開幕戦からたった6試合でここまで変わった 阿部未悠を初優勝に導いた“勝ちクラブ”をチェック!
先週「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」で初優勝を果たした阿部未悠のギアセッティングを撮影すると、面白い傾向を発見。彼女のセッティングの特徴を紹介したい。
配信日時:2024年4月9日 22時45分
「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」でプロ初優勝を飾った阿部未悠。彼女のセッティングを見ると、開幕戦からかなり変わっていることに驚かされる。これだけ開幕戦から変化するプロも珍しいだろう。
「彼女はブリヂストン契約の女子プロの中でもかなりギアに敏感で、自分でいろいろ調整を考えたりしてピッタリなクラブを探しています。ドライバーは何本かシャフトを持っていて、日々試打を繰り返して調整しているみたいです」(ブリヂストンスポーツレップ)
ドライバーシャフトは開幕戦の『スピーダーNXグリーン』(50S)から『ベンタス TRレッド』(50S)に変更しており、ヘッドも『B3 MAX』から『B2HT』に変えている。先調子系のシャフトが合っているという試打データがあり、様々な先調子系シャフトを試してその時期にあった「振りやすいシャフト」(阿部未悠)を探している姿勢には驚きだ。
また、開幕戦では3W・5W・7W・4U・6Uを入れていたが、優勝時には5W・7W・4U・5Uを入れるなどコースマネジメントを想定して番手を変化させているようだ。
その中で彼女が変えなかったクラブがある。アイアンの『221CB』、48・52・58度ウェッジの『BRM2』、5Wの『タイトリストTSR2』だ。これらのクラブには変わらない厚い信頼を寄せている。その点についてもツアーレップに聞いてみた。
「彼女が使用するアイアン『221CB』は男子プロも使う本格派のキャビティ形状。どのクラブも練習してものにして納得した上で使用する彼女は、このアイアンだと6番まで高さとスピン量を出していける点と操作性が気に入っているようです。ただ、シャフトは開幕戦では『DG95』でしたが、『スチールファイバー i70cw』に変更しています。よりカーボンのようなテイストがあり、少し軽いけどしっかり感もあるシャフトで調整したのだと思います」
48・52・58度ウェッジの『BRM2』はシャフト『DG95 S200』をそのまま採用している。「タイヤの溝に着想を得た独特な溝によるスピン性能が評価されている『BRM2』。彼女の打ちたいスピン量が安定して出せるのだと思います。シャフトは『DG95 S200』をそのまま使うのは、やや重めのシャフトで小さい振り幅でも弾道をコントロールしたいからでしょう」
ちなみに今オフに使用ボールを『ツアーB X』と『ツアーB XS』で迷ったようだが、今までと同じ『ツアーB X』を使用し続けている。「よりソリッドな打感で飛距離が出る『ツアーB X』を信頼しているようですね。よりソフトな打感の『ツアーB X』よりパターの打感が合うのも要因だと思います」
阿部が今後はどんなセッティングで、トーナメントコースを攻略するのか注目したい。
【阿部未悠の開幕戦ギア】
1W:ブリヂストンB3 MAX(9.5度、スピーダーNXグリーン50S)
3W:テーラーメイド Qi10(16.5度、スピーダーNXグリーン60S)
5W:タイトリスト TSR2(18°)
7W:ブリヂストン B2HT(21度、スピーダーNXグリーン60S)
4U:ブリヂストン B3MAX(22度、Tour AD HY)
6U:ブリヂストン B2HT(28度、Tour AD HY)
5I~PW:ブリヂストン 221CB(DG85 S200)
48・52・58度:ブリヂストン BRM2(DG95 S200)
PT:スパイダーGT X ブラック スモールスラント
BALL:ブリヂストン ツアーB X
【阿部未悠の優勝ギア】
1W:ブリヂストンB2HT(9.5度、ベンタス TRレッド 50R 45㌅)
5・7W:タイトリストTSR2(18・21度、スピーダーNXグリーン 60S)
4・5U:ブリヂストンB3 MAX(22・25度、Tour AD HY)
6I~PW:ブリヂストン221CB(スチールファイバーi70cw)
48・52・58度:ブリヂストンBRM2(DG95 S200)
PT:ピンPLD ミルドアンサー・プロトタイプ
BALL:ブリヂストンツアー B X
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