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    フジクラ『スピーダーNXバイオレット』は『NXブルー』の後継だった!何が違うのか【打ってみた】

    フジクラの新作を、下手な記者が【打ってみた】。

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2024年7月12日 11時31分

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    実は『スピーダーNXブルー』(上)の後継だった『同バイオレット』(撮影・山代厚男)
    実は『スピーダーNXブルー』(上)の後継だった『同バイオレット』(撮影・山代厚男)
    • この範囲が400~500ミリの部分で、上の『NXブルー』より『バイオレット』の方が剛性が上がっています(撮影・山代厚男)
    • 新テクノロジー『DHX』は、45度のバイアス層外側に加わった、角度の違う「第2のバイアス層」
    • これが『ベンタス』シリーズも含めた、フジクラの「スピン量と弾道高さ」のポジショニングマップ【画像】
    • 『スピーダーNXシリーズ』の剛性分布
    • 記者は【50S】が最も切り返しのフィールが良く、速く振れました(山代厚男)
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    12日、都内インドア練習場にて、フジクラがメディア向け新商品発表&試打会を開催。昨日正式リリースされた『SPEEDER NX VIOLET』をいち早く体感することができた。HS48m/s前後のローフェーダーの記者が得た、プレスリリースには書かれていない情報を中心にレポートしたい。

    ■裏挿しだと、ベンタスっぽい
     
    2021年に『スピーダーNX』シリーズは中調子を部分トルク制御技術でアップデートした『ブルー』から始まったが、今作で『NX』シリーズは4代目となる。新たな『DHX』テクノロジーが採用された“新世代”との位置づけでデザインも変更された。『ブルー』『グリーン』『ブラック』まで【NX】の文字がシャフト正面に配置されていたが、今作から裏面に大きく配置。これが薄暗いインドアだと「パッと見、ベンタスっぽく見える」のが第一印象。『ベンタスっぽい』デザインで悪い気がする人は少ないはずだ。
     
    その名の通りの紫色だが、薄暗いと紺色っぽく見えたのも、そう感じた理由かもしれない。同社によれば「13年ほど前のドラコン専用シャフトに採用して以来の紫色」とのこと。ヘッドはテーラーメイド『Qi10』(9°)で【50S】から打ち始めた。事前のプレスリリースで「中調子」と分かっていたが、45度以外の角度の「第2のバイアス層」を加えることで「ヘッドスピードを最大化する」「高MOIヘッドに対応する」と言うが、本当に体感できるのだろうか。
     
    ■アンダースペックでも頼り無さなし
     
    聞けば、今回の『バイオレット』は、「スピーダーNXブルーの後継作との位置づけになります」とのこと。いまだに女子プロに使用者の多い『NXブルー』の後継と聞き、俄然テンションも上がるが、素振りせず初球、2球目はド右。内心「これで【50S】なんだ、NXブルーの【50S】よりも全然張り感がある…」と思いつつ、ややつかまえにいった3球目に、この日ベスト初速の「HS49.5m/s・BS72.1m/s」の中弾道フェードを記録。たしかに、振ってない3球目の割には「速く出る」。
     
    その後、【60S】➡【70S】➡【50X】とスペックを上げていったが、記者が『24ベンタスブルー』で感じた、力む最大の原因である「手元側の嫌な硬さ」は全く感じず。ただ、全体しなり量が少なくなるにつれ、切り返しでタイミングが取りづらくなっていくのは、記者が中元寄りと感じる『TOUR AD UB-6S』に体が慣れているからか。が、切り返しでタイミングが取れない分、いつもよりインパクトフィールが鋭くなり「トウの当たり負け」を瞬時に押し返す鋭さが独特に感じた。普段なら右ペラ・プッシュの類になる当たりを「グッ!」と鋭く押し返し、出球が右でも、途中からドローで戻って来る球が連発して驚く。
     
    記者の持ち球はローフェードにて、通常トウヒットの当たり負けはそのまま右抜けしがちだが、自分の重量帯の【60S】では特に中弾道ドローから強めのフックが出やすく「つかまりがかなり良い」と感じる。ただ、最初に打った【50S】が最も切り返しでタイミングが取りやすくスピードも出やすい傾向だった。同社の高橋氏は「手元と先端のねじれ剛性も『NXブルー』より10%上げているため、切り返しでややしっかりに感じられるのかも」と話していた。と、同時に「FWもぜひ試してほしい」と言う。
     
    ■ウソでしょ、5Wで257yd!?
     
    そう、フジクラの『スピーダーNX』シリーズだけは、従来のように「単なる剛性分布だけで判断してはいけない」シャフト。部分トルク制御されているため、狙って締められたトルクの影響も、当然フィーリングに影響を及ぼす。「剛性で言えば400~500㍉辺りは『バイオレット』の方が『NXブルー』より高く、全体に張り感のある仕上がりのため、そこをどう感じるか? で評価が割れるかもしれません」と高橋氏。
     
    記者の『NXブルー』の記憶は「しなり量が多めで間が取りやすく、打出角とつかまりをやや増して、スピン量ふくむキャリーが増えるシャフト」との認識だが、後継の『バイオレット』は400~500㍉の剛性が上がった影響か、『NXブルー』よりも張り感がある中で、やや強い球でつかまりも増した印象。正直、1Wではタイミングが取りづらかったが、驚きは『Qi10 TOUR』の5W(18度)に入れて【7S】を打った印象。少し短くなると急にタイミングが取りやすく、何より「振れてしまう!」。
     
    ゴルフゾンの計測の甘さを疑うほどの飛距離表示で、「HS46.7m/s・BS67.2m/s」で257ydのハイドローが飛び出して驚く。記者は5Wを抜いているため、「テーラーメイドの5Wが飛ぶのか、シャフトが振れすぎてしまうのか」どちらの影響か判別がつかないが、長さやスペックなど「振りやすさ」が合うと、同社が言う3次元シミュレーション設計の恩恵を受けられるのかもしれない。
     
    ■女子プロは『NXグリーン』から移行多数か
     
    最後にツアー状況を聞くと、男子ツアーは同社・飯田氏が「長野泰雅プロが使用してくれている他、木下稜介プロや稲森佑貴プロも高く評価してくれていて、もう少しテストしていく形です。『バイオレット』は張り感のあるシャフトなので、『ベンタス』好きな男子プロたちが多い中でも、かなり行けそうな手応えがあります」。また、『NXブルー』の後継なら、女子プロの評価もかなり期待できそうだが、同社の女子ツアー担当・飯村氏はこう言っていた。
     
    「意外に『NXグリーンから移行しやすい』との声も多いんですよ。藤田光里プロや上野菜々子プロもそうですし、アマチュアの六車日那乃さんなど『程よい張り感と、NXグリーンよりやさしくつかまる』点を評価する女子プロも多いですね。その他にも阿部未悠プロは『ベンタスTRレッド』だったのですが、一度『バイオレット』を投入してくれましたし、『NXブラック』だった野澤真央プロも『バイオレット』を少しチップカットしてキャロウェイのヘッドに採用してくれました。その他にも、木村彩子プロが投入第一号でFWに採用してくれています」(飯村氏)
     
    初代『ブルー』2代目『グリーン』3代目『ブラック』がまだまだエースの人も多いはずだが、4代目『バイオレット』はいずれのユーザーからも移行者が出ており、特に「トウヒットの当たり負け」に泣きがちな人、「FWが飛ばない」人は注目してみても良いかもしれない。(編集部M・K)

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