ウェッジの選び方は“バンス”が重要! 2024年の30モデルをアプローチタイプ別に紹介
ウェッジを選ぶ際、何を大切にしていますか? モデルやロフト角が一般的ですが、実は“バンス”を選ぶことも大切です。今回は、バンスを気にするべき理由に加え、30モデルをタイプ別に分類しました。ウェッジ選びの参考にしてください。
配信日時:2024年7月22日 01時00分
1.ウェッジ選びで“バンス”を重視すべき理由
ウェッジは同じロフト角であっても、バンスが変わるだけで、人によって振りやすさや構えやすさが変わるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
例えば、アプローチの際にフェースを開いて使いたい人にとって、バンス角が10度以上のハイバンスモデルは、刃が浮いてトップしそうに思えてしまうことがあり、ミスにつながる可能性があります。
ちなみに、バンスとは、シャフトを垂直にしたとき、リーディングエッジ(クラブフェースの底辺部分)よりも下にふくらんでいる部分のことで、バンスがあることで地面に刺さり過ぎることを防いでくれる役目があります。詳しくは「バンス(バウンス)ってウェッジのどの部分? ハイバンスとローバンスの違いや打ち方を解説」をご覧ください。
2.【アプローチタイプ別の選び方】2024年おすすめウェッジ30選
アプローチでスピンをかけてイメージ通りにボールを止めたい人は、フェースを開きやすいウェッジ。ミスを減らして安定して寄せたい人は、フェースを開かなくてもソールが滑るウェッジを選びたいところ。ギアに詳しい海老原秀聡プロに、ソールが多様化した最新ウェッジを以下の4つに分類してもらいました。自分のプレースタイルや、これからどんなアプローチをしたいかによって合うモデルを選びましょう。
・TYPE A:フェースを開いて打つのが基本の操作性重視タイプ
・TYPE B:フェースを開いても閉じても力を発揮する万能タイプ
・TYPE C:スクエアを基本に、状況によっては開けるセミオートマタイプ
・TYPE D:真っすぐ構えて同じ打ち方で寄せるオートマチックタイプ
・TYPE A:フェースを開いて打つのが基本の操作性重視タイプ
スピンをかけるプレースタイルの中でも、より操作性の高さを求める人は、幅狭ソール&ローバンスの6モデルがおすすめです。入射角や打点がズレるとスピンや距離がバラつきやすいが、技術があれば緻密に球の高さやスピンを打ち分けられます。
【1】タイトリスト ボーケイ SM10 Tグラインド
【2】ピン s159 Tグラインド
【3】ピン s159 Bグラインド
【4】ピン s159 Hグラインド
【5】クリーブランド RTX FULL-FACE 2
【6】ミズノ T24 C-TYPE
【1】タイトリスト ボーケイ SM10 Tグラインド
フェースを開いても刃が浮かず、ボールの下にスパッと入ってスピン性能が高い。また、ボールがフェースに食い付く感覚があって、イメージ通りにスピンコントロールができるのも特長。
【2】ピン s159 Tグラインド
どれだけフェースを開いてもソールが跳ねずにスパッと抜けてスピンがかかる。また、インパクトの打感を手に感じやすく、しっかり打っても飛び過ぎないのでタテ距離を合わせやすい。
【3】ピン s159 Bグラインド
フェースを開いたときの抜けの良さと、距離感の出しやすさは「s159 Tグラインド」と同じ。ソールの接地面積が広い分、多少入射角がズレてもスピンや距離感が変わらないやさしさがある。
【4】ピン s159 Hグラインド
最大限にフェースを開いても刃が浮かずソールが跳ねないので、薄い芝からもボールを上げられる。ロブショットを打ちたい人や、スピンと球の高さでボールを止めたい人にピッタリ。
【5】クリーブランド RTX FULL-FACE 2
ヘッド全体に丸みがあるフェースを開きやすい形状で、開いたときのソールの抜けの良さが抜群。また、インパクトでボールがフェースに食い付く感覚があって、スピン性能の高さも◎。
【6】ミズノ T24 C-TYPE
ネックが細くてリーディングエッジに丸みがあるフェースを開きやすい形状。軟鉄鍛造アイアンのようなソフトな打感と、フェースコントロールがしやすい小ぶりヘッドで操作性が高い。
・TYPE B:フェースを開いても閉じても力を発揮する万能タイプ
