどの悪いライからでも、正確に狙った位置へボールを運ぶことができる。
     
    アベレージゴルファー向けにとことんやさしさを追求した『ステルス HD アイアン』。ツアー屈指のショットメーカーとして定評のあった市原建彦はどう感じたのか…?

    試打レビュー|「飛距離・高さ・スピン量、どれを取っても文句の付けようがない」

    試打ではテーラーメイド『ステルスHD アイアン』の7番(ロフト30度)を使用。シャフトは純正採用されている『KBS MAX MT80 JP』のSフレックスが装着され、シャフト長は37.25インチとなっている。
     
    『ステルスHD アイアン』の見た目をチェックした市原の第一印象は、「完全にユーティリティですね。ソールの厚さがあり、ヘッド後方もボコッとふくれていて、見るからに球が上がりそうです。ロフトは少しストロングで、シャフトも少しだけ長め。どんな球が打てるのか楽しみです」

    早速、『ステルス HD アイアン』を打った市原は、その強烈な球の上がり方に驚きの声を上げた。
     
    「すごい上がり方をしていますし、ボールもつかまりますね。飛距離もキャリーで192ヤード。飛んだなという手応えはありましたけど、そこまでいくとは…すごいですね。シャフトが長い分、ヘッドスピードがいつもより出ていますし、自分のアイアンに比べて、キャリーが20ヤードほど伸びています。この飛距離にはビックリです」
     
    続けて2球を打った市原だが、いずれもほぼ同じ軌跡を描く高弾道ドローで、190ヤード以上のキャリーが出ていた。

    市原が打った3球は、いずれも同じ高弾道ドローでキャリーが190ヤード以上(ステルス HD アイアン 試打データ)

    市原が打った3球は、いずれも同じ高弾道ドローでキャリーが190ヤード以上(ステルス HD アイアン 試打データ)

    「こういった弾き系の打感のアイアンはスピンが減る傾向にありますけど、『ステルス HD アイアンは7番で6000回転以上と、しっかりスピンが入ってくれます。高さも出るのでグリーンに止まってくれますから、すごい武器になりそう。これだけ飛距離性能とスピン性能の両方持ち合わせたアイアンはいままで打ったことがありませんでした」
     
    興味深かったのは、市原が『ステルス HD アイアン』を上級者でも使えると評価したことだ。
     
    「シャフトを替えることで、初級者から上級者まで武器にできるアイアンですね。スピンが入るので、操作性が上がって、ボールを曲げることもできると思うからです。そういった意味で、高さを出したい、飛距離を出したい上級者にも使いやすいアイアンだと言えますね」

    ▼ステルス HD 試打映像|弾道計測データ&市原建彦の評価は…?▼

    #2 PING『G430 アイアン』の特徴は?

    高いボールで安定して飛ばせる性能の高さと心地良い打感を両立|G430アイアン
    ほどよくオフセットが入った安心感のある顔に仕上がっている|G430アイアン
    フェースを薄く仕上げることでロフト29度(=7I)でも圧倒的なボール初速を実現|G430アイアン
    バックフェースには、7つのゾーンに分かれた新設計の衝撃吸収バッジを搭載して、打感が劇的に向上した|G430アイアン
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    高いボールで安定して飛ばせる性能の高さと心地良い打感を両立|G430アイアン

    快音・激飛びのキャッチフレーズで高い人気を誇るPING「G430」シリーズにラインナップされている『G430アイアン』。シリーズに共通する高い飛距離性能・寛容性を備えていることはもちろん、キャビティを超えた心地良い打感も追求したモデルとなっている。
     
    一番の特徴はバックフェースに埋め込まれた「ピュアフレックス」。7つのゾーンに分かれた新構造の衝撃吸収バッジになっており、インパクトの衝撃を抑えてソフトな打感と心地良い快音を生んでくれるという。フェースを薄く設計し、反発性能を高めると、打感は硬くなりがちだが、この新構造のバッジを用いることで、飛距離性能とフィーリングの両立に成功したのだ。
     
