米ツアー9年目を迎え、今季こそ念願のメジャー制覇を狙う畑岡奈紗。彼女のセッティングを撮影するとも面白いギアを発見。詳細をレポートしたい。
ドライバーは『スリクソン ZX7 MkII』(9.5度)に『ディアマナ WB 53S』シャフトを採用。彼女のギアをクラブフィッターの吉川仁氏に詳しく解説してもらった。
「畑岡プロはジャンプして地面反力を使うのが特徴。先端が動くモデルだと、リリースしてロフトが増えて飛ばなくなります。だから、手元がしなるシャフトが絶対的にいいのだと思います。手元がしなる浅重心ヘッドで強い球が打ちたいのでしょう」
3Wは『スリクソン ZXi』(15度)ヘッドに『テンセイ プロホワイト1K 50S』を採用。シャフトの傾向はドライバーと同じだという。「『テンセイ プロホワイト1K』の方が、『ディアマナ WB』よりも先端が高くて方向性を担保できます。当たり負けしない。彼女は”スクエア感”が欲しいのでしょう。彼女は『スピーダーNXグリーン』を打ったら、プッシュが出ちゃいますね」。
3Uと4Uに『G430』(19・22度)に『テンセイ プロ1K 70HY S』シャフトを採用。契約外だが多くの女子プロが使うモデルで、ヘッド特性が他と異なると吉川氏は指摘する。「重心深度が深めヘッドでボールを拾って高さを出したいのでしょう。シャフトはフェアウェイウッドと同じ先が動かないシャフトなのでしょう。5Uはより高さとスピンを求めて、5番アイアンと比べてコースによっておは使用すると思います」。
アイアンは『スリクソン ZXi7』ヘッドに『N.S.PRO 850GH neo S』を採用。「『N.S.PRO 850GH』よりもしっかりしたシャフトで先がやや硬く、全体でしなります。全体がしなって遅れて当たるので、抜けのいいヘッドと組み合わせると、ダウンブローに打てると思います」。
ちなみにウェッジにもフェアウェイウッドにもユーティリティにも鉛を貼っているのはなぜだろうか? 「ウェッジはややトゥ側にも打点が見られます。柔らかい球を打つことを想定されますが、鉛を貼れば当たり負けしなくなるでしょう。またフェアウェイウッドとユーティリティのソール前側に貼っているのは、やや浅重心に強い球を打つことを心がけているから。スピンもかかりやすくなると思います」。
パワーヒッター仕様といえる畑岡のセッティング。今季こそ念願のメジャーを制覇する姿を見てみたいものだ。
【畑岡奈紗のクラブセッティング】
1W:スリクソン ZX7 MkII(9.5度/ディアマナ WB 53S)
3W:スリクソン ZXi(15度/テンセイ プロホワイト1K 50S)
3・4U:G430(19・22度/テンセイ プロ1K 70HY S)
5U:スリクソン ZXi(28度/テンセイ プロ1K 70HY S)
5I~PW:スリクソン ZXi7(N.S.PRO 850GH neo S)
50・56・60度:クリーブランド RTZ TOUR RACK(N.S.PRO 950GH S)
PT:ベティナルディ SS3 センター DASSプロト
BALL:スリクソン Z-STAR◆ 2025年
(練習日のため15本)
◇ ◇ ◇
川崎の14本のセッティングを分析。関連記事【24年シーズン3勝・川崎春花の14本を分析! なぜ1WもUTもアイアンも古いモデルを使うのか?】を読めば、強さの秘密がわかります。