ツアー通算20勝を誇るベテラン・鈴木愛。ピンのクラブで仕上げている彼女の新セッティングについて、本人に直撃した。
ドライバーでは、新モデルの『G440 LST』(9度)に『24 ベンタス レッド 5R』シャフトを投入。どんな意図があったのだろうか?
「以前も浅重心の『G430 LST』を使っていたんですが、『G440 LST』は前作よりもちょっと弾く感じがあります。弾く感覚だと右に滑りそうですけど、しっかりスピン量も入って前に強く飛びますね」
シャフトは新たに『24 ベンタス レッド 5R』を採用。「(今までは純正シャフトを使っていたが?)ミスして左に行かないシャフトが好きでこれに替えました」。
今回驚いたのが、FWもUTもすべて長いセカンドで使うクラブを新モデルに一気にチェンジしていた点だ。3Wは『G440 LST』、5Wは『G440 MAX』に変更している。
「FWの『G440』モデルは、前作より上がりやすいですね。弾く感じはあります。けっこう前に飛んでくれるし弾道は高いけど、スピン量も適正に入って、グリーンに止めやすいんです」
5Wだけ『G440』のMAXタイプにしているのはなぜだろうか? 「基本浅重心のLSタイプが好きなのですが、5WはLSタイプだとあまり芯に当たらなかった。ヒール部分が前に出ている設計らしく、そのまま打つとヒールにしか当たらなかったんですが、MAXタイプだと芯に当たるようになりました」。
「何年かに1回しか替えません」と語るUTも、『G440』に変更しているというから驚かされる。ただ、「アイアンと同じくらい重視するクラブで一番変更に苦労した」という番手だ。
「私はアドレスの見え方がすごく大事で、いろいろ調整がすごく難しかったですね。私にとって顔はすごく大事。ロフトがやや寝ているように見える顔が好きで、立って見えると左にを向いた顔になるのが嫌なんです。顔を調整してもらったら、最初はヒールにしか当たらなかったですが、しっかり芯に当たるようになりました」
新UTに替えたことで、飛距離が全体に伸びており、ロフトを寝かす顔へのチェンジは成功したそうだ。
最後に今回もFWやUTでは、純正シャフト『ALTA CB』を採用している点を聞いてみた。純正シャフトを使用するのが鈴木の特徴ともいえる。
「特に純正シャフトがいいというわけではないですが、この純正シャフトが単純に良くて使っています」との回答。以前レップに聞いた時には、「鈴木プロが使う純正シャフトは全般的に全体がゆっくりしなり戻るタイプ。ドローヒッターである彼女が、自分のスイングで自然に球がつかまる点が、ゆったりしなる純正シャフトを使用する理由ですね」と教えてくれた。
純正でもカスタムでもなく、自分に合ったモデルこそゴルファーにとって、最上のモデルなのかもしれない。
【鈴木愛のクラブセッティング】
1W:ピン G440 LST(9度/24 ベンタス レッド 5R)
3W:ピン G440 LST(15度/ALTA CB 65R)
5W: ピン G440 MAX(19度/ALTA CB 65R)
4・5U:ピン G440(23・27度/ALTA CB 70R)
6I~PW:ピン BLUEPRINT S(N.S.PRO 950GH neo R)
50・54・58度:ピン s159(CFS R)
PT:ピン スコッツデールDS72
BALL:タイトリスト プロV1x
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