    さらにトゥ側にウェイトを搭載することで、PINGのドライバーのような高慣性モーメント化にも成功。ミスヒットでもヘッドがブレにくく、狙った距離を飛ばしやすいアイアンに仕上がっている。
     
    ヘッド構造のあらゆる面で寛容性を高め、フィーリングの良さまで備えているという『G430 アイアン』だが、厳しいセッティングのツアーを戦ってきた市原建彦の目にはどう写るのか。

    試打レビュー|「しっかりグリーンに止まる球が打てて、左のミスも出にくい」

    今回のテストでは『G430 アイアン』7番(ロフト29度)に、日本シャフトの『N.S.PRO950GHneo(S)』が装着されたクラブを使用。最初にクラブの見た目をチェックした市原は、「PINGさんが出しているアスリートモデルのアイアンに比べると一回り大きいヘッドサイズで、ネックも少しグースが付いています。バックフェースのバッジが特徴的で、打感にこだわっていることが見てとれますね」と話した。

    3球ともストレートから軽いフェードで飛距離も安定して180ヤード以上、出ていた『G430アイアン』。飛距離性能、方向安定性共に高いレベルだった(G430アイアン 試打データ)

    3球ともストレートから軽いフェードで飛距離も安定して180ヤード以上、出ていた『G430アイアン』。飛距離性能、方向安定性共に高いレベルだった(G430アイアン 試打データ)

    市原が『G430 アイアン』で打った1球目は、ほとんどねじれのないストレートボールで188ヤードを記録。
     
    「打感にこだわっているだけあって、すごく柔らかく感じます。インパクトした時にヘッドのブレが全然なくて、ボールが真っすぐ飛び出してくれます。球がねじれなさそうだし、直進性の高さはかなり高いです」
     
    続けて、2球目、3球目とテストを重ねる市原。
     
    「3球目はフェースの少し上目に当たりましたが、距離が落ちていませんでした。ミスの許容も高いですね。細かく数字を見るとスピン量が変わっていますが、最終的な飛距離が同じなのはコースで心強い武器になりますよ。これだけ顔や打感がいいと、しっかり弾道イメージが出せますし、ミスにも強いのは嬉しいですね」
     
    さらに『G430』の9番アイアンもテストした市原は、弾道傾向についても言及する。
     
    「少しグースが入ったヘッドなのに、インパクトでフェースが被る感じがないのが面白いですね。7番でも、9番でもヘッドがターンする感覚があまりありませんでした。重心距離が長いので、真っすぐボールを押し込むような感覚でインパクトできました。左へのミスを出したくない人や球が上がらない人、アイアンでも飛距離を出したい人にはすごくおすすめなアイアンですよ」

    ▼G430 試打映像|弾道計測データ&市原建彦の評価は…?▼

    #3 キャロウェイ『BIG BERTHA アイアン』の特徴は?

    高級感のあるブラックPVD仕上げのボディが印象的|BIG BERTHA アイアン
    しっかりオフセットをつけた「グースネック」にすることで構えたときにボールをつかまえられそう安心感がある|BIG BERTHA アイアン
    フェースには強度の高い「450ステンレススチール」を採用。極薄に仕上げることで強烈なフェース反発を実現している|BIG BERTHA アイアン
    ヘッド下部の「タングステン」からも分かるように、重量配分を見直すことで、性能を最大限高めたことが特徴|BIG BERTHA アイアン
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    高級感のあるブラックPVD仕上げのボディが印象的|BIG BERTHA アイアン

    「BIG BERTHA」はキャロウェイを代表するブランドのひとつで、長年に渡って新モデルがリリースされている。その名前の由来は、ドイツ軍が開発した“長距離砲”を指しており、テクノロジーを駆使して、「遠くへ、正確に打つことができる」クラブを目指して開発が進められてきたブランドだ。
     
