タイトリストNew『プロV1/V1x』、2月3日デビュー【打ってみた】
世界のツアーで7割超の使用率を誇る、ゴルフボールのど真ん中、タイトリスト『プロV1』『プロV1x』シリーズの最新モデルが2月3日に発売される。
配信日時:2023年1月19日 06時50分
アクシネットジャパンインクから新商品発売の連絡が届いた。
「タイトリストはNEW『プロV1』『プロV1x』ゴルフボールを2月3日より発売いたします。NEW タイトリスト プロV1・プロV1xは、ロングゲームショットでのさらなる飛距離と、グリーン周りでの優れたスピンコントロール性能をもたらします。パフォーマンスの進化はボール中心部から。ボールスピード向上のエンジンとなる新開発のハイグラディエントコアが、ロングゲームでのスピン量を低減。
高弾性ケース層がボールスピードを向上させるとともに、フルショットでのさらなるスピン量低減を実現し、最適化されたエアロダイナミクスが風に負けない力強い弾道(プロV1)または理想的な高めの弾道(プロV1x)を可能にします。さらに、優れたスピンコントロール性能をもたらすソフトなキャストウレタンカバーにより、プロV1・プロV1xのトータルパフォーマンスが完成。ゴルファーのスコアアップに貢献します」(同社広報)
また、既に世界中のツアーで選手の切り替えも昨年から進んでいる。
「2022年10月よりPGAツアーでNEW プロV1・プロV1xの供給がスタート。スコッティ・シェフラー(プロV1)、パトリック・キャントレー(プロV1x)、ジャスティン・トーマス(プロV1x)、トニー・フィナウ(プロV1)、ジョーダン・スピース(プロV1x)など、多くのトッププレーヤーがすでに実戦投入しています。
2022年11月の『バミューダ選手権』ではシーマス・パワーがNEW プロV1xを使用して優勝を飾りました。LPGAツアーでもユ・ソヨン(プロV1)、ジェニファー・カップチョ(プロV1)など多くのプレーヤーがスイッチ。日本のJGTOツアーでも、チャン・キム(プロV1)、谷原秀人プロ(プロV1x)が使用しツアー優勝を果たしています」(同)
■最も愛されるボールへの「改善要望」とは?
PGAツアーで2位メーカーの約7倍、米国女子ツアーでは2位メーカーに約12倍もの差をつける圧倒的なボールシェアを持つタイトリスト。特に、契約金で使用を強制しない米国女子ツアーの80%という使用率は、選手がスコアのために自ら『プロV1/V1x』を選んだ結果。絶大な信頼のある前作のどこを改良すべきだったのか?
「我々の新しいボール開発は、やはり世界最高峰の選手のフィードバックから始まります。現状のボールの何がそのまま残してほしい点か、あるいは何を改良してほしいかフィードバックを貰って開発の方向性を定めていきます。選手によっては『満足しているので変えないでほしい』との声も多いのですが、まとめると下記ですね。
ソフトな打感などフィーリング面を変えることなく、【1】ロングゲームのスピン量を低減【2】ショートゲームのスピン量の維持【3】安定した飛び、3つがメインの要望でした。そのため、ボールのエンジンであるコアを中が柔らかく外側にいくにつれ硬くなる内柔外剛のハイグラディエントコアを中心にこれを実現させた形です」(同社ボール担当)
また、【3】の安定した飛びという部分に関して、「ディンプルの細かなチューニングを施すことで、ロボットテスト時のキャリーのランディングエリアの分散の円が『プロV1』で12%小さくなり、『プロV1x』で9%小さくすることができた」と胸を張る。
■使い勝手が全く変わらず、ソフトフィールでスコアに効く!
記者(HS50m/s・ローフェーダー)も新作をゴルフ場で試してみた。昨年終盤に国内男子ツアーでシーディングされた際にプロの意見を聞いた際は「違いが分からない」「使い勝手は全く変わらない」「どこが変わったか分からないのがタイトリストの良いところ」などの反応だったが、記者も数球のテストでは全く変化に気づけなかった。
打感に関して『プロV1』は、どのショットでもこれまでと同じ打感・音のフィーリングで、グリーン周りでも相変わらずの球の落ち着き。新作も前作と変わらないソフトで球乗りのいいアプローチフィールなため、手先が力まず結果も揃いやすかった。ただ、ドライバーのスピン量は自身のショット成否が伴わないため、データ的にも数球では分からなかったのが正直なところ。
記者は元々スピン量が多く『プロV1x』を選んでこなかったため、こちらの打感の変化には疎くほぼ変わらない印象だったが、ドライバーでこちらの方が球が高く、あらゆるショットでスピン量が多そうな弾道は従来通り。2つともその立ち位置を変えることなく“正常進化”した印象で、従来のユーザーが使いづらくなるような“困る変化”を全く感じなかった。
テストの最後には、競合他社メーカーのツアーボールとも打ち比べたが、ソフトフィーリングによる球の落ち着きと、距離感に優れる点で圧倒的に使い慣れたNew『プロV1』の結果が良かった。どのくらい打てばどう寄るか?慣れたフィーリングがスコアに勝るのは当然。新作になってもフィーリング不変で、ロングゲームが少し飛ぶなら嬉しいに決まっている。