スピン系ゴルフボール完全ガイド!ディスタンス系ボールとの違いとボールの選び方を解説
スピン系ゴルフボールを選ぶ際、多くのゴルファーが直面するのが「どのボールが自分に最適なのか?」という問題です。特に、精密なアプローチやコントロールを重視するプレーヤーにとって、適切なスピン系ボールの選択はゲームの質を左右する重要な要素となります。本記事では、スピン系ボールを求めているが、選び方に迷っているゴルファーに向けて、ディスタンス系ボールとの具体的な違いと、そしてどのようにスピン系ボールを選べばよいのかを解説します。
配信日時:2024年5月13日 07時48分
- 1.スピンってそもそも何?
- 2.スピン系とディスタンス系、それぞれどのようなボールなのか?
- 3.スピン系ボールの3つの特徴
- 【1】スピンがかかりやすい
- 【2】打感がやわらかい
- 【3】ボールをコントロールしやすい
- 4.スピン系ボールの選び方
- ヘッドスピードで選ぶ
- ボールの硬さで選ぶ
- カバー素材で選ぶ
- 5.おすすめのスピン系ボール7選
- 【1】PRO V1/タイトリスト(Titleist)
- 【2】TOUR B X/ブリヂストン(Bridgestone)
- 【3】Z-STAR XV/ダンロップ(DUNLOP)
- 【4】TP5x/テーラーメイド(TaylorMade Golf)
- 【5】CHROME TOUR X/キャロウェイ(Callaway Golf)
- 【6】TW-S/HONMA(本間ゴルフ)
- 【7】カークランドシグネチャー パフォーマンスプラス 3ピースゴルフボール/コストコ(COSTCO)
- 6.まとめ
1.スピンってそもそも何?
ゴルフのスピンとは、第一義的には「バックスピン」のことです。ゴルフボールが飛ぶ方向とは逆に回転することを指します。
スピン系のボールは、スピンをかけるため、カバー材にウレタン系の柔らかく粘りのある素材が使われていることが多いです。フェースにボールがしっかりと乗るため、打ち出し直後の出球が低くなるのが特徴です。タイガー・ウッズは、グリーン周りのアプローチショットでボールがフェースに食いつき低く出せることを「deep」と表現しているそうです。
一方で、ディスタンス系のボールは、スピンを少なくして飛ばすことに主眼をおいているため、多くはカバー材には硬いアイオノマー系の樹脂を使っています。球離れが早いため、ポッコンとボールが上に飛び出る傾向があります。スピン系に比べると、自分のイメージ通りにコントロールできる幅は狭くなります。
それぞれのボールの詳細については、次の項で述べます。
いずれにしろ上級者ほどコントロール性を重視し、特に精密さが要求されるアプローチやグリーン周りでの操作性を高めるために、スピン性能の高いスピン系ボールを選ぶ傾向にあります。
詳しくは『上手い人は、なぜスピン系のボールしか使わないの?』(ALBA Net)や『ゴルフにおけるスピン#1「ボールが最も進化している」(解説:横田真一)』(ALBA TV)をご覧ください。
2.スピン系とディスタンス系、それぞれどのようなボールなのか?