    その最新モデル『BIG BERTHA アイアン』は、スライサーに特化した設計が取られている。キャロウェイらしい、ほどよいサイズでグースの効いたヘッドはボールをつかまえやすく、構えたときに安心感がある。さらにヘッド内部は、比重の重い「タングステン」をふんだんに用いることで重心位置を最適化。ヘッド下部に11グラム、トゥ側に43グラムの「タングステン」を搭載することで、高い打ち出しやミスヒットへの強さを実現している。
     
    また、フェースには強度の高い450ステンレススチールを採用。薄くたわむフェースに仕上げることでボール初速を高めつつ、裏側には衝撃を吸収する「ウレタン・マイクロスフィア」を搭載して、心地よい打感も同時に実現。ボールをつかまえながら、しっかり飛距離を稼げるアイアンに仕上がっている。
     
    まさに、スライスに悩むアマチュアゴルファーに特化した性能を持つ『BIG BERTHA アイアン』。シャープなツアーモデルを長年愛用してきた市原の目に、その性能はどう映るのか?

    試打レビュー|「インパクトの“重み”がすごく、強いドローが打ちやすい」

    今回のテストでは、『BIG BERTHA アイアン』の7番(ロフト27度)に、日本シャフトの『N .S.PRO950GHneo(S)』が装着されたクラブを使用。最初にクラブの見た目をチェックした市原は、「結構グースが入っているので、かなりボールをつかまえやすそうな印象です。あとはブラックの仕上げがカッコいいですね。バックフェースに“タングステン”と刻印があることから、低重心化によってボールが上がりやすいのではないかと想像します」と話した。

    3球ともドロー系の球筋で、7番にも関わらず200ヤード前後の飛距離をマーク。市原は、「自分のアイアンなら4番の距離です」と驚いた様子だった(BIG BERTHAアイアン 試打データ)

    3球ともドロー系の球筋で、7番にも関わらず200ヤード前後の飛距離をマーク。市原は、「自分のアイアンなら4番の距離です」と驚いた様子だった(BIG BERTHAアイアン 試打データ)

    市原が『BIG BERTHA アイアン』で打った1球目は、やや大きめのフックボールでトータル距離は202ヤードをマークした。
     
    「すごい弾き感があります。そして、ボールがものすごくつかまりますし、インパクトの瞬間に“飛びそう”と感じました。あとはタングステンの影響か、ヘッドにいい意味で重さを感じます。スイング中、ヘッドの重さにつられるようにスイングスピードが速くなってくれる印象がありました」
     
    さらに2球のテストを終えた市原は、『BIG BERTHA アイアン』特有のインパクトの重さについても言及した。
     
    「フェースの押し込み感と弾き感がすごいです。ヘッドとボールが衝突しているような印象で、ものすごくぶ厚い当たりが出てくれます。このインパクトの重みは強烈です。一方で面白いのは、スピン量が5000回転前後としっかり入っていることです。押し込んでからボールが飛び出す分、上がり過ぎることもありませんし、しっかり飛距離を出せるアイアンではないでしょうか」
     
    では、『BIG BERTHA アイアン』はどんなゴルファーに合うのだろう?
     
    「スライスさせないというコンセプトは、しっかり実現されています。グースが入っている分、インパクトの瞬間のフェースの返りもありますし、すごくドローが打ちやすいクラブです。試しにわざと大きなスライスをかけて打ってみましたが、曲がりの小さいフェードボールで収まってくれました。飛距離も出ますし、スライスに悩んでいる人にはおすすめですね」

    ▼BIG BERTHA 試打映像|弾道計測データ&市原建彦の評価は…?▼

    #4 ミズノ『JPX 923 HOTMETAL アイアン』の特徴は?

