PXGがボール市場に参入!『エクストリームゴルフボール』、2月24日デビュー【打ってみた】
2013年に創業したPXG(パーソンズ・エクストリーム・ゴルフ)が、10年以上をかけて開発。『PXGエクストリームゴルフボール』で、ボール市場に参入する。
配信日時:2023年2月23日 08時12分
21日、PXG JAPANが都内にて新商品発表&試打会を行った。発表されたのは、同社初のゴルフボール。ウレタンカバー3ピースのツアーボール『エクストリームゴルフボール』で、1ダース5940円で販売されるとのこと。同社社長によれば「創業者でCEOのボブ・パーソンズは、まず開発者に2年以上もの期間ボール開発に従事させました。これまでクラブの印象が強かったと思いますが、実は創業当時からボールの研究開発を続けてきたのです」とのこと。
■創業当初から、ボール開発に本気だった
「10年もの歳月をかけて研究開発を重ねてきた集大成で、創業者のボブが『PXGは何よりもまず研究開発会社』と言う通り、PXGが手がける製品は全て『今ある製品よりも良いものを作ることができるか?』という問いから始まります。弊社は最高品質の自信作『PXG エクストリーム ゴルフボール』でゴルフボール市場に参入します。
構造は、初速を上げるために最適化されたC.O.R.ポリブタジエンコアと、ティショットのスピードと飛距離アップを実現できるよう設計された硬いアイオノマーのマントル層、そしてアプローチショットなどグリーン周りにおけるショートゲームのスピンとコントロール性能を高めるソフトウレタンアウターカバーによる3層構造になっています」(同社)
■ショートゲームは『プロV1』ライクでソフト!
記者(HS50m/s・ローフェーダー)も、まずアプローチから打ち始めた。40ヤードを想定して打つと、初球からフェースに食いつきのいいソフトな打感と、球乗りの良さを実感。いきなり想定通り39.4ヤードをビタッと打つことができて驚いた。音も使い慣れたキャストウレタンのツアーボールに近いものに感じる。打感のフィーリングとしては『プロV1』にかなり近く、より内部に芯を感じる仕上がりだ。
上の画像はウェッジの2球目でかなりフェース上部に当たってしまったミスショットだが、バックスピン量は十分で、40ヤードを打つつもりが若干ショートしてしまった。徐々にスピードを上げるにつれて、より内部の“芯感”が強くなる印象で、打ち応えは『プロV1』より重めでややスピン多めに感じた。
ウェッジのフルショットが上記のデータで、「アプローチでこのスピン量の多さなら、58°のフルショットで11,000回転くらいは入るだろうな…」と予感した通り。やや薄い当たりだったが、かなりのハイスピンをマークしたものの、薄い当たりではかなり打感のダイレクト感が強く感じた。2層目やコアがかなりしっかりしており、この点は『プロV1x』にもない異質さを感じた。
■7Iもハイスピンでかなり止まる
次に打ったのは『0311P GEN5』アイアンの7I。2球目のデータが上の画像だが、ウェッジのフルショットで感じたのと同じ傾向で、『プロV1x』と同等かそれ以上のスピン量の多さを感じた。打感も『プロV1x』よりもしっかりでかなり重め。やはり、2層目とコアのしっかり度合いを他社品よりも強く感じる。スピードを上げるほど、音量も手応えもかなり大きくなるタイプ。
最外層のウレタンカバーが他社よりソフトで分厚いのか、0.6ミリのスリクソン『Z-STAR』や『Z-STAR ◆』よりもカバーの潰れが大きいスピン量の出方に感じ、2層目が他社よりハードな点も相まって、より摩擦力が大きく、スピード域が上がるフルショットになるほどスピン量が多くなる印象。この点は、昨今のストロングロフトのアイアン使用者には嬉しい点かもしれない。
■1Wはスピン量多めで、弾き感◎
最後に打ったのが『0311 GEN5 XF』ドライバーのロフト9°だが、シャフトフレックスが記者にはアンダースペックなため、HS48m/s以上で打つと3100~3500rpmほどスピンが入って右に振り遅れてしまった。スピードを落として真っすぐ打てた際も3,000rpmほど入ったため、1Wのスピン量はツアー球の中でもかなり多い印象で、HS45~46m/sほどに落としてインパクト圧を減らすと上記スピンに収まった。
どんな球に似ているかを例えるなら、スリクソン『Z-STAR ◆』の2層目とコアのかなりしっかり版とのイメージ。ウレタンカバーがソフトで分厚いフィールなため、2層目以上を潰さない短い距離ではソフトフィール。スピードを上げるほどにスピン量が増し、コアを潰す1Wでは初速や弾き感が強いものの、スピン量がやや多めに出るようだ。
他社のツアーボールは基本2機種体制だが、PXGは1機種で「すべてを解決する1つのボール」を目指している。何かを得ようとすれば、何かを失うボール開発においては、納得の出来る仕上がりで、1Wやフルショットでスピン量が少なめな人に特に武器になりそうだ。