操作性の高さにある程度の寛容性を求める人におすすめなのが以下の4モデル。ローバンスですが、適度なソール幅と独特のソールの削りで、スクエアにも打てるし入射角の許容範囲が広くなっています。
【7】タイトリスト ボーケイ SM10 Mグラインド
【8】テーラーメイド MG4 クローム LB
【9】本間ゴルフ TW-W Sソール
【10】キャスコ ドルフィン DW-123
【7】タイトリスト ボーケイ SM10 Mグラインド
操作性とやさしさを兼ね備えたローバンスモデル。レベルブローに打てば、安定してロブショットが打てるし、真っすぐ構えて打ってもソール全体が滑る感覚があって刺さる心配がない。
【8】テーラーメイド MG4 クローム LB
フェースを開いたときの抜けの良さと、真っすぐ構えてややダウンブローに打っても刃が刺さらないやさしさを兼ね備えている。ボールがフェースに食い付く感覚があってスピン性能が高い。
【9】本間ゴルフ TW-W Sソール
構えたときに安心感があるセミグースのローバンスモデル。リーディングエッジの削りとラウンドソールの効果で、スクエアに打っても刃が刺さらず、フェースを開いてもきれいに抜ける。
【10】キャスコ ドルフィン DW-123
スクエアに構えて打つとソール全体が滑る感覚があり、フェースを開いてもヒール側の出っ張りが滑ってきれいに抜ける。入射角の許容範囲も広く、どんなライからも打てる万能ウェッジだ。
・TYPE C:スクエアを基本に、状況によっては開けるセミオートマタイプ
ミスなく寄せるプレースタイルの中で、普段はスクエアに打って、状況によってフェースを開く可能性がある人は以下の8モデルがおすすめ。適度なバンス角とソール幅で15度くらいフェースを開いて打つことができます。
【11】タイトリスト ボーケイ SM10 Sグラインド
【12】タイトリスト ボーケイ SM10 Dグラインド
【13】ピン s159 Sグラインド
【14】ピン s159 Eグラインド
【15】フォーティーン DJ-6
【16】ミズノ T24 V-TYPE
【17】テーラーメイド MG4 クローム SB
【18】ロイヤルコレクション BBウェッジ
【11】タイトリスト ボーケイ SM10 Sグラインド
スクエアに構えて打ってもきれいに抜けてスピンがかかるし、ある程度フェースを開いても跳ね過ぎない。上達を目指す初・中級者からやさしくプレーしたい中・上級者まで幅広く使える。
【12】タイトリスト ボーケイ SM10 Dグラインド
ソールの削りは大きいが、接地面のバンスが効いていてダフリに強い。高さやスピンを打ち分けるよりも、スクエアを基準にフェースの開きを一定にしてオートマチックに寄せるのが正解。
【13】ピン s159 Sグラインド
スクエアに構えて打っても刺さらず跳ね過ぎないクセのないソール形状。ソフトな打感と安定したスピンで距離感を出しやすく、幅広いレベルのゴルファーが使えるバランス重視モデル。
【14】ピン s159 Eグラインド
顔の好みは分かれるが、フェースを開いても閉じても違和感がない独特の形状。2段ソールはどんなライからでも抜けが良く、スクエアを基準にある程度フェースを開いても打てる。
【15】フォーティーン DJ-6
2段ソールの前方の傾斜と、くぼみ部分の傾斜でバンス効果が大きくダフリのミスに強い。スクエアに構えやすいセミグースだが、ラウンドソールである程度フェースを開いてもOK。
【16】ミズノ T24 V-TYPE
ソールの接地面は狭いが、フェースを開き過ぎるとヒール側が跳ねるので要注意。スクエアから少しフェースを開いて緩やかなダウンブローで打つと、ソールがスパッと抜けてスピンがかかる。
【17】テーラーメイド MG4 クローム SB
スクエアに構えやすいストレートネック。見た目以上にバンスが利いていて、スクエアに打っても刺さらないやさしさと、ある程度フェースを開いて打てる操作性をバランス良く備えている。
【18】ロイヤルコレクション BBウェッジ
上級者好みの出っ刃でフェースを開きやすいシャープな小ぶりヘッド。打つと12度のバンス角とソールの溝の効果で、スクエアに構えてヘッドを鋭角に入れても刺さらないやさしさがある。
・TYPE D:真っすぐ構えて同じ打ち方で寄せるオートマチックタイプ
どんな状況でもスクエアに構えてオートマチックに打つ人に合うのは、幅広ソール&ハイバンスの以下12モデルがおすすめです。ダフリやザックリのミスに強いのが特徴で、ダウンブローでヘッドをボールの手前に落とすだけでボールを運べます。
