普通の5番アイアンはキャリー不足でミスになりやすい

アイアンセットに入っている“普通の5番アイアン”は、キャリー不足でトラブルに見舞われたり、無理に打とうとしてスイングを崩したりと、打ちこなすのが難しくデメリットが多い。女子プロのセッティングを参考に、飛び系アイアンやユーティリティなど、やさしいヘッドを投入すると、ゴルフが一気にやさしくなる。ギアコーチの筒康博氏とクラフトマンの石塚昌広氏に5番アイアンの代わりとなるクラブの選び方を聞いた。

5番アイアンは打ちこなすのが難しいクラブの代表格だ。最近では、6番からのセットになっていることも多い。

「単一素材で一般的な構造のアイアンでロフト角が25度になると、適正なキャリーを出すには技術とパワーが必要になります。ハンドファーストにロフトを立てるように当てないとフェースの芯に当たらず初速が出ませんし、ロフトを立てて当てるぶん、しっかりスピンをかけるには相応のパワーが必要になるからです。そのため、女子プロでも5番アイアンを入れるのは一部のパワーがある選手だけで、多くの選手は飛び系をはじめとするやさしいアイアンやユーティリティを使っています。いずれも反発力の高いフェースでボール初速を出しやすく、高い打ち出しが得られて、やさしくキャリーを伸ばすことができます」（筒）

西村優菜は6番アイアンにやさしいモデルを、その上に6Uを投入

米ツアーで戦う西村優菜は6番アイアンに、7番以下で使う『X フォージド スター』でなく、やさしい『パラダイム Ai スモーク HL』を入れている。また、6番の上には『GBB エピックスター』の6Uを投入しており、徹底してやさしい番手を選択。5番だけやさしい飛び系アイアンを使うのは、もはや女子プロでは主流となっている。

5番相当のアイアンの選び方について筒はネックの高さがポイントになると語る。「アイアンのネックは高いほど、重心がシャフト近くに寄ってきて、操作性が高くなります。球筋の打ち分けなど、感性を生かしたショットが打ちたい場合はネック高めが合いますよ」。

また、石塚はユーティリティを選ぶときは重心角に注目すべきと話す。「クラブを水平に置いたときにフェースが上を向く角度が『重心角』です。角度が大きいほど、重心が深いヘッドになるため、インパクトロフトがつきやすく、やさしく高いボールが打てます」。

スイングタイプやミスの傾向に合わせて、最適なクラブを選べば、長い距離からグリーンオンが狙えるようになる。スコアメイクが格段に楽になるはずだ。

【今回試打したモデルとロフト角】
ピン　i530（6I）24.0度
ピン　G730（7I）26.5度
ヤマハ　RMX VD/X（6I）25.0度
テーラーメイド　Qi（6I）24.0度
ブリヂストン　245MAX（6I）24.0度
ダンロップ　XXIO エックス（6I）25.0度
ブリヂストンスポーツ　B3 MAX HY（5U）25.0度
キャロウェイ　パラダイム AI スモーク HL（5U）24.0度
キャロウェイ　パラダイム Ai スモーク（5U）24.0度
ヤマハ　RMX VD（5U）25.0度
テーラーメイド　Qi10（5U）25.0度
ダンロップ　XXIOエックス（5U）26.0度


筒 康博
つつ・やすひろ／過去の名器から最新クラブまで豊富な知識を持つ通称“ギアコーチ”。インドアゴルフレンジKz亀戸店でヘッドコーチとして、日々アマチュアの悩みに応えている。

石塚昌広
いしづか・まさひろ／インドアゴルフレンジKz亀戸店内にあるゴルフ工房「REAL SPEC GOLF」オーナー。鋭い感性とクラフト知識で最新ギアの性能を的確に分析する。


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●アイアンでダウンブローに打てない人でも飛距離が出るモデルが最近そろっている。関連記事【2番手上の飛びが可能なやさしいアイアン17機種を大分析！ 上から打ち込めない人に合うモデルは……】を読めば、ベストなヘッドが見つかるかも。