“小ぶりヘッドドライバー5機種”の実力を試打検証〜PING G430 LST編【試打の鉄人】
最新クラブや注目クラブを「試打の鉄人」が徹底チェック。トーナメント中継などで使われる「トラックマンシステム」を使い、リアルタイムに弾道を追跡・表示するなど、クラブの真の性能に迫ります。
配信日時:2023年9月11日 03時00分
市原建彦が弾道データをもとに“自分に合うか?”という目線で試打検証
今回は、450cc以下の小ぶりなヘッドのドライバー5機種を市原建彦が試打。キャロウェイ『パラダイム トリプルダイヤモンド』、ピン『G430 LST』、ヨネックス『EZONE GT425』、ブリヂストンゴルフ『B-Limited 415』、テーラーメイド『BRNR Miniドライバー』を、計測データをもとにそれぞれ検証していく。
★『キャロウェイ パラダイム トリプルダイヤモンド』編の記事を見る
PING『G430 LST ドライバー』の特徴は?
PINGのドライバーと言えば、ヘッドの慣性モーメントを極限まで高め、“曲がらないこと”が最大の特徴だった。そんな中で最新の『G430』シリーズは、超極薄に仕上げたフェースを採用することで、強い反発力による“激飛び”を獲得。さらに、フェースの丸みを最適な形に調整した「スピンシステンシー・テクノロジー」によって、ミスヒットでも飛距離ロスを抑えることが可能になり、ブレずに飛ばせるドライバーに仕上がっている。
今回テストした『G430 LST』は、クラウンに8層の軽量カーボンを採用することで重心を下げ、最も低スピンな強弾道で飛ばせるよう調整されたモデルだ。ヘッド体積は440ccと小ぶりで適度な操作性がありつつも、PINGらしいブレの少なさも備わっているため、パワーのある男子プロを中心に高い使用率を誇っている。
ドローが持ち球の市原建彦は、『G430 LST』をどのように評価するのか…?
【試打レビュー】「ドロー・フェードどちらも打てて、自在に操れる印象がかなり強い」
今回の試打ではロフト10.5度、高弾道が打ちやすい純正シャフト『ALTA J CB BLACK』のSフレックスが装着されたPING『G430 LST』を使用。試打前にヘッドの顔をチェックした市原は、「クラウンの凹凸が特徴的です。スイートスポットに線が向かっている感じがして、厚く当てさせたいというPINGさんの意図があるように見えます。すっと置いた時の座りの良さも際立っています」とコメント。
試打を行った市原が感じたのはヘッドの直進性の高さ、そして、『LST』というモデル名とは裏腹にしっかり打ち出しの高さが出ることだった。
「打ち出しの弾き感と出球の高さがすごく心地良いですね。シャフトの性能もあるかもしれませんが、球が結構上がります。あとはインパクトの打感、弾き感がすごく心地いい。真っすぐな直進性の高い球が打てますよ」
市原が打った3球の弾道データを見ると、安定した飛距離を出しながら、ドロー・フェードの打ち分けもキレイにできていることが分かる。
「ロースピンのヘッドでドローを打つと、高さが足りずにチーピンになることも多いですが、『G430 LST』は出球が高く、スピン量も安定しています。3球目は持ち球のドローが出るように振りましたが、真っすぐな出球で最後に左に曲がる理想的な弾道でした。性能的にはドロー・フェード、両方打てるクラブですね。自在に球筋を操れる印象はかなり強いです」
安定した飛距離を出しながら、ドロー・フェードを自在に打ち分けられるという『G430 LST』。実際の計測風景は動画でチェックしてほしい。
【試打映像】弾道計測データ&市原建彦の評価は…?
試打の鉄人 プロフィール|市原建彦(いちはら たつひこ)1978 年生まれ、神奈川県出身。ツアー通算1 勝。アマチュア時代の96 年に「世界ジュニア」を制覇。プロ転向後は、06 年「アサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルオープン」で優勝を果たしている。187cm の長身から放つ豪快なショットが持ち味。自身でトラックマンを保有し、ギアへの造詣も深い。