菊地絵理香ら女子プロが中空アイアンを使う理由を知ってますか?
ひと言でやさしいと言っても、それぞれの構造でカバーできるミスには違いがある。『ポケキャビ』は下めヒットに強く、すくい打ち傾向の人に合う。一方、ウッドに近い構造の『中空』はフェースの芯が広く、ミスヒットしても飛距離が落ちにくいことが特徴となっている。
配信日時:2024年7月9日 01時00分
ひと言でやさしいと言っても、それぞれの構造でカバーできるミスには違いがある。『ポケキャビ』は下めヒットに強く、すくい打ち傾向の人に合う。一方、ウッドに近い構造の『中空』はフェースの芯が広く、ミスヒットしても飛距離が落ちにくいことが特徴となっている。
さまざまな素材を複合し、複雑な構造を取ることで性能を高めたアイアンが増えている。中でも『ポケキャビ』と『中空』はとことんミスに強く、やさしいといわれる多くのアイアンに採用されている構造だ。ギアコーチの筒康博は、それぞれの構造に共通する部分と異なる部分があると話す。
「フェースの反発力を上げ、重心を深く設計できることが『ポケキャビ』、『中空』の共通点です。そのため、寛容性が高く、飛距離性能に優れたアイアンに採用されているわけですが、当然ながら異なる部分もあります。例えば『ポケキャビ』はフェース下部を後ろからがっちり固めるような構造ですので、フェース下めヒットに強くなっています。下めに当たるすくい打ちのゴルファーと相性が良く、その意味でアベレージゴルファーにメリットの大きい構造だといえるでしょう」
一方で女子プロの菊地絵理香は中空構造の『T350』を愛用。しっかり打ち込んでいけて、打点がフェース中央になるプレーヤーが使うには打点ブレに強い『中空』の方がメリットが大きいという。
「『中空』はウッドに近い構造で、フェース上のスイートスポットを広げやすくなっています。打点が上下左右にブレても球質や距離が変わりにくいことがメリットですが、『ポケキャビ』に比べてどうしても重心が高めになる傾向にあります。つまり、ある程度、上から打ち込んでいける中・上級者にメリットの大きい構造で、プロに『中空』の使用者が多いのはそのためです」
菊地は愛用する『T350』アイアンについて以下のように説明する。「顔がつかまりそうな感じで構えやすいです。芯でちょっとつぶれた感覚がある」と高評価。マッスルバックアイアンなどは芯が狭く難しいとも語っている。
トップなど、薄い当たりが多いなら『ポケキャビ』、コースでタテ距離のブレが多いなら『中空』を試してみるのがおすすめだ。
■試打・筒 康博
つつ・やすひろ/過去の名器から最新クラブまで豊富過ぎる知識を持つ通称“ギアコーチ”。インドアゴルフレンジKz亀戸店でヘッドコーチとして、日々アマチュアの悩みに応えている。
■試打・石塚昌広
いしづか・まさひろ/インドアゴルフレンジKz亀戸店内にあるゴルフ工房「REAL SPEC GOLF」オーナー。鋭い感性とクラフト知識で最新ギアの性能を的確に分析する。
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