    ミズノがグローバルブランドとして展開している『JPX923』シリーズ。さまざまなゴルファーに対応するため、アイアンは5機種がラインナップされているが、その中で『JPX923 HOTMETALアイアン』は、飛距離性能と寛容性を高めたアベレージゴルファー向けのモデルとして人気を博している。
     
    まず特徴となるのは、フェースに「ニッケルクロムモリブデン鋼」を採用したことで、前作よりも約8%薄い、JPXアイアン史上もっとも極薄な「新コアテックフェース」によって高い初速性能を獲得している。さらに、バックフェースで周辺重量配分をすることで寛容性をさらに高め、サウンドリブやトゥ側の剛性を高める「Vシャーシキャビティ」といった構造にすることでフィーリング性能も心地良いものになっている。
     
    ヘッド単体の性能が高いだけでなく、番手別設計がとられていることもポイントだ。ロフトが立って球が上がりにくいロング番手は深・低重心にすることで打ち出し確保の高さを確保。そこから番手が下がるにつれて、重心を高くフローさせることで、ショート番手では球の上がり過ぎを防いでいる。各番手で狙った距離を飛ばせるように仕上げられた実戦的アイアンなのだ。
     
    アイアンの定番メーカー・ミズノが作り上げたアベレージゴルファー向けモデルを、市原はどう評価するのか…?

    飛距離性能と心地良い打感を両立させている|JPX923 HOTMETAL アイアン
    ネックにはグースをつけ、トップラインに厚みを持たせることで安心感のある見た目に仕上げられている|JPX923 HOTMETAL アイアン
    フェースには強度の高い「ニッケルクロムモリブデン鋼」を採用。圧倒的な反発性能を持たせつつ、周辺重量配分を工夫することで心地良いフィーリングも得られる|JPX923 HOTMETAL アイアン
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    飛距離性能と心地良い打感を両立させている|JPX923 HOTMETAL アイアン

    試打レビュー|「“今よりちょっと飛ばしたい、でも操作性も欲しい”というゴルファーにおすすめ」

    今回はミズノ『JPX923 HOT METALアイアン』に日本シャフト『N.S.PRO950GHneo』のSフレックスが装着された7番を使用。最初にヘッドの見た目をチェックした市原は、「トップブレードの厚さをすごく感じて、厚く当たってくれそうな印象があります。ネックも程よくグースが入っていて、つかまりやすそうです。これならスライスはしなそうですね」と話した。

    振る強さや打点を変えて試打した市原のデータ。7番で安定して190ヤード以上の距離をマークした(JPX923 HOT METALアイアン 試打データ)

    振る強さや打点を変えて試打した市原のデータ。7番で安定して190ヤード以上の距離をマークした(JPX923 HOT METALアイアン 試打データ)

    市原の1球目は程よい高さのドローボールで191ヤードを記録。
     
    「いい弾道の高さですね。高過ぎず、低過ぎず、絶妙な高さです。それでいて191ヤード飛んでいました。そこまで振らず、ラインを出しただけでこれだけの飛距離が出るのは驚きです。次はバン!と振っていこうと思います」
     
    続く2球目はヘッドスピードが少し落ちたにも関わらず、201ヤードという飛距離を叩き出した。
     
    「振ることで高さが出たにも関わらず、飛距離は200ヤードを超えました。しっかり弾道が伸びてくれますし、打っていてミズノさん特有の心地良いフィーリングも感じられました」
     
     
    そして最後の3球目。やや下めに当たったようだが、飛距離はほとんど変わらず194ヤードだった。
     
    「打点が下めになっても球も持ち上げてくれるやさしさがあるのは嬉しいですね。飛距離性能だけでなく、ミスの許容もかなり強いようです。高さを出そうと思えば出るし、下めでもしっかり高さが出てキャリーが出てくれました。ミスへの強さがありつつ、操作性も備わったアイアンですね」
     
    では、『JPX923 HOTMETALアイアン』はどんなゴルファーに合うのだろう?
     
    「見た目の安心感もあるので、初級者の人でも十分使えるでしょう。それでいて適度な操作性があるので、上級者が使っても弾道を抑えたり、高さを出したりといった使い方が可能です。今のアイアンからちょっと飛ばしたい、でも操作性も欲しいというゴルファーにおすすめですね」

    ▼JPX923 HOTMETAL 試打映像|弾道計測データ市原建彦の評価は…?▼

    #5 プロギア『PRGR 05 アイアン』の特徴は?

