昨季5年ぶりの復活優勝を遂げた河本結。ギアを徹底してこだわって選ぶという彼女のクラブセッティングについて、直撃取材した。
ドライバーは新たに『ELYTE ◆◆◆TD(ツアードロー)』(9度)に『スピーダーNX バイオレット 50S』シャフトを採用。どこを気に入っているのだろうか?
「もともと『パラダイム Ai SMOKE ◆◆◆MAX』を使っていて、前作はスピン量が多くて、新作はスピン量が減ったから替えたんです。今はだいたい1900~2000回転くらいになっていますね。自分の練習での努力もありますがが、去年は230ヤードだったんですけど、今は250ヤードくらい飛びますね。今も持ち球はフェードで、初速が速くてスピンが少なくランが多い。球が強くて気に入っています」
3Wにも新モデルを採用。『ELYTE ◆◆◆』(16.5度)に『スピーダーNX ブラック 50S』を投入している。
「前作よりもつかまるけど、スピンが増えないですね。つかまったフェードが打てます。空力構造が考えられていて、球が上がってくれて、初速が速い。ドライバーの飛距離が伸びてパー5で近くに持っていってチャンスを作るのが、今年のテーマなんですが、それが可能ですね。『スピーダーNX ブラック』はシャフトが変なことがしなくて、自分で操作できるのもいいですね」
ユーティリティは16年モデルの『XR OS』、アイアンはともに21年モデルの『APEX PRO』(5・6番)、『APEX TCB』(7番以下)を投入。バックフェースに鉛をベッタリ貼っているのが特徴だ。どんな意図があるのだろうか?
「アイアンはタテ距離が合わないと替えられない。打感と初速、球の上がり感がイメージと合っていないとダメなんです。5番とか6番は難しいクラブなのでトゥとかに当たってもいいので(バックフェース下側全面に)全張りしています。7番アイアンから下の番手は芯しか使わないから、鉛の幅を広げるとフェースを大きく感じちゃうので、芯付近の狭いエリアに小さく鉛を貼っています」
ボールは『クロムツアー プロトタイプ(ドット)』を昨年から変わらず使用。女子プロで使っているのは彼女だけだ。
「とにかくスピンが利く。去年もそうですが、最近はクラブも飛ぶので、スピンが利きにくくなっています。『ドット』は30~40ヤードのアプローチでも止まる。飛ばないけど、飛ぶクラブを使って、飛ばないボールでスピンで止める。50ヤード以内だと寄らないだろうというものでも寄ります。ツアーとXの間といわれていますけど、一番打感が柔らかい感じがしますね」
青木瀬令奈と並ぶ”ギアオタク”とも呼ばれる河本。彼女が選び抜き仕上げたセッティングで2年連続優勝を目指す。
【河本結のクラブセッティング】
1W:キャロウェイ ELYTE ◆◆◆TD(9度/スピーダーNX バイオレット 50S)
3W:キャロウェイ ELYTE ◆◆◆(16.5度/スピーダーNX ブラック 50S)
3・4U:キャロウェイ XR OS(19・22度/MCH70-S)※16年モデル
5・6I:キャロウェイ APEX PRO(N.S.プロ 850GH S)※21年モデル
7I~PW:キャロウェイ APEX TCB(N.S.プロ 850GH S)※21年モデル
48・52度:キャロウェイ OPUS(N.S.プロ 950GH neo)
58度:キャロウェイ OPUS(N.S.プロ モーダス3プロト S)
PT:オデッセイ ホワイトホット OG ロッシー S
BALL:キャロウェイ クロムツアー プロトタイプ
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