「ゴルファー全員コレでいい!」。『ディアマナBB』は、どんなヘッドの“振り遅れ”も解決できる⁉️
三菱ケミカルの第六世代『ディアマナ』の第二弾が、ヤバい仕上がり過ぎて「打たなきゃと損」と言えそうです!
配信日時:2024年7月5日 09時34分
第六世代の第二弾は、青マナ系!
先日、桑木志帆が初優勝したが、彼女は昨年より「+8.87yd」も伸ばし、現在トータルドライビング1位。そして、初優勝する前の試合からブリヂストン『B-Limited B1 LS』をリシャフトし、三菱ケミカル『Diamana BB 53S』に変更。暑さを増す中で、さらに振れて来たのか、「右へいく量を減らしたかった」のが主な理由だそう。
3Wにも第六世代『Diamana』の第一弾である『Diamana WB』を入れた彼女だが、俄然気になるのが「青マナの系譜」である『Diamana BB』。『BB=Blue Board』の略で、初代『青マナ』こと『ディアマナS』はタイガーを代表に多くの選手が愛用した名器で、過去に使った人も多いはず。
かくいう記者も2006年作のキャロウェイ『X18』と初代『青マナ83X』が人生で最も飛んで曲がらなかったが、フェースが破損してから1Wの迷走が始まった。あの滑らかなしなりと追従性、復元の速さはスルーボアの賜物か、若さと当時のスイング故かは定かでない。が、『青マナ』好きとして居ても立っても居られず、信頼するフィッターと『BB』をチェックすることに。
吉川仁「クラブが消えるほど完璧!」
それが「4Plus Fitting Labo & Golf Salon市ヶ谷」の吉川仁プロ。常時どんなシャフトのどのスペックも試打できる試打環境や、『GEARS』『GC4』『Trackman4』を活用した精密フィッティング&レッスンも売りだが、合うシャフトを見極める“眼”に記者は最も信頼を置いている。まずは『Diamana BB』を先入観なく試してもらう。
「ボクのエースは『Diamana WB 60S』で、サブエースが『TENSEI 1K Pro Blue 60S』。そんな三菱好きだからかもしれませんが、『BB』は正直、過去最高かも。ヘッドはPRGR『RS F』で『Diamana BB 50S』から打ち始めましたけど、少しアンダースペックのはずなのに最高に気持ち良くて、切り返し以降の“遅れ”や“ヘッドの垂れ”を一切感じないです。
トウに打点を外しても、ヘッドが負けて開く感じもなく、先端剛性もかなり強そう。とにかく復元がいいというか、シャフトが変にしなり過ぎたり、しなり戻り過ぎたり、ロフトを付け過ぎたりという飛ばない動きが『50S』なのに少なくて驚きです。『60S』にしたらもっと驚きで“クラブが消えました”。何も言うことがないほど完璧ですね」(吉川プロ)
「クラブが消える」というのは、我々アマチュアがオンプレーンに振れた時とも近い表現で、元々オンプレーンなプロでも僅かにタイミングやネジレやしなり戻りの遅れを感知しているが、それを一切感じず「完璧にフィットした状態」という、シャフトに関する吉川プロの最上級の褒め言葉だ。
前作『Diamana TB』より復元が速い
さほど重くない『RS F』に装着するせいか、吉川プロの振動数予想は「60Sで【267cpm】くらいかな……。他社の中元は【ブヨン】としなり過ぎたりダルく感じるモノもあるけど、それが一切ない」。実際に測ると『50S』で261cpm、『60S』で264cpmと、吉川プロの体感より振動数が低めに出た。つまり、全体のしなり量が少なく、復元もかなり速めに感じるよう。そこで、同じ【中元調子】表記の前作『Diamana TB』と打ち比べると?
「少し長い『Diamana TB60S』という理由もありますが、明らかに『TB』の方がしなり量も間の取れる時間も多く、インパクトで待たなきゃいけなくて同じタイミングで振るとフェード系の球になりました。緩さの度合いで言うと、『TB』は冬には良いかなという感じ。今回の『BB60S』も中元調子ですが、シャキッとして復元が速く、ヘッドが垂れず・当たり負けに凄く強い点を考えても、明らかに【高MOIのMAX系ヘッドを、素速く意のままに振らせる力が強い】と思います。
試しに『RS』や『RS MAX』で打つと、ヘッドを軽く感じさせるというか、振ってないのに【速く振れちゃう】状態。これは理想で、普通なら【シャフトのどこかをハードに感じて、無意識に力んで自分で頑張ってしまう】人は多いですが、『Diamana BB』は真逆。力まずに軽く打っているのに、すごく速く振れてしまう。手元側も変に硬く感じないから力まないし、滑らかな振り味でいて中元調子なのに復元が速く、強く地面と平行にインパクトで長く球を押せます」(吉川プロ)
「全員コレでいいし、フィッティングが捗る」
フィッターとして、最上級の褒め言葉も出た。「ゴルファー全員コレでいい。合うヘッドも分かるので、フィッティングで一足飛びに次の段階に行けるから捗りますよ」。個々人に最適なシャフトを探すプロで、ここを得意にして数百本もの試打シャフトを用意する男の発言とは、到底信じられない。
「あらゆるメーカー、モデル、スペックを用意するので、打ててしまうし打ちたくなりますよね。でも、そこに時間を使うとフィッティングの枠内で、ヘッド選びやウェイト、可変調整の深い話にいく前に時間切れになり「後は任せます」ってね……。本当はもっと深い所まで話して決めたいんですよ。『Diamana BB』を打てば、ほぼシャフトが即決できるから、その先の深い所まで話せる。
今回はPRGR『RS X』シリーズ3つで試しましたが、『Diamana BB』で打てば自分に合うヘッドもすぐ分かります。そもそもシャフトが振り遅れや打点ブレによる反射行動をなくしてくれてますから。それに、カウンターバランスでもなく、振動数も高すぎないのに、重ヘッドも高MOIも【どんなヘッドでもどんと来い】状態なので。
手元も硬すぎず、クセのないニュートラルなしなりで追従性も良く、手元と先の剛性差が少ないから万人に合いやすいし、三菱は、重量帯を変えてもバット径と振り感が整うので、即ヘッド選びやスペック調整に入れます。唯一の難点は【ヘッドを軽く感じさせてしまう】ことですが、ここも【より重いヘッドが使えて初速を上げられる】メリットでもあります」(吉川プロ)
苦手な【鈍重系】がついに武器に!?
ここまで言い切るなんて「他が売れなくなっていいの?」と驚く。さすがに褒め過ぎにも感じたため「本当かよ!」と、記者も確認。すると、好きだった初代『青マナ』感がいきなり脳裏をよぎった。スルーボアでもない現代の高MOIヘッドで、あの鋭く戻って「振れてしまう、常に間に合う」点にビックリ。
もっと言うと、ここ最近の競合社の新作に微妙に感じた、ネガティブな点を一切どこにも感じなかった。記者は「中元っぽい」と感じている中調子の『TOUR AD UB』がエースで中々替えられないが、2006年モデル『X18』&初代『青マナ83X』だった頃の「人生最高」をもう一度、現代モデルでも再現できる可能性を感じた。
打点ブレには強いが振り遅れやすい【鈍重な高MOI】を、「振らなくても・意のままに扱えて・スピードアップしたい」。どうやら今回の『Diamana BB』は、ワガママ過ぎる記者が長年望んで手に入らなかったモノを、カウンターバランスではない方法でついに実現してくれたようだ。(もっと早くやってよ……(;_;)、編集部M・K)
✦取材協力/4Plus Fitting Labo & Golf Salon市ヶ谷
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