    「3レングス」という独自のコンセプトでやさしさを追求|PRGR 05 アイアン
    寛容性を高めつつも、ヘッドはシャープな顔に仕上げられている|PRGR 05 アイアン
    フェース素材には「ニッケルクロムモリブデン鋼」を採用。強い弾きと心地良い打感を両立している|PRGR 05 アイアン
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    「3レングス」という独自のコンセプトでやさしさを追求|PRGR 05 アイアン

    「3レングス」という独自のコンセプトを追求して開発されているアベレージ向けモデルがプロギア『PRGR 05 アイアン』だ。通常、番手ごとにシャフト長は0.5インチずつ変わるが、『PRGR 05 アイアン』は6番から8番が37.5インチ、9番からAWが36.5インチ、52度と57度のウェッジが35.5インチと3つの長さだけでセットが構成されている。長さ(レングス)を3つに限定することでアドレスした時のボールとの距離感が変わりにくくなって振りやすさが向上。さらに、ヘッドやシャフトの性能を調整することで、番手ごとの正確な距離の打ち分けも可能となっている。
     
    2代目となる今作ではヘッドの低重心化を徹底的に追求。よりボールを拾いやすくしながら、高いボールで飛ばせるヘッドに進化した。さらにヘッドには弾きの良い「ニッケルクロムモリブデン鋼」を採用し、高い初速性能と爽快なフィーリングを両立。アイアンらしいシャープな顔にもこだわっており、ヘッド単体を見ても、ハイレベルなモデルに仕上がっている。
     
    他メーカーにはない「3レングス」というコンセプトの『PRGR 05 アイアン』は、レギュラーツアーを戦ってきた市原建彦の目にどう映るのか?

    試打レビュー|「振りやすく、距離も打ち分けられる“3レングス”は流行るかも」

    今回はプロギア『PRGR 05 アイアン』の7番(29度)からテスト。シャフトは独自設計のカーボン『MCI FOR PRGR』のSフレックスが装着されている。
     
    まず顔をチェックした市原は、「アベレージ向けモデルと言いながら、ストレートネックでかなりシャープな顔をしています。バックフェースを見ると低重心化されていることが分かりますね。また、ポケットキャビティにもなっていることも弾道に影響しそうです」とコメント。

    程よくつかまったボールで、安定したキャリーを叩き出した(PRGR 05 アイアン 試打データ)

    程よくつかまったボールで、安定したキャリーを叩き出した(PRGR 05 アイアン 試打データ)

    市原の打った1球目は高いドローボールでキャリー186ヤードを記録した。
     
    「球がすごく高いですね。カーボンシャフト特有の弾道ですが、しっかり距離が出ていることも注目です。つかまり過ぎず、逃げもせず、真っすぐ飛ぶ直進性の高さが備わっており、球を操作するというよりは安定して真っすぐ飛ばせるヘッドになっています」
     
    続く2球目も程よいつかまりのドローで186ヤード、3球目は少しスピンが増えたが、それでもキャリー180ヤードをマークしていた。
     
    「フェースは程よい柔らかさで、程よい弾きも備わっていますね。低重心化によって本当に球が上がりやすいし、イメージが出てくれます。カーボンシャフトは少しトップめに当たりやすい傾向があるので、アイアンでダフるミスが多い人におすすめです。スタンダードなネックのヘッドに、低重心化による上がりやすさ、カーボンの振りやすさと高い総合力があるので、初級者から上級者まで使いこなせるモデルだと言えるでしょう」
     
    続けて、7番と同じ37.5インチ設定の6番(25度)をテスト。高くつかまったボールで198ヤードをマークした市原は驚きの表情を見せた。
     
    「構えた時にボールとの距離が変わらなくていいですね。7番から6番に持ち替えても、すんなり振れます。同じ長さで番手が上がれば、球が上がりづらくなるはずですが、全くそんな感じはありません。同じ長さで振りやすくて、距離が打ち分けられるなら“3レングス”はアリですね」

    ▼ PRGR 05 試打映像|弾道計測データ市原建彦の評価は…?▼

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