“小ぶりヘッドドライバー5機種”の実力を試打検証〜B-Limited 415編【試打の鉄人】
最新クラブや注目クラブを「試打の鉄人」が徹底チェック。トーナメント中継などで使われる「トラックマンシステム」を使い、リアルタイムに弾道を追跡・表示するなど、クラブの真の性能に迫ります。
配信日時:2023年9月25日 03時00分
市原建彦が弾道データをもとに“自分に合うか?”という目線で試打検証
今回は、450cc以下の小ぶりなヘッドのドライバー5機種を市原建彦が試打。キャロウェイ『パラダイム トリプルダイヤモンド』、ピン『G430 LST』、ヨネックス『EZONE GT425』、ブリヂストンゴルフ『B-Limited 415』、テーラーメイド『BRNR Miniドライバー』を、計測データをもとにそれぞれ検証していく。
★『キャロウェイ パラダイム トリプルダイヤモンド』編の記事を見る
★『PING G430 LST』編の記事を見る
★『ヨネックス EZONE GT 425』編の記事を見る
ブリヂストンゴルフ『B-Limited 415 ドライバー』の特徴は?
『B-Limited 415』は、ブリヂストンゴルフがカスタム専用モデルとしてラインナップしているドライバーで、ヘッド体積415ccとかなり小ぶりな設計になっている。特徴は、「小型ディープ形状」にすることで強い弾道と高い操作性を追求していること。構えた時の投影面積を小さくすることで、フェース開閉など、ヘッド操作がしやすくなり、ディープフェースにすることで、思い切り叩いて飛ばせるドライバーに仕上がっている。
また、ソールのフェース寄りの部分に2つのウェイトを配置。4グラムと12グラムのウェイトを入れ替えることで、重心位置をコントロールして、ボールのつかまり具合を調整することも可能となっている。さらに、フェースを裏側から支えるように配置されたブリヂストンゴルフ独自の「サスペンションコア」も搭載。ポリマーを内包したチタン製のコアによって、トゥ・ヒールの反発性能が上がっており、ミスヒット時の飛距離ロスを抑えてくれるやさしさも備わっている。
シード選手として長年活躍してきた市原建彦の目に『B-Limited 415』はどう映るのか?
【試打レビュー】小ぶりな分、ヘッドスピードが上がるような振りやすさがある
今回の試打ではロフト9.0度、カスタム専用モデルのため三菱ケミカルの『ディアマナGT60』のSフレックスが装着された『B-Limited 415』を使用。試打前にヘッドを構えてチェックした市原は、「415ccということですが、それよりも小さく感じます。すごいディープフェースで、クラウン部分も後ろに伸ばしていないためでしょう。感覚的に380ccくらいのイメージです。ソールにある2つのウェイトは、ヒールを重くすればつかまりが良くなり、トゥを重くすればつかまりを抑えることができますね」
3球の試打をおこなった市原の弾道を見ると、それぞれ全く違った高さでボールが飛んでいた。
「1球目は芯で、2球目はフェースの上め、3球目は下めで打ちました。打点によって顕著に球筋の違いが出ましたね。上めに当たった時は、しっかり打ち出し角が出て、ディープフェースとは思えない高い弾道が出ました。一方で下めに当たった時はかなり低い打ち出しになります。ティアップの高さを変えるなど、自分で打点を調整して打てる中級者から上級者に合いそうな印象があります」
ディープフェースのドライバーらしい弾道の強さがありつつ、他のモデルには振りやすさも備わっていると市原は話す。
「これだけ小ぶりなドライバーだと難しそうに感じるかもしれませんが、そんなことは決してありません。むしろ小ぶりな分、ヘッドスピードが上がるような振りやすさが備わっています。ヘッドにかかる空気抵抗が減るんでしょうね。球の上がり過ぎに悩んでいる人や球を操りたいゴルファーにおすすめしたいドライバーになっています」
昔の“パワーがないと打ちこなせなかった”ディープフェースのドライバーとは違い、一定以上のやさしさも備えている『B-Limited 415』。460ccの大型ヘッドが全盛となるなか、かなりクセの強いモデルではあるが、それだけにハマれば、大きな武器となるクラブだといえそうだ。
【試打映像】弾道計測データ&市原建彦の評価は…?
試打の鉄人 プロフィール|市原建彦(いちはら たつひこ)1978 年生まれ、神奈川県出身。ツアー通算1 勝。アマチュア時代の96 年に「世界ジュニア」を制覇。プロ転向後は、06 年「アサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルオープン」で優勝を果たしている。187cm の長身から放つ豪快なショットが持ち味。自身でトラックマンを保有し、ギアへの造詣も深い。