直進性が高過ぎて曲がり幅が減る!? ダブルワイド×ショートネックのニュースタンダードな『BP-02』パター
ベストスコア「67」、ホームコースのハンディキャップ「0」を誇る、貧打爆裂レポートのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、ギアについての噂の検証をします!実際にゴルフコースに持ち込んで、動画を撮影しながらラウンドしたレポートです。
配信日時:2024年10月9日 08時45分
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
ブリヂストンスポーツは『BP-2』パターを2024年9月6日に発売。アンサー型ヘッドにクランクネックの『BP-1』、角型ヘッドにダブルベントネックの『BP-3』、その女性用『BP-3 LD』が同時発売になります。
『BP-2』はブレードタイプであるアンサー型のワイドソールヘッドにショートネックです。
シリーズ全体のコピーは“接点の科学から生み出した「バイティングフェース」をパターに採用 滑らずにスピンを抑え、インパクトでの安定をもたらす ラインに乗りやすい高性能パター”です。
名称として、『BRIDGESTONE GOLF PUTTER』を頭に付けるのが正式なのかもしれませんが、長くなるのと、直販サイトを参考にして『BP-2』と表記しました。作り手の自信があるときほど名称は短くなる傾向が古今東西あります。『BP-2』は、これでもか! という程短い名称で、実に興味深いです。
さて、直販サイトを見たのは、名称の確認が目的ではなく、価格をチェックしたのです。30,800円(税込み)でした。一般のショップも確認しましたが、四捨五入すると2万円になる料金のサイトが複数ありました。(2024年10月2日確認)『BP-2』は、コスパが圧倒的に良い、つまり、爆安なのです。
この素材、最新のテクノロジー、丁寧な仕上げ等々を総合して考えれば、2024年のパター市場なら四捨五入して4万円という価格になると推測されますので、このお財布にやさしいパターは、本当に尊い、と断言できます。
注目点は、「バイティングフェース」というテクノロジーです。ドライバーで採用されて、スピンを抑える効果の高さを証明したテクノロジーですが、パターでは、ウェットなシーンや、インパクトでミスがあっても安定した転がりを生み出す効果があるようです。
次に注目したテクノロジーは「HYBRID CANTLEVER INSERT(ハイブリッド カンチレバー インサート)」です。U字を逆さにしたような片持ち梁構造をアルミ合金で作り、内側にはシリコンを入れて打感を良くして、上部は固定、下部は解放して、フェースサイドが上部を支点にして少し動くようになっているのです。気持ちの問題かもしれませんが、指で押すと下部は後退する感覚があります。これによって、順回転を促進し転がりが良くなるそうです。
『BP-2』は、いわゆるブレードのアンサー型の中の最も新しいスタンダードであるダブルワイドです。ソールの幅が約2倍になっているのが特徴ですが、ブレードとマレットの良いとこ取りをしています。
そして、ショートネックです。ダブルワイドにショートネックという取り合わせは、21世紀になってから生まれた王道のスタンダードですから、ラインナップに入っていることに納得できます。
スタンダードなヘッドだから、新しいテクノロジーの効果がわかりやすいのです。『BP-2』は、打つのが楽しみになるパターです。試打した日は、薄曇りで、気温は24℃~29℃。やや風あり。グリーンは8.5フィートというコンディションでした。使用したボールは、使い慣れていてクラブの影響に集中できる『TOUR B X』です。
【打感・打ち応え】
『BP-2』の打音ですが、音量はやや大きめです。硬質で、やや低めの高音。単音で気分良い音質です。打ち応えは、しっかりしています。手応えは敏感で、芯感はやや鈍いのですが、それはマイナスではありません。
【方向性】
『BP-2』は、スクエアな(四角形)フォルムが歪みなく、構えやすいです。ミスヒットでもブレが小さく、安定しています。テークバックが引きやすいのは、ショートネックの敏感さが生きていると感じました。
【距離感】
『BP-2』は、しっかり打って距離を合わせるのに向いています。面白いのは、かなり敏感なタッチも出せるというところです。ダブルワイドとショートネックの組み合わせの妙といえます。敏感でありながら、オートマチックに距離感を打てるやさしさもあるパターです。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『BP-2』は、ダブルワイドのパターヘッドを味わい尽くしたい人のためのパターです。
買いやすい価格になっているので、練習用のサブパターとして所有するのもアリです。『BP-2』は、奇をてらうところがなく、敏感なので、ミスがわかりやすいのを逆に利用すれば、ミスしないように集中した練習が出来ますし、スクエアなヘッドはストレートにも使えますし、アークにも使えるからです。
『BP-2』は、アンサー型のブレードとして丁寧に作られているのが印象深いです。そして、ワイドソールがミスを助けてくれる反面、インパクトで手先の小さな動きがダイレクトに伝わる敏感さもあります。この特徴を上手く生かせるゴルファーにとって『BP-2』は、最高のパターになる可能性があります。
パットが得意で、腕に自信もあるゴルファーに『BP-2』をオススメします。打ち手のレベルが高いほど、機能するパターに仕上がっているからです。
『BP-2』はインパクトで独特の重さがあります。違和感ではなく、ちょっと気持ちが良い感覚です。これが、新しいフェースの影響で、実際にはストレートにコロがろうとする感じがします。ストレートなラインには鬼に金棒。曲がるラインの場合は、少し曲がりが小さくなります。
ダブルワイドが好きなゴルファー、使用しているゴルファー、使ってみたいと思っていたゴルファー、軽い気持ちで『BP-2』を手にして、ボールをコロがしてみてください。最初の一球で、答えが出るのが『BP-2』というパターなのです。
【試打ギアスペック】
『BP-2』
ヘッド素材 SUS304ステンレス+タングステン
インサート A6061アルミ合金+シリコン
ヘッド重量 360cc
ロフト 3.5度
ライ角 70度
長さ 34インチ
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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