岩井明愛、2年連続「連勝」なるか⁉️ 姉妹の12勝を支える、ヨネックスの新1W調整が深い件
2年連続の「連勝」がかかる、岩井明愛のドライバーについて。
配信日時:2024年9月18日 08時05分
先週「住友生命レディス東海クラシック」で岩井明愛が連覇し、今週「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」もまたディフェンディングチャンピオンとして迎える。「2年連続の連勝」(2試合連続の連覇)がかかっているが、先週、千怜の6勝に並んで姉妹で12勝目を達成し、今年はQスクールの受験も明かす明愛。連続連覇のカギは、そのドライバーにありそうだ。
というのも、今年海外で活躍し「ティショットの重要性に気づいた」と度々話してきたから。優勝した先週も「ティショットが本当に大事だと思う。フェアウェイに置いておけば『スコアを作れる』と思っているので、今日はそれが出来たかなと」と話している。今年からヨネックスの新作『EZONE GTタイプS』ドライバーに切り替えているが、ツアー担当に詳しく話を聞くと、いよいよ手に馴染んできたと言えそうだ。
■新作1Wで勝利のペースが加速!?
約2年の周期で切り替わるヨネックスの新作だが、前作『EZONE GT450』ドライバーで昨年3勝した明愛に対し、千怜の方が先んじて前作『EZONE GT425』で計4勝(22年2勝、23年2勝)していた。今年は同じ460ccの新作『EZONE GT タイプS』の色違いをそれぞれ使用してまだ半年強にすぎないが、明愛が3勝、千怜が2勝とそのペースは前作を上回っているとか。
前作で「425cc」の小ぶりを使った千怜の方が影響を受けそうだが、開幕当初は同じ先調子のシャフト『レクシスカイザL』のまま、45.75➡45.25に半インチ短くして対応。その後、シーズン中に振りやすさを整えるため、0.25インチ長めに戻して今季ここまで「平均248.75yd/69.83%」と、FWキープ率を5%以上も引き上げに成功。トータルドライビングも現在3位だ。
■明愛は高MOI化しても出球を操作
単にヘッドが大きくなっただけでなく、同社は得意なカーボン技術を活かして「高MOI化」も図ったため、明愛の方は春先から「3度フックフェースに可変して、右に飛び出させずに出球をコントロールしてストレートドローを打っています」と、ツアー担当の大木氏は話す。引き締まった『タイプS』は、トップラインが自然に逃げた顔のため「違和感も少ないはず」。
序盤戦ではバックスイング時の違和感について語ることもあった明愛。当時「クラブは悪くない」とも話していたが、現在は大木氏の対応もあって完全に払拭できており、今季ここまで「平均255.18yd/61.00%」と昨季と遜色ないレベルまでデータを底上げしている。その秘密は「一旦、少し柔らかいモノに戻すこと」だったそう。
■力み改善のため、先端に動きを
序盤戦とは違い、同じ中調子のシャフト『レクシスカイザM』をノーカットで組み直し「先端に少し動きを出して振りやすさを整える微調整をした」と、大木氏は明かす。開幕時は前作より硬めに組んでいたが、徐々に力みが見られたため、元々の「力まずサラッと振れる本来のスイング」を取り戻す目的があったとか。
「開幕当初は良くても、連戦で疲れが溜まると徐々にフィーリングが変化することもありますよね。硬さを感じて反応するのは明愛プロらしくない。振動数で言えば約3cpmほどだと思いますが、少し先に動きを出すと、本来の明愛プロらしい力みのない滑らかなスイングが戻りました。そこから約1ヶ月ほど経ちますが、ドライバーが絶好調の状態が続いています」(大木氏)
ジュニア時代から姉妹のスイングやフィーリングをよく知り、ずっと支えてきた同社だけあって、同じクラブに見えて実は細かな振りやすさのチューニングを重ねていた。仕上がった状態のドライバーを武器に、今週、明愛の2週連続・連覇の達成はなるか。まずは、ティショットの出来に注目したい。