アマでも違いは分かる?ブリヂストン『SUPER NEWING BLACK LIMITED』の新旧ボール打ち比べ!
撮影・山代厚男 取材協力・ヴィクトリアゴルフ御茶ノ水店
配信日時:2024年10月31日 02時51分
――前々から気になっていたボールがある。それがブリヂストン『スーパーニューイング』の名を冠した、真っ黒なデザインで圧倒的な存在感の『ブラックリミテッド』だ。知る人ぞ知るボールの新作が出ると聞き、新旧モデルを試してみることにした。――
アマチュアでも分かる性能差なの?
『Newing』は30年もの歴史を持ち、日本のゴルファーを長く支えてきた存在だ。1994年から『ALTUS Newing』でソフトな3ピースボールとしてデビュー以来、熱狂的に支持され、5年連続でベストセラーに。その後、03年から『スーパーニューイング』シリーズとして5代続いたが、集大成として15年に生まれ変わったのが『スーパーニューイング ブラックリミテッド』だ。
記者が世話になった色濃い記憶は『スーパーニューイング』の2代目から。2000年代にぶっ飛びプレミアムディスタンス系としてアベレージ層に支持され、1球700円に失くすと地団駄を踏んだもの。この大ブランドが『ブラックリミテッド』として取り扱いされるようになって、実は4代目となる。
初代は2015年で、2代目が2018年、そして現行作だった3代目が2022年の発売だったが、今作2024年モデルがこの10月末に切り替わる。3年ぶり➡4年ぶり➡2年ぶりの刷新と、その周期が早まっていることからも、いかに人気かが伺い知れる所。
新作に切り替わる直前のタイミングで、ヴィクトリアゴルフ御茶ノ水店を訪れると、まだ3代目が販売中だった。取材のため、無謀にも新旧モデルの打ち比べをリクエストしたが、はたして下手なアマチュアの記者(M・K)でも、その性能差は体感できるだろうか?
ディンプルに変更、272➡326WEBに!
正直、ボール売り場にもし新旧モデルが並んでいても、見た目で気づける人は少ないかもしれない。真っ黒ベースで、ぱっ見どちらが新旧か記者も判別がつかない。パッケージをよく見ると【ディンプル数に変更】があり、新作は326個のWEBディンプルになり、旧作の272個から増えていた。
この変更点についてブリヂストンは「新ディンプルの【WEB326ディンプル】を搭載したことで、表面占有率をアップさせ、高弾道で大きく飛ばせる仕様に変更しています」と話す。ここまで初代からずっとコンプレッション【65】で、ソフトで大きなキャリーを生むアイオノマーカバー3ピースという、ディスタンス系の位置付けに変更はないそう。早速、旧モデルからドライバーで打ち始めた。
ドライバーはミスでも凹みが少ない
使用ドライバーはブリヂストン『B3 MAX』(9.5°)でトラックマン計測をしたが、まずは旧モデルの3代目『SUPER NEWING BLACK LIMITED』を打っていく。すると、超ソフトなフィーリングで、持ち球通りのローフェードが飛び出すものの、純正シャフトがアンダースペックなのか、いつもより右への曲がりが大きくなった。
ショットの出来の上位3球をピックアップしたものの、ややフェースが開いて当たるためトラックマン計測ではややスピン量が多く、ボールスピードも上がりきらずだった。ここから、4代目の新作『SUPER NEWING BLACK LIMITED』へと切り替えることにしたが、1球目で大台の280ヤード台が飛び出して驚く。
コンプレッション【65】で変えていないそうだが、明らかに旧モデルよりも弾きを増して感じる。打球音も幾分高め・大きめで、ボール表面近くの硬度を少し上げて【外剛内柔】がより強調されたと感じ、ボールスピードも上位3球とも同程度フェースの芯を外してもしっかり出ていた。
特筆は、右への曲がり幅も明らかに少なくなったこと。これはディンプル326個に増した効果なのか、それともやや弾きを増した外剛内柔の性能の効果かは不明だが、ミスしても旧モデルのような落ち込み方とは明らかに違う。新モデルだと激しく芯を外す記者でも曲がらず、初速も0.4~0.7m/sほど出しやすかった。
アイアンは1Wよりも変化は感じず
続いて、アイアンでもチェックした。使用したのはブリヂストン『241CB』(7番ロフト32度)だが、こちらのチェックでも打感はドライバーで感じたものと近い感触。旧モデルの方が明らかに音が控えめなソフトフィーリングで、新モデルの方が少し「打った感」が出たが、ドライバーより打感の差は少なく感じた。
また、両方ともナイスショットの平均スピン量は6,400回転ほどで、ほぼ同等レベルだったが、新モデルの方がやや球離れが速い印象で、旧モデルの方がフェースに乗っている時間が若干長く感じて少しつかまる傾向を感じた。記者はフェーダーにて、逆球が出づらい点でアイアンも新モデルの方が好印象だ。
ゴルファー誰もが嬉しい“正常”進化
そういえば、記者が『スーパーニューイング』のお世話になって飛ばしていた昔は、2005年作の『スーパーニューイングiV330』や07年作『スーパーニューイングLS330』だった。2つとも今回の数とも近い【WEB330ディンプル】で、その代のニューイングでこそ曲がらず飛ばせていたことを今更ながらに思い出した。寒くなる冬を見越しても、ニヤニヤが止まらない。記者にはちょうど良い出会いかもしれない。(編集部M・K)