ウッド用カーボン、プロジェクトX『DENALI』シリーズ3機種を【打ってみた】
トゥルーテンパー『プロジェクトX』のウッド用カーボン!
配信日時:2024年8月1日 06時42分
30日、都内のインドア練習場にて、トゥルーテンパースポーツインクジャパンが、新製品試打&発表会を開催。既報の8月23日発売予定のウッド用カーボン、プロジェクトX『DENALI』シリーズを、『TOUR AD UB-6S』ユーザーの記者(HS48m/sのローフェーダー)も体感することができたので、レポートしたい。
『DENALI(ディナリ)』とは、米国アラスカ州にそびえ立つ北米最高峰の山『ディナリ』から来ており、地元先住民の言葉で「偉大なもの」「高きもの」を意味し、ラインナップの『BLUE』『RED』『BLACK』とも、雪が覆いかぶさる山を美しくデザインし、手元部からグラデーションになっている。落ち着いた色味はフジクラの初代『ベンタス』シリーズを思わせるが、どんな特徴があるのか。
■REDのみカウンターバランス!
フジクラ『ベンタス』同様、【RED=先】【BLUE=中】【BLACK=元調子】が特徴だが、『RED』のみがカウンターバランス。東京・代官山のプレミアムゴルフスタジオでフィッターを務める吉田智さんによると「赤は組み上げるとけっこうバランスを落とせますよ」とのこと。記者も60g台でS+相当の「6.0」を『Paradym Ai Smoke◆◆◆』に入れて打ち始めると、先調子らしいつかまりの良さをまず体感。
重めの『◆◆◆』でややアンダースペックの「6.0」にてしなり量が多めで遅れるかと思いきや、カウンターバランスの『RED』は打ち出し高めのドロー系に。このスペックはそこまで手元の硬さを感じず、『ベンタスTRレッド』的な扱いやすさや間口の広さを感じた。次にX相当の「6.5」を試したが、「6.0」とは全くの別物感があり、手元から中間部の剛性が上がって『◆◆◆』を軽く感じさせ、“先調子らしい”とハッキリ感じる仕上がりだった。
フィッター吉田さんとも共感したのが、「振ってみるとカウンターバランス感がそこまで強くなく、動きが素直で扱いやすい」ところ。カウンターバランスの代名詞である三菱『テンセイCKプロオレンジ』のようにインパクトゾーンで素早く走り去るような速さでなく、追従性とコントロール性もある程度感じることができた。
■BLUEは三菱&フジクラ好きがハマる!?
同じヘッドで次に『BLUE 60』の「6.0」を試したが、センター広範部が大きくしなるため、「全体しなり」に近いと感じる人も多いかもしれない。部材感や変なクセがなくてタイミングが取りやすく苦手な手元の硬さを感じないため「合う人が多そう」。しなり量が多めなこともあって復元速度も穏やかで、しならせた分だけ徐々に復元する感じで「特殊な動きをしない」のは好感触。
記者の記憶では、初代『ベンタスブルー』の6Sをノーカットで長めに組んだ時の「だるさ、遅さ」よりも復元がやや速い感じ。中間部のしなり量が多く感じる三菱『テンセイプロブルー1K』の60Sとも近いと感じるが、それより素材の繊細さや手に伝わる反応は少なめだ。ただ、『ハザーダス』シリーズのような“棒っきれ”感もなく、切り返しでしなりを感じるため、とにかく力みづらい。「6.5」は『RED』ほどのフィーリング差は感じず、特徴はそのままに剛性が上がる形でより扱いやすかった。
■“ディナリの黒”は「意外にラク」
最後に試したのは『BLACK60』の「6.0」と「6.5」。記者はプロジェクトX『ハザーダスブラック』でかつて「しならせらきれない棒っきれ」とのハードさを感じたため、かなり警戒感を持って試打したが、「6.0」は黒の割に拍子抜けするほど振りやすくて驚いた。ハッキリ「元」というより、中元寄りの広範部がしなる感じで、『BLUE 60』の「6.5」を打った直後のため、余計にやさしく感じたのかもしれない。
これは「6.5」も同様の感想で、復元も悪くなく「意外につかまえやすい」印象だった。フジクラの初代『ベンタスブルー』と初代『ベンタスブラック』の例で当てはめると、『ベンタスブラック』には棒っきれ感とハードさを感じたものだが、『ディナリ』のブラックはそこまでブルーと差がなく、初代『ベンタス』のブルーとブラックの中間くらいのちょうど良い剛性感に感じた。
先端剛性は『BLUE 60』よりやや高く感じるが、「先端ガチガチで絶対に左にいかせない」類の元調子ではないことに安堵。これまでハードな『ハザーダス』シリーズの印象が強かったが「低スピンな強い球を打ちたいけど棒っきれは好まない」という、日本人好みな点が嬉しい。31日にコースでも試したが、総じて復元が速すぎないため練習不足でも弾道操作に余裕を持てて、インパクトのロスが少なく飛ばせる点が好印象。初代『ベンタスブラック』が厳しくなってきた人は、試す価値がありそうだ。(編集部M・K)