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    フジクラ『24ベンタスブラック』と『24ベンタスレッド』はどんな性能に変わったのか【打ってみた】

    フジクラの秋の新作3機種をコースで【打ってみた】!

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2024年10月17日 06時44分

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    フジクラ『24ベンタスブラック』(下)『同レッド』(上)
    フジクラ『24ベンタスブラック』(下)『同レッド』(上)
    • 初代『ベンタスブルー』と『24ベンタスブルー』の剛性分布はこんなに違う!【画像】
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    16日、埼玉県のゴルフ場にて、フジクラがメディア向け新製品試打会を開催。この秋発売の『SPEEDER NX VIOLET』に加えて、11月14日発売予定の『24ベンタスブラック』『24ベンタスレッド』を打つことが出来たので、レポートしていきたい。記者はHS48m/sのローフェーダーで、グラファイトデザイン『Tour AD UB-6S』とタイトリスト『GT2』(10.0°)の組み合わせがエースだ。

    ■スピーダーNXバイオレットの感想は?
     
    まず、『スピーダーNXバイオレット』(50X)を自身のヘッド『GT2』に46インチで組み会わせて試打ラウンドを開始した。以前のインドア試打で50Sだと切り返しの間が取れて良かったため、50Xを長めに組み上げて同様の効果を狙ったが、記者の目論見は完全に外れた。長めに組んだ『バイオレット』は50Xでも、ヘッド重量が重すぎたのか、切り返しで強い負荷をかける記者にはしなり過ぎて振り遅れがちだった。
     
    女子プロにも大人気だった『スピーダーNXブルー』の後継とあって、同組のHS42m/sのスライサー、HS41m/sのドローヒッターにはすこぶる好評。2人ともタイミングが取れてくると、高弾道ドローorストレートをブリヂストンやPINGのヘッドで安定させており、フジクラの言い分通りのパフォーマンスを出していたが、『Tour AD UB-6S』好きな記者は、出力を6割ほどに抑えないと球筋が安定しなかった。
     
    ■24ベンタスレッドの印象は?
     
    『スピーダーNXバイオレット』のラウンド後に練習場で『24ベンタスレッド』『24ベンタスブラック』の試打も行った。初代『ベンタスレッド』を日本に導入しなかった理由について、同社開発の高橋氏に尋ねると「先中調子の初代『ベンタスレッド』は、『スピーダー』シリーズとユーザーが重なる部分も多いため見送られましたが、ツアーで『ベンタス』の使用率が上がるにつれ市場の要請が強くなって『ベンタスTRレッド』は日本に導入することになり今回も同様の背景ですね」。
     
    聞けば、『24ベンタス』シリーズでは、初代の先端補強技術の『ベロコア』から素材に変更があったとか。ただ、高橋氏は「炭素繊維がより強化されたものを使用して『ベロコア+』の名に進化させていますが、フィーリング的に硬さを増したわけではない点には注意が必要です」と話す。初代の登場からここまで高MOIヘッドが増えに増えたことから、「現代に最適化して大幅に先端剛性を上げたの?」と思いきや、そうではないと言う。
     
    実際、『24ベンタスレッド』の5S、6S、5Rなどを『Qi10』や『Qi10 MAX』に組み合わせたもので複数試したが、拍子抜けするほどカンタン。手元がしっかりで先へいくほどスムーズに芯金のテーパー通りに滑らかに復元する感じで、どんなヘッドでも走り過ぎずに追従性をキープしながら軽やかにつかまえてくれる。これは、HS42m/sのスライサー、HS41m/sのドローヒッターも同様で1、2球目から完全にタイミングをつかんでおり「ベンタスがこんなにラクでいいの!?」と口々に話していた。
     
    ■24ベンタスブラックの印象は?
     
    記者はラウンド中に左手首を痛めたため、正直『24ベンタスブラック』を試すか迷った。初代『ベンタスブラック』の6Xや6Sで全く歯が立たなかった記憶もあり、『24ベンタスブルー』を初代『ベンタスブルー』よりもかなり硬く感じたため「おそらくブラックも初代より硬くなって手に負えないはず」と予想。加えて、その時の空きヘッドが『Qi10 LS』(9.0°)しかなかったため、なおさら及び腰に。実際、6Sから打ち始めると、やはり球が右へ右へ行き、つかまえられそうもない。
     
    が、初代の記憶と違い、フィーリング的に「まったく歯が立たない絶望感」を感じなかったのが意外。「これはワンチャンスあるかも!」と、5Sに替えると大ビンゴだった。あまりに枠に入り、ミスヒットでも曲がらないため「今日のラウンドは何だったの?」と我が事ながらまるで別人に変身。初代の棒っきれ感は幾分少なく、切り返しに僅かに鞭のような滑らかさを感じる上、球押し感・くっつき感も増して操作できるため、どんどん手先を脱力させられた。
     
    左にもいかず挙動がゆっくりなため、打つほどに安定性も高まり、15球以上打ってアウトなミスは1球だけだったが、総じて『Qi10 LS』(9.0°)装着のためか、見た目に2,000回転以下のロースピン球しか出なかった。記者だけでなく、HS41m/sのドローヒッターも「憧れの『MP-33』がまさか打てるとは感。マッスルバックが打てるなんてという感動に近いほど、『24ベンタスブラック』の5Sは振ってて気持ちいい」と話していた。
     
    ■ベロコア+で、使える人が爆増!?
     
    記者が初代『ベンタスブラック』で“何もしない棒っきれ”と感じたのは、おそらく手元と先の剛性差が少ないから。そのうえ全体剛性も高いため、少しでも自分の状態が悪いと、シャフトに負けて力みに繋がった記憶がある。今回の『24ベンタスブラック』はワッグル時に“初代より締まった”と感じるものの、動きの中では滑らかさを感じるのは、初代より手元と先に剛性差がついたからと予想。高橋氏も「ベースは初代と変えない中で、ベロコア+の素材変更で追従性に好影響があります」と言う。
     
    「ベンタスTRブラックの時は、中元寄りの最外層に開繊クロス材を入れた分だけ剛性が初代より増していましたが、フィーリング的には『こっちの方が動く』『しなりを感じる』との声も多かったんです。今回の『24ベンタスブラック』は、初代とほぼ同じ剛性でありつつも、先端のベロコア+の素材変更で、切り返し時にもプレインパクトでも追従性が増すいい影響を出せていますね」(高橋氏)
     
    初代も『24ベンタスブラック』も、左へ行きにくく強弾道・低スピンの元調子という特性は同じだが、フィーリング的にわずかにマイルドに反応する形に変わったと感じる『24ベンタスブラック』。なんとも言語化が難しいが、追従性が増したことで、かなり打てるゴルファー層を広げたと感じる。(編集部M・K)

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