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    クラブを替えてから調子が悪い……もしかして、ヘッドありきで選んだのが原因かも【フィッターに聞く】

    「あのドライバーが飛ぶ」などと聞くと買いたくなるが、お店に行ったら、シャフト選びから行うとベストフィットになるぞ。

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2024年1月30日 05時00分

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    松山英樹の場合、まずエースシャフトの『ツアーAD DI』ありき。次にスリクソン『ZX5 Mk II LS』をチョイスしている
    松山英樹の場合、まずエースシャフトの『ツアーAD DI』ありき。次にスリクソン『ZX5 Mk II LS』をチョイスしている (撮影:GettyImages)
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    クラブ選びで最初に目が行くのはほとんどの場合ヘッドだ。「飛ぶ」「やさしい」といった評判は、ヘッドを指していることが多いから。ところが本来、自分に合うクラブを探すために、先に決めておきたいのはシャフト。自分がタイミング良く振れたり、フェースの芯に当たりやすいシャフトを見つけることがスタートなのだ。ツアープロも担当するカリスマフィッター、吉田智さんに詳しく聞いた。



    「あのドライバーが飛ぶ」などと聞くと買いたくなりますが、お店に行ったら、シャフト選びから行うとベストフィットになります。そのシャフトを基準にして、球のつかまり具合や弾道の高さ、スピン量などが適していたり、見た目や打感が好みのヘッドを選んでいく。そうすると気持ち良く振れてヘッドスピードが上がったり、ミートしやすくて、理想的な弾道が打てるクラブになるのです。試打する場合は3球打ってタイミングが合って気持ち良く振れ、打点が揃うものを選びましょう。タイミングを“合わせて”打つようでは、ヘッドか高機能だったり特性がマッチしたりしても、生かされません。

    それが証拠に、多くのプロは新しいヘッドにスイッチをしても、気に入ったシャフトはなかなか替えません。その代表的なプレーヤーが松山英樹プロで、ドライバーのシャフトは『ツアー AD DI』が不動のエース。そしてアイアンも、シャフトはずっと『ダイナミックゴールド』。シャフト全体がまったりとしなり戻る共通点があります。

    シャフトをコロコロ替えると“帰る家”や“拠り所”がなくなってクラブ選びの基準が分からなくなります。

    シャフト選びではよく「先調子系はつかまりやすい&上がりやすい」「元調子系は左に行きにくい&高さを抑えやすい」と言われがちですが、実際は人によって違うので鵜呑みにはできません。

    具体的な例を挙げると、スライスが直らずに悩んでいたある人は、フィッティングをしたときに「手元が硬い先調子のシャフトを使いなさい」と、ずっと言われていたそうです。しかし、その人のスイングを見て私が元調子のシャフトを渡したら、いきなりフックが出ました。元調子のシャフトにするとトップで“間”が取れるので、アウトサイド・インだった軌道がインサイド・アウト気味に変わり、スライスはなくなりました。

    そのキックポイント(調子)をはじめ、重量帯やフレックス、剛性分布など、今どきのカスタムシャフトは種類が増えています。店頭に並ぶ“吊るし”のクラブを買うときにも大切なことがあります。
     
    “吊るし”の多くは純正シャフトが挿さっていますが、お目当てのクラブを打つときに「自分はフレックスSだ」と決めつけている人が多いのではないでしょうか。そうではなく、純正シャフトも全てのフレックスを打ち比べるべき。その上で振りやすいフレックスが分かったら、同じシリーズにラインナップする複数モデルの中から合うヘッドを見つける。そうすると“吊るし”のクラブでも、結果が出る1本が手に入るでしょう。

    ■吉田 智
    よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼され、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートしている

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