【19】タイトリスト ボーケイ SM10 Fグラインド
【20】タイトリスト ボーケイ SM10 Kグラインド
【21】ピン s159 Wグラインド
【22】クリーブランド CVX 2 ZIPCORE
【23】クリーブランド スマートソール FULL-FACE TYPE-S
【24】キャロウェイ CBウェッジ
【25】テーラーメイド MG4 クローム HB
【26】ブリヂストンゴルフ BRM2 HF
【27】ミズノ T24 D-TYPE
【28】ミズノ T24 S-TYPE
【29】グローブライド オノフ フォージド
【30】フォーティーン TK-59
【19】タイトリスト ボーケイ SM10 Fグラインド
スクエアに構えて鋭角に打ち込んでも刺さらないハイバンスモデル。ヘッド形状がアイアンに近く、スクエアに構えてピッチ&ランで寄せたり、フルショットでグリーンを狙うのに最適。
【20】タイトリスト ボーケイ SM10 Kグラインド
ダフリのミスが出にくい幅広ソール&ハイバンスだが、ソールが跳ね過ぎないのが特長。入射角が変わってもスムーズに抜けるので、真っすぐ構えて入射角で球の高さを打ち分けられる。
【21】ピン s159 Wグラインド
トゥ側にボリュームがある幅広ソール&ハイバンス。スクエアに構えてフェースの向きを変えずに打てば、ボールの手前に入ってもソールがスムーズに抜けて狙ったラインに打ち出せる。
【22】クリーブランド CVX 2 ZIPCORE
スイートエリアの広さと抜けの良さが抜群の大型キャビティ。ダフってもソールが滑ってボールを運んでくれるし、打点がズレても球の高さとスピン量が変わらず狙った距離が打てる。
【23】クリーブランド スマートソール FULL-FACE TYPE-S
超幅広ソールで大型のキャビティウェッジ。スクエアに構えて緩やかなダウンブローで打てば、ソールが刺さることも跳ね過ぎることもない。芝はもちろん、バンカーからもやさしく打てる。
【24】キャロウェイ CBウェッジ
スクエアに構えやすいセミグースのキャビティウェッジ。スイートエリアの広さとソールの抜けの良さで距離感が安定。スピンのバラつきも少なく、やさしくピッチ&ランで寄せられる。
【25】テーラーメイド MG4 クローム HB
スクエアに構えやすいストレートネック。見た目以上にバンスが利いていてダフリのミスに強い。ヘッドバランスが重く、ボールの手前にソールをドンと落とせば安定してボールを運べる。
【26】ブリヂストンゴルフ BRM2 HF
スクエアに構えやすく、ピンに向かって真っすぐラインを出せるグースネック。ハンドファーストに構えてピッチ&ランで寄せるのにピッタリで、グースネックアイアンとの相性も抜群。
【27】ミズノ T24 D-TYPE
軟鉄鍛造アイアンのようなソフトな打感で距離感を出しやすい。上級者好みのシャープなヘッドだが、見た目以上にバンスが利いていてスクエアに構えてオートマチックに打つのが正解。
【28】ミズノ T24 S-TYPE
「T24 D-TYPE」と同じく上級者好みのシャープなヘッドだが、14度のハイバンスでソールが跳ねる度合いが強くダフリのミスに強い。シャープなヘッドでやさしく寄せたい人にピッタリ。
【29】グローブライド オノフ フォージド
トップブレード側の厚みとロングネックの高重心ヘッドで、スクエアに構えて低く打ち出すスピンアプローチが打てる。ハイバンスだがソールが跳ね過ぎず地面の上を滑るように抜ける。
【30】フォーティーン TK-59
超グースネックの大型ヘッド。ラウンドソールで抜けが良く、スクエアに構えてボールの手前にヘッドを落とすだけでOK。ソールが滑ってボールを運んでくれるやさしさ重視モデル。
■試打・解説 海老原秀聡
えびはら・ひであき/ 2012年プロ入り。現在は「GOLF&FITNESS POINT芝浦」でインストラクターを務めている。正確なショットに定評があり、最新のスイング理論はもちろんギアにも精通している。
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●初のメジャー優勝を果たした古江。関連記事【メジャー初V・古江彩佳の劇的イーグルを生んだ『軟鉄鍛造アイアン+特殊素材シャフト』を激写‼】を読めば、古江のアイアンショットの秘密が分かるかも?
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