ALBA Net  ゴルフ
ALBA Net  ゴルフ

シン貧打爆裂レポート『ST-X 230 ドライバー』

シン貧打爆裂レポート『ST-X 230 ドライバー』

貧打爆裂レポートのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、ギアについての噂の検証をします!実際にゴルフコースに持ち込んで、動画を撮影しながらラウンドしたレポートです。

配信日時:2023年3月15日 08時00分

ロマン派ゴルフ作家語る

『ST-X 230 ドライバー』は、ひと言では書けない“不思議だけど、とにかく飛ぶドライバー”です。

最初に驚いたのは、強烈なドローバイアスです。過去に経験をしたことがない要因で左にボールを行かせようとします。代表的なフックフェースなどの形状で曲げるのではなく、ボールをつかまえに行く挙動(この要因は少しある)で曲がるわけではなく、別の力が働いている感じを受けました。よって、今までのように、それを打ち消す処方箋が、ほとんど効かないのです。

『ST-X 230 ドライバー』で何よりも凄かったのが、飛距離性能です。もっとも飛んだホールは、軽い打ち下ろしではありましたが、260ヤードです。ややドローで、フェースのマシンのほんの少し上(5ミリもないぐらい)に当たったボールでした。

2023年の新製品のドライバーの中で、ぶっちぎりで飛んだドライバーとほぼ互角の飛距離性能ですが、未知な感覚に戸惑いながら打っていたので、慣れれば、もっと伸びるような感じがしました。

『ST-X 230 ドライバー』は、ヘッドスピードが速いゴルファーに向けてチューニングしている感覚がありました。僕のヘッドスピードでも、打つことができますし、機能も引き出せていると感じましたが、低スピンのボールが出るので、安易に触れるのは危険なドライバーです。

注目される「CORTECH CHAMBER」は、インパクト時に、奇妙な押し感として感じる気がしました。初速も増していると思いますが、事前に研究者が予測したように、低スピン性能の向上が別次元です。

ドローボールでぶっ飛ばしたいゴルファーに『ST-X 230 ドライバー』はオススメです。新しいテクノロジーに乗り遅れたくないゴルファーにも『ST-X 230 ドライバー』はオススメです。

『ST-X 230 ドライバー』は、打ち出しがけっこう高めに飛び出してくれるので、少し楽なドライバーです。ドローバイアスを使って、ドライバーショットを打つことが好きで得意なゴルファーには、過去最高の1本になる可能性があります。逆に僕のように、強いドローバイアスが苦手なタイプのゴルファーには、悩ましい1本になります。

飛距離性能が強烈なので、それだけで、購入する価値があるのがドライバーという用具です。しかし、過去の経験から、強烈な飛距離性能をコースで発揮して、ちゃんと結果を出すには、飛べば飛ぶほど、方向性に信頼がないとむずかしいことも知っているからです。

練習場で打つだけなら、大満足できるのは間違いありませんが、それでは『ST-X 230 ドライバー』が可哀想です。

試打ラウンドの終盤は、とにかく、頑固な『ST-X 230 ドライバー』に逆らうことをやめて、ドローをホールに当てはめるように打つことに徹しました。飛距離性能を満喫しながら、楽しいドライバーショットを打つ時間になりました。

“ルールで禁止されてしまうかもしれない”と、『ST-Z 230 ドライバー』でも想像しましたが、『ST-X 230 ドライバー』でも、同じことを想像しました。もし、想像通りの未来が来たら、今までのパターンから、禁止テクノロジーのドライバーを新たに使用するのはダメでも、購入した『ST-X 230 ドライバー』は、5年ぐらいは猶予期間として使用できるはずです。

ミズノは、『ST シリーズ』のドライバーの新製品の発売サイクルを1年から、2年サイクルに変更することも発表しています。これも、そういう未来への対策なのかもしれません。プレミアがつくとは思えませんが、騒動になる前に、自分は全てお見通しだったと秘かに胸を張るためには、バッグの中に『ST-X 230 ドライバー』を入れるのもアリなんだよなぁ、と考えてしまいます。

『ST-X 230 ドライバー』は、本当に悩ませてくれる憎いヤツなのです。

試打クラブスペック

『ST-X 230 ドライバー』

ヘッド素材 :α-β系チタン合金(Ti811)、ウェイト/SU304、クラウン・ソール/カーボン
コアテックチャンバー SUS316+TPU
フェース素材:β系チタン合金(2041Ti)
ヘッド体積 :460cc
ロフト   :10.5度(プラスマイナス2度調整可能)
ライ角   :59.0度
シャフト  :Diamana MM D(S)
長さ    :45.5インチ

【著者紹介】篠原嗣典

ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員
連載

ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典の『貧打のアマでも打てる?人気クラブ・噂の検証』

ギア 週間アクセスランキング


関連サイト