スピン系、ディスタンス系ボールのスピンのかかり方の違いは、ボールの構造によります。それぞれの特徴は、以下のように整理されます。
スピン系ボール | ディスタンス系ボール | |
---|---|---|
ボール外側の素材 | ウレタン系樹脂(柔らかい) | アイオノマー系樹脂(硬い) |
ボール内外の硬さの差 | 内側:硬い 外側:柔らかい | 内側:柔らかい 外側:硬い |
ボール内側(コア)の硬さ | ディスタンス系より硬い | スピン系より柔らかい |
スピン系ボールは内側の素材が硬く、外側の素材が柔らかいためにスピンがかかり(内剛外柔)、反対にディスタンス系ボールは内側の素材が柔らかく、外側の素材が硬いためにスピンが抑えられています(内柔外剛)。
また、ボールの内外の硬さの差が大きければ大きいほど、その影響は大きくなります。その証拠に、スピン系のボールで使われるウレタンカバーと、ディスタンス系ボールで使われるアイオノマーカバーだと、前者のほうが柔らかいため、内部構造が同じであった場合、ウレタンカバーが使われているボールのほうが、スピンが掛かりやすくなります。
一方で、ディスタンス系ボールは、スピン系ボールに比べて、内側のコア部分が柔らかいのも特徴のひとつです。ボールが潰れれば潰れるほどスピン量が減り、スピンが多くて飛ばないゴルファーにとっては飛距離アップにつながります。
3.スピン系ボールの3つの特徴
スピン系ボールの3つの特徴を解説します。
【1】スピンがかかりやすい
【2】打感がやわらかい
【3】ボールをコントロールしやすい
【1】スピンがかかりやすい
スピン系ボールの最大の特徴は、その名の通り、スピンをかけやすいことです。
すでに述べた通り、スピン系ボールの多くは、表面の素材が柔らかいウレタン系樹脂になっており、特にウェッジのフェース面では食いつくような感触が得られます。フェースに接地する時間が長く、フェース表面の溝にしっかりボールがひっかかるため、スピンがかかります。
反対にディスタンス系ボールのように表面が硬いボールは、インパクト時にボールがフェースからすぐに離れ、フェース面の溝にあまりひっかからないため、スピンが入りにくいのです。
特にアプローチにおいて、スピン系ボールは、フェース面に乗せて運ぶ感覚が手に伝わるため、コントロール性が向上し、ターゲット地点にボールを正確に止めやすくなっています。
一方のディスタンス系ボールは、高さで(高さを生かして)止めるのが特徴です。
【2】打感がやわらかい
スピン系ゴルフボールの特徴の一つに、打感が柔らかいことが挙げられます。この柔らかさは、ボールの外側を覆うカバー素材がもたらすもので、ゴルファーが打球時に感じる手応えとして現れます。
手に伝わる柔らかい打感はプレーヤーに快適なフィードバックを提供し、特にデリケートなタッチが求められるアプローチショットやパットにおいて、細やかな力加減の調整を可能にします。
【3】ボールをコントロールしやすい
スピン系ボールは、表面の素材が柔らかいために、プレイヤーがイメージ通りにボールを操り、コントロールしやすくなるのが特徴です。スピンを意図的にかけることができると、ショットの行方が予測しやすく、ミスにつながりにくくなります。
また、左右に曲げるインテンショナルショットなど、意図的にボールの飛び方を変えたい、曲げたい状況でもスピン性能が役立ちます。
プロの試合では、さまざまな場面で、グリーンを直接狙うショットが求められ、またグリーンも硬く設定されているので、スピンを効かせて、ボールを止める技術が不可欠となります。このような理由から、スピン系ボールはプロゴルファーにも選ばれています。
スピン系ボールを使うデメリットは?
スピン系ボールにデメリットがあるとすれば、スピンがかかりやすいその特性のために、ボールが曲がりやすくなることでしょう。
特にゴルフに慣れていない初心者の場合、スピン量が多いとコントロールをかえって難しくし、予期せぬ方向にボールが曲がる原因となることがあるかもしれません。その結果、曲がり幅が大きくなり、ラウンド中にOBや池に入るなどのトラブルを引き起こす可能性もあります。
4.スピン系ボールの選び方
スピン系ボールを選ぶ際は、ヘッドスピード、ボールの硬さ、カバー素材を考慮することが大切です。これらの要素を理解し選択することで、自分のプレースタイルに最適なボールを見つけることができます。
ヘッドスピードで選ぶ
ヘッドスピードに合わせてスピン系ボールを選ぶことは重要です。対象範囲内のヘッドスピードであると、ボールが持っている飛距離性能を発揮しやすくなります。
また、ボールによっては「全ヘッドスピードに対応」と表示されているものもあります。迷ったらこちらを選ぶのもいいかもしれません。
ボールの硬さで選ぶ
ボールの硬さは打感に大きく影響し、プレーヤーの好みに合わせて選ぶことが重要です。硬いボールは打ち応えがあり、柔らかいボールはタッチがやさしく感じられます。
自分に合った硬さを選ぶことで、手から伝わってくる感触を元にイメージ通りのショットが打ちやすくなり、距離感などの繊細なタッチが求められる場面でより効果を発揮します。
カバー素材で選ぶ
カバー素材はスピンのかかり方に大きく影響し、各メーカーの特許技術が詰まっている重要な要素のひとつです。スピン系ボールは基本的にやわらかいウレタン系樹脂が使われており、フェースとボールが接触する部分であるためスピン性能に大きな影響を与えます。
特にアプローチショットでは、ボールのスピン性能がパフォーマンスに直結するため、自分が求めているスピンが入るかを確認してからボールを選ぶと良いでしょう。
5.おすすめのスピン系ボール7選
最後に、おすすめのスピン系ボールを7つ紹介します。
【1】PRO V1/タイトリスト(Titleist)
【2】TOUR B X/ブリヂストン(Bridgestone)
【3】Z-STAR XV/ダンロップ(DUNLOP)
【4】TP5x/テーラーメイド(TaylorMade Golf)
【5】CHROME TOUR X/キャロウェイ(Callaway Golf)
【6】TW-S/HONMA(本間ゴルフ)
【7】カークランドシグネチャー パフォーマンスプラス 3ピースゴルフボール/コストコ(COSTCO)
【1】PRO V1/タイトリスト(Titleist)
PRO V1は、世界中のプロゴルファーが最も使用しているスピン系ボールです。非常にソフトな打感で、風に負けない飛距離性能を発揮します。過去数年連続で売上トップにあり続けるように、信頼されているボールだと言えるでしょう。
【2】TOUR B X/ブリヂストン(Bridgestone)
TOUR B Xは、タイガーウッズが認めるフェースに長く乗り、打感も柔らかい「ディープ感」を実現したスピン系ボールです。フルショットでは、風に強い伸びのある弾道を実現し、アプローチショットではフェースに乗るフィーリングと柔らかい打感を実現しています。
【3】Z-STAR XV/ダンロップ(DUNLOP)
Z-STAR XVは、飛距離性能と、進化したアプローチスピン性能を持ったスピン系ボールです。極薄極軟ウレタンカバーと、摩擦係数の高い軟コーティングで、スピンコントロール性能とフィーリングが向上しています。
【4】TP5x/テーラーメイド(TaylorMade Golf)
TP5xは、5層構造のスピン系ボールで、より速いボール初速を求めるプレーヤーにおすすめです。ドライバーやロングアイアンではロースピン性能を発揮し飛距離アップに貢献しながらも、グリーンサイドでは優れたコントロール性能をキープします。
【5】CHROME TOUR X/キャロウェイ(Callaway Golf)
CHROME TOUR Xは、飛距離性能とグリーン周りでのスピン性能を高い次元で両立させた、スピン系ボールです。立ち位置としては、CHROME SOFT Xボールの後継モデルとなっています。前作と比較すると、とくにロングショットにおけるボールスピードと、アプローチにおけるスピン性能が大きく向上しています。
【6】TW-S/HONMA(本間ゴルフ)
TW-Sは、ソフトな打感とスピン性能を高次元で融合したスピン系ボールです。新たに開発したソフトコアは、ドライバーでの余分なスピン量を抑えることに成功しています。また、他メーカーのスピン系ボールに比べ、1,000〜2,000円程度安いのが特徴です。
【7】カークランドシグネチャー パフォーマンスプラス 3ピースゴルフボール/コストコ(COSTCO)
ゴルフメーカーではない、コストコから販売されているカークランドシグネチャーボールはコストパフォーマンスに優れたスピン系ボールです。他の一般的なゴルフメーカーに比べ半分以下の価格で購入することができます。
6.まとめ
ゴルフボール選びは、ゴルフのパフォーマンスに直接影響するため非常に重要です。ヘッドスピードやボールの硬さ、カバー素材など、複数の要素を考慮し、自分に合うスピン系ボールを見つけることで、よりイメージ通りの弾道や球筋、望む飛距離を実現できるようになります。また、自分にとっての適切なボール選びを考えることは、自分のプレースタイルや特徴をより理解するきっかけになるでしょう。
ALBA Netではゴルフボールの売り上げランキングを毎週更新していますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。