シャフト選びの鉄則!まずは手元の硬さを見る【QPのギアマニュアル】
クラブフィッターとしてアマチュアゴルファーと向き合っている、QPことプロゴルファー関雅史が最新のギアマニュアルを紹介する。今回は自分に合ったシャフトの選び方のお話。
配信日時:2023年10月24日 03時30分
シャフトフィッティングを長くやらせてもらっていますが、特性が違うシャフトを打っても、弾道がまったく変わらないという人が、ごくまれにいるんです。「何を使っても一緒です」とは口が裂けても言えないので苦労しますが、細かな微調整をして合わせる、フィッターの腕の見せどころととらえています(笑)。例外の方もいますが、多くの人は、合うシャフト、合わないシャフトが存在します。ヘッド性能に比べて、ボールの弾道への影響は少ないですが、シャフトはミート率を上げる役割を担っています。ヘッドの性能を発揮するためにもシャフト選びはとても重要です。
シャフト選びの入口は、手元側のしなりの違いから判断します。手元側のしなりは、切り返しの仕方に密接にかかわっていて、タイミングの取りやすさにつながり、確実に硬い、軟らかいの好みが分かれる部分です。
一般的にはトップからの切り返しで急激に加速して、切り返した瞬間にシャフトに強く負荷をかけてタメが強いタイプの人は、手元側が硬くてしならない方が、タイミングを取りやすくなります。逆に、リストをあまり使わず、切り返しからフォロースルーにかけて徐々にシャフトに負荷をかけていくタイプの人は、手元側が軟らかくしなる方がタイミングは取りやすくなります。
ただし、すべての人がこのセオリーに当てはまるわけではありません。アマチュアの方でタメが強いスイングでも、手元側の軟らかいシャフトの方がタイミングを取りやすいなど、セオリーとは逆が好みだったりすることもあるんです。
自分に合ったシャフトを見つけるには、フィッティングなどを受けて自分の傾向を調べてもらうのが効果的ですが、自分で見つける方法もあります。今まで自分が使ったシャフトをリストアップして、中でも「飛んだシャフト」、「ミート率が高かった」など、いいイメージのモノの手元側が硬い、軟らかいなどの特性を調べて共通点を探します。そうすると手元側のしなり方の好みが見えてきます。セオリーではなく、過去の自分のデータから照らし合わせることができます。
手元側の硬さを入口にして選んだら、その先はニーズによって決めていきます。例えば、ボールが上がりやすいことにメリットがあるなら、手元が硬いシャフトが好きな方は先端が軟らかいモデル、手元が軟らかいシャフトが好きなら先端も軟らかい両しなりのモデルにするとか、アレンジしていけば最適なシャフトが見つかります。
最後になりますが、新しいモデルのシャフトは最新の技術や素材を使っているので、自分に合っていれば飛距離やミート率の向上は期待できます。ですが、シャフトは最新が最良の結果を生むとも限りません。以前のモデルのシャフトの方が、飛距離もミート率も向上することもあると覚えておいてください。
関雅史(せき・まさし)/1974年生まれ、東京都出身。PGA公認A級ティーチングプロの資格を持ち、クラブフィッティングも行う。東京・駒込のゴルフスタジオ「ゴルフフィールズ」で活動。
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