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ブレードの巨匠・スコッティと、マレットの巨匠・オースティの良さが融合した『スクエアバック2』が強すぎる件

ブレードの巨匠・スコッティと、マレットの巨匠・オースティの良さが融合した『スクエアバック2』が強すぎる件

スコッティ・キャメメロン『スタジオスタイル』になぜ注目すべきなのか。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2025年2月21日 07時32分

左がスコッティ・キャメロンというブレード型の巨匠、右がオースティ・ローリンソンというマレット型の巨匠。パターデザインにおける2大巨頭の融合作が登場した
左がスコッティ・キャメロンというブレード型の巨匠、右がオースティ・ローリンソンというマレット型の巨匠。パターデザインにおける2大巨頭の融合作が登場した

21日、神奈川県の練習場でスコッティ・キャメロンの3月14日発売予定のNew『スタジオスタイル』パターのメディア向け体験イベントが行われた。そこでは「銀と黒のツートンカラーでオデッセイの『JAILBIRD』っぽい」機種も試せた他、JGTOの名物ツアー担当者と、若きパット専門コーチも登壇。カーボンスチール製フェースへの選手の反応なども興味深かったので、レポートしていきたい。

■松山英樹もカーボンスチールに好反応
 
今作『スタジオスタイル』は異素材複合インサートの20周年を記念した特別なモデルで、『チェーンリンクフェースミーリング』という新形状のカーボンスチール製インサート(SCS)を採用。錆びやすい素材を特殊なメッキで防ぎ、量産モデルにはまず採用されないと思われていた、高コストな凝った作りとなる。
 
そもそも、GSSやSSSなどのステンレスや、トレリウムなどの素材とSCSの違いは、振動減衰性に優れ打感がソフトなことだと言う。長年ツアー担当を務める澤岩男氏も「これまではツアーでもトレリウムが最もソフトな部類でしたが、さらにソフトに感じる人が多く、多くのツアー選手が好むど真ん中の打感」だと言う。また、世界1、2を争うキャメロンパターマニアとして知られる松山英樹もSCSを試して『カタリナ』を実戦投入寸前までいったことがあり、スペアに持っているセンターシャフト・ブレードの『クラフツマン』もカーボンスチール製なのだとか。
 
SUS303製『オデッセイトゥーロン サンディエゴ』がエースの記者も試したが、確かにカーボンスチール製『スタジオスタイル』はソフトな音と打感で心地いい。数字で言えば、自分のエースのSUS303の硬さが10だとしたら、6か6.5くらい。また、樹脂インサートのように手応えのないものと違い、金属製にて手に振動が伝わる感触も残ってソフトな点も好印象。これならボール一周分の距離感を作れるかもしれない。
 
■PGAツアーでは「おでこの下」に球を置く
 
ここで、記者一人ひとりパット専門コーチの丸山颯太氏に見てもらい、新作を試すフィッティングセッションを開始。同僚の記者Sは、L字マレットがエースなものの、トウ側に打点を外しがちでロングパットの距離感で悩んでいたが、丸山コーチから「多くのアマにも当てはまる代表例」と、弱点を指摘された。
 
「Sさんはボールが近すぎて、手元の位置も体に近すぎる結果、ストローク中にライ角が変化してトウ側を下げながらインパクトする悪癖が付いてしまい、球をつかまえられず距離感も狂う原因になっています。PGAツアー選手の多くが【おでこの下に球を置く】ため、セオリーだと言われてきた『両目の真下』より1~1.5個ほど外に置くのが実際です。これは昔からキャメロン氏が推奨する通りですが、他社のパターを使用する選手たちも同様に目の真下より少し外側にボールを置いていますね。ちなみに、松山プロも昔よりパターを長めにして球を外側に置くスタイルになってパッティングの質が進化しています」(丸山コーチ)
 
同僚Sは「遠く感じて違和感しかない」と最初は苦しんでいたが、澤氏から「元々L字をお使いのSさんなら、ジェットネックの『ニューポート2.5+』やクランクネックの『ニューポート2+』方がいいかも」と助言を受け、おでこの下に置き続けて試していく。すると、当初は自分で選んだ『カタリナ』や『ファストバック』から、『ニューポート2+』が最も打ちやすく感じるように変化したという。
 
「ボール位置が近い自分流だと、L字のフェースを一生懸命キープして操作する感じでしたが、おでこの下に置くとフェース開閉も意識せず、道具に任せるような自然な打ち方で球がつかまるようになり『ニューポート2+』が快適な感じに変わりました。自分のL字より打感もソフトでかなり欲しくなりましたが、正直、1本82,500円は高すぎて手が届かないです……」(S)
 
■スクエアバック2が、大人気間違いナシ!
 
記者も値段には同感だが、今作だけは買わざるを得ない。というのも、ブレード型の巨匠であるスコッティ・キャメロンらしさと、マレット型の巨匠であるオースティ・ローリンソンらしさが融合した『スクエアバック2』が良すぎたからだ。オースティは長年オデッセイのパターデザイナーとして数多くの人気マレットをデザインしたが、数年前に米国アクシネット社へ移籍し、キャメロンチームに参加して今作の開発に取り組んでいた。
 
そのため「ファストバックがオデッセイ『JAILBIRD』に似ている」のも仕方ないところだが、記者は『ファストバック』より『スクエアバック2』にこそ価値を感じる。理由は、黒い部分より後ろを見なければ【クランクネックで『ニューポート2』のように見える】キャメロンらしさがベースにありつつ、【VERSAっぽいバーチカルなアライメント】という、2人のストロングポイントが融合しているから。元々はライバルだった、パターデザインにおける2大巨頭の良さが一本に凝縮した、初めてのケースと言えるのだ。
 
実際、同様に試した識者やメディア関係者の一番人気もこの『スクエアバック2』だったそう。8万円以上の価値を感じる人は、お早めに。(編集部M・K)

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