ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
オデッセイは、『Ai-ONE Square 2 Square #7 パター』を2024年12月6日に発売。『Ai-ONE Square 2 Square パター』は、3モデルあります。『Ai-ONE Square 2 Square JAILBIRD パター』、『Ai-ONE Square 2 Square DOUBLE WIDE パター』、『Ai-ONE Square 2 Square #7 パター』(以後、#7)です。注目の復活大型マレット、ブレードとマレットの良いところ取りの新スタンダード、大人気でツアーでも使用者が多い#7、というわけです。
販売週からパター売上でトップになって、2025年になってからも松山英樹が米ツアーをセンターシャフトのパターで勝利したことで、形状が似ている『Ai-ONE Square 2 Square DOUBLE WIDE パター』が更に売上を伸ばしているようです。
『#7』を取り上げる理由は、試打した3本の中で、最も結果が出たからです。
『#7』のコピーは“フェースをスクエアに保つ新設計 フルオートマチックなストロークを実現”。開発コンセプトは、パットを難しく感じるゴルファーに、真っ直ぐに引いて、真っ直ぐに出していくパッティングをして欲しい、ということのようです。
『Ai-ONE Square 2 Square パター』の共通のテクノロジーは、ロフトが多めの6.3度になっているヘッドに、シャフトをターゲット方向に3.3度傾けて装着していて、その位置もフェース面から離れたヘッドの重心位置の近くになっているのです。3.3度ハンドファーストに構えれば、理想的なロフトである3.0度に自然となるわけです。
ソールのトゥとヒールに搭載されている2つのウェイトは異なった重量のウェイトが入っていて、ヒール側を重くしています。机などで、ヘッドを浮くようにして置いたとき、トゥが上を向くトゥバランスになっていて、フェース面をキープしやすくなるそうです。
もちろん、フェースは「Ai-ONE・インサート」です。時代を変えるテクノロジーだと大ヒットしている「Ai-ONE・インサート」は、ブレないことが特徴の一つで、すでに実績もあります。
最後に、新しく採用となった「STROKE LAB 90シャフト」です。今までのスチールとカーボンの複合シャフトではなく、すべてスチールで製作して90グラム台になっています。手元側のシャフト内部には「カウンターウェイト」を搭載してヘッドだけでなく、シャフトまで含めた全体の慣性モーメントを高くしています。
『Ai-ONE Square 2 Square パター』は、改めて、理論上、有効であるはずの考え方のパターを最先端のテクノロジーで具現化したものです。見た目で気持ちが悪いと遠慮する人もいる形状のパターですが、とにかく、打ってみないことにはわかりません。
試打した日は、曇りで、気温は13℃~20℃。微風。グリーンは9.5フィートの速さ。使用したボールは、使い慣れていてクラブだけの影響に集中できる『TOUR B X』です。
【打感・打ち応え】
『#7』の打音ですが、音量はちょうど良い大きさです。音質は高音で硬質な音質です。打ち応えは軽めで、しっかりしています。手応えはクリアで、敏感です。
【構えやすさ・方向性】
『#7』は違和感なく狙えます。ハンドファーストに構えることが自然にできて、真っ直ぐに引きやすいのも実感できます。安心できるパターとして機能します。
【距離性能】
『#7』の距離感は、「ホワイトホット・インサート」と「Ai-ONE・インサート」に慣れていれば、簡単にタッチが合います。苦手な距離がありません。長短の距離を同じ感じで打ち分けられるので、繊細なタッチも使い慣れたパターのように打つことが出来ました。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『#7』の見た目は、変だなぁ、と思いましたが、実際にアドレスしてみると、驚くほど狙いやすいパターでした。特別に意識せずに普通に使えたのです。
最も感じたプラスポイントは、やはり引きやすさ、打ちやすさという相乗効果を生んでいることです。方向に不安がないので、距離感に集中することができます。
世界中のツアーの過去3年の優勝パターを調べると、角型の形状は約3割強となり、最も使用されています。僕は色々なブランドで『#7』に挑戦したものの、練習ではバッチリなのに、本番では結果が出ないということを繰り返してきましたが、試打して、結果が出ることに驚かされました。
4ヤード以内のパットは、ほぼ全て決まったのです。強めに打ったストレート、タッチを合わせた大きく曲がる下りのライン、カップの縁を狙った微妙なパット。素直に快感でした。
面白いことに、複数の同伴者にも打ってもらいましたが、特にショートパットについては例外なく良い結果が出ていました。実際に、そのメンバーの中で2名は『Ai-ONE Square 2 Square パター』を購入して、エースパターとして活躍させています。
3種類の『Ai-ONE Square 2 Square パター』は、どれも優秀だと感じました。『#7』だけの特徴もありました。ストロークのタイプを選ばないように感じたのです。フェースの開閉をしない人も、開閉をする人も同じように打てているようでしたし、強いタッチも、合わせるタッチもパターが対応してくれると感じました。
ハンドファーストに打ちたいと思っているゴルファー、安定したパットがしたいゴルファー、ショートパットの決定率を上げたいゴルファーに『#7』をオススメします。
『Ai-ONE Square 2 Square #7 パター』は、方向性に不安がなく打てるので、その分、距離感だけに集中できるところが最大の強みです。その距離感も非常に繊細なタッチに反応してくれます。気持ちが乗って、届かせてくれたり、寄せてくれたりしました。
最先端のパターはオートマチックなやさしさがあるのは当たり前です。『#7』は、その先に感性を使って機能をプラスできる感覚があったのです。それをむずかしさ、と感じるか、頼もしいと、感じるかは打ち手次第です。
【試打ギアスペック】
『Ai-ONE Square 2 Square #7 パター』
ヘッド素材 ステンレススチール+アルミニウムソールプレート+ポリカーボネート
フェース AI-ONE・インサート
シャフト STROKE LAB 90 シャフト
ロフト 6.3度
ライ角 72度
長さ 34インチ ※33インチもあり
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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