最新ボール23機種の計測で判明した“7,500回転”の分岐点 アプローチのスピン量でミスの許容度は変わる!
最新ボール23機種のスピン量と打ち出し角を計測すると、面白いデータが判明した。
配信日時:2024年3月23日 11時00分
アプローチのスピン性能でボールを選ぶならウレタンカバーのスピン系一択だが、その中でも操作性やミスに対する許容度に違いがある。「より操作性の高さを求めるならスピン量が多くて打ち出しが低いボールがオススメです」とギアに精通するプロゴルファー、海老原秀聡は語る。
『GC4』を用いて各ボールでキャリー50ヤード(±3ヤード)のナイスショット5球の弾道を計測、平均するとスピン系とディスタンス系では打ち出し角で約5度、スピン量で約2,500回転/分(rpm)の差が出た。グリーン周りのコントロール性能を求める人はスピン系を選ぶのが正解だが、その中でも性能が分かれる。
「例えば、スピン量が7,500rpm以上あって打ち出しが低めのものは、イメージ通りにスピンや球の高さを打ち分けられる半面、わずかな打点のズレがスピンのバラつきにつながるので、スイングの精度が必要になります。これに対し、スピン量が7,500rpm以下で打ち出し角が高めのものは、多少打点がズレてもスピン量の差が出にくく、アプローチスピンはかけたいけど、ある程度の寛容性も欲しいという人に合います」
そして、ミスに対する許容度を優先するなら断然ディスタンス系。球離れが早いぶん、スピンはかかりにくいが、打点がズレてもスピン量が変わらないのでキャリーやランの距離が一定になりやすい。ピッチ&ランやコロがしに徹すれば、安定して寄せることができる。
「状況に応じてスピンや球の高さを打ち分けたい中・上級者はウレタンカバーのスピン系が合いますが、同じ打ち方でオートマチックに寄せたい初・中級者はアイオノマーカバーのディスタンス系を一度使ってみるといいですよ」
飛距離だけでなくアプローチでどんな弾道を打ちたいかによっても、ボールを選ぶことが大切になる。
◇今回試打したボール◇
【スピン系】
テーラーメイド TP5
テーラーメイド TP5x
キャロウェイ クロムソフト
キャロウェイ クロムツアー
キャロウェイ クロムツアー X
ブリヂストンゴルフ TOUR B XS
ブリヂストンゴルフ TOUR B X
ダンロップ スリクソン Z-STAR
ダンロップ スリクソン Z-STAR XV
ダンロップ スリクソン Z-STAR ♦
本間ゴルフ TW-S
本間ゴルフ TW-X
ミズノ RB TOUR
ボルビック CONDOR
ボルビック CONDOR X
【ディスタンス系】
ダンロップ ゼクシオ リバウンド ドライブⅡ
ダンロップ スリクソン XmaX
ダンロップ スリクソン TRI-STAR
ブリヂストンゴルフ TOUR B JGR
キャロウェイ E・R・C ソフト
本間ゴルフ D1
ミズノ RB MAX
ボルビック VISTA3 PRISM360
試打/解説 海老原秀聡
えびはら・ひであき/2012年プロ入り。現在は「GOLF&FITNESS POINT芝浦」でインストラクターを務めている。正確なショットに定評があり、最新のスイング理論はもちろんギアにも精通している
◇ ◇